いづれの雲のなごりとて 「心の花」2020年3月号掲載小論 | わたる風よりにほふマルボロ

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new第7回「現代短歌社賞」

選考結果の載った

『現代短歌』2020年1月号に、

梶間の8首抄が掲載されました。 

「梶間和歌の歌の載っている1月号を」

と言い添えてご注文いただけますと

とても有難いです。

ご購入はこちらからnew

 

new『短歌往来』2020年4月号に

評論を執筆しました。

3月半ばの発売です。

「梶間和歌の評論の載っている4月号を」

と言い添えてご注文くださいませ。

ご購入はこちらからnew

*:..。o○ ○o。..:*

 

 

子宮系歌人 梶間和歌です。

 

 

所属する短歌結社の結社誌に

昨年6月に投稿したエッセイが、

半年以上経って掲載されました。

 

1月号に掲載されたのが

昨年9月のエッセイなので、

場合によって掲載順は

前後するようですね。

 

 

 

結社誌への投稿なので、

結社内の人の名前など出ています。

 

一般には著名ではない方ですが、

まあ、お気になさらず。

 

 

こちらの記事などで何度か触れた、

昨年亡くなった

ほぼ同い年の歌友のことですね。

 

 

 

文章ですが、

 

手書きでの清書前のワードデータを

コピー&ペーストして、

ブログ記事として読みやすいよう

改行を加えています。

 

 

梶間の文章にしては短い(笑)

700字弱の短い文章。

 

そういう意味でも読みやすい

と思いますので、ぜひ^^

 

 

 

「心の花」2020年3月号掲載分

(2019年6月提出分)小論

「いづれの雲のなごりとて」

 

梶間和歌


 

『和泉式部集・続集』と

『建礼門院右京大夫集』を

数年前に買ったので、哀傷歌といえば

このふたりのものをよく読む。

 

ただ、好んで読むというより、

「ここまで実感に寄り掛かると……」

「哀しいのはわかるけど……」

と唸りながらだ。

 

 

とはいえ、最愛の人を失った時、

歌を詠む者ならば、

詠嘆に偏るのが自然なのかもしれない。

 

そして、

彼女らを職業歌人と比べるのも

不適当なのかもしれない。

 

が、私は歌道家藤原定家の

哀傷歌のほうを好む。

 

玉ゆらの露もなみだもとどまらず亡き人恋ふるやどの秋風

新古今和歌集哀傷七八八

 

 

鍾愛してくれた母とはいえ、

その死から五ヶ月、

時間に助けられた面もあるだろう。

 

ただ先のふたりも、

恋人の死の直後も数ヶ月後も

詠嘆を前面に出した哀傷歌を

詠んでいる。

 

やはり本人の気質や歌風、

和泉式部の場合は時代の影響も

あってのことか、と思う。

 

 

よしあしではなく、価値観の違いだろう。

 

泣き叫ぶような哀傷歌を

好む読者もいる。

 

『建礼門院右京大夫集』は、

歌より状況への共感だろうが、

先の大戦中多くの若者に愛読された。

 

そもそも、人に読まれるだけが

歌の価値ではない。

彼女らの哀傷歌は

彼女ら自身を救ったのだろう。

 

 

ただの好みだ。私は、

自分で詠むにも古典を読むにも

「泣き叫ぶのは、私には違う」と感じた。

 

定家のような、

哀しむ自身を少し突き放した視点の

哀傷歌の余情を、

静かに心に広げるのが好きだ。

 

 

笹本碧さんの訃報よりこの方、

気づけば定家のこの歌を

口ずさんでいる。

 

彼女との永別は、

私なりの形で血肉に変えてゆく。

 

夕ぐれはいづれの雲のなごりとて花たちばなに風の吹くらむ

新古今和歌集夏二四七

 

 

 

こちらの歌もどうぞ^^

 

 

*:..。o○ ○o。..:*

 

「現代短歌社賞」応募作8首詠の

掲載された

『現代短歌』1月号はこちら

「梶間和歌の歌の載っている……」

の一言もぜひお願いします^^

 

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