*:..。o○ ○o。..:*
リーディング短歌書き下ろし
1月末日まで、無料企画も。
→★
『源氏物語』を使った心理学講座。
紫上の前半生を題材にします。
執筆、講義のご依頼はお気軽に・*:.。
→★(執筆関係)
→★(講義関係)
*:..。o○ ○o。..:*
恋歌とてよめる
あひみつるこよひのあはれ夢なれなさめては物をおもはざるべく
永福門院内侍
風雅和歌集恋二、1088
【口語訳】
現実とも思えない。
あの人と抱き合い、愛し合えた
今宵の事……今宵のすべてよ、
どうか夢であってくれ。
夢であれば、いつか覚めても
もの思いにふけることもないだろう。
どのみち夢なのだから、と
気安く思えるだろう。
覚めても惜しくもない夢で
あっておくれ、どうか。
(訳:梶間和歌)
【本歌、参考歌、本説、語釈】
あふとみる程はうつつにかはらぬをさめて夢ぞと思はずもがな
二条為実 新後撰和歌集恋二
あひみつるこよひ:
逢瀬を実現した今宵。
「つ(つる)」は完了の助動詞で、
たったいま経験したこと、また
感覚としてたったいまのように
感じられることを表す。
あはれ:もとはため息の音、
「ああ」という意味の感動詞で、
名詞としては、愛情に限らず
「ああ」と声の漏れるような
さまざまな感情を表す。
夢なれな:夢であれよ
さめては物をおもはざるべく:
夢が覚めた時に
もの思いにふけることのないように
*:..。o○ ○o。..:*
いざ、愛する人と愛し合えた夢を
見て覚めたら、絶対に
もの思いにふけるのですけれどね。
ここでそんな事を言っては
いけないのです。
あひみつるこよひのあはれ夢なれなさめては物をおもはざるべく
*:..。o○ ○o。..:*
執筆、講義のご依頼はお気軽に・*:.。
→★(執筆関係)
→★(講義関係)