九条良経 見ぬ世まで | わたる風よりにほふマルボロ

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左大将に侍りける時、家に六百番歌合しけるに、春曙をよめる
 
見ぬ世までおもひ残さぬながめより昔にかすむ春の明ぼの
 
九条良経
風雅和歌集雑上1425
 
 
 
【口語訳】
 
まだ見ぬ世、来世生まれ変わるまで
どのような経験をしても
決して敵わないだろう、
思い残すことのない眺めとしての、
今日この瞬間の春の曙。
けれどもこの絶景には
忘れられない昔の面影が
薄く濃くにおっていて。
目の前の絶景を
心に留めているようで、
本当のところ、私は
過去しか見ていないのかもしれない。
過去に支配されたいましか
見ていないのかもしれない。
 
(訳:梶間和歌)

 

 

【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

見ぬ世:

 通常、「見ぬ世」とは過去世のこと。

 ただこの歌では来世と解して訳した。

 過去生として解釈する訳も多く、

 解釈は定まっていない。

 

 
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語釈に書いたとおり、
定説の定まっていないながら
大変愛されてきた歌です。
 
私なりの訳を記しましたが、
それ以上に、
あなたの心で受け止め、咀嚼して
味わっていただきたいです。
 
 
塚本邦雄も絶賛していますね。
 
『風雅集』にこの歌を見つけた時の
感動を、どの図書だったか、
熱く書いています。

 

このどちらかです。

記憶が曖昧で恐縮です。

 
 
見ぬ世までおもひ残さぬながめより昔にかすむ春の明ぼの
 
 

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