九条良経 凍りゐし | わたる風よりにほふマルボロ

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春のはじめの歌

凍りゐし水のしら波岩こえて清滝川にはるかぜぞふく
 
九条良経
続古今和歌集春上13
 
 
【口語訳】
 
ずっと凍っていた水が解けて
白波となり、岩を越えて、
ああ……清滝川に春風が吹く。
目に見えぬ春風が吹いている。
 

(訳:梶間和歌)

 

 

【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

清滝川:京都市の歌枕。

 愛宕山の麓を流れて保津川に注ぐ川。

 桜や紅葉のほか、

 清流を通す渓谷美によって親しまれた。

 
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良経の歌は
いかにも育ちの良い貴族の歌
という印象です。
 
おおらかで、
安心して読める歌といいますか。
 
定家のような緊迫感とは無縁。
定家の張り詰めた歌も好きですが、
こうしたおおらかな歌も好きです。