藤原元真 荻の葉に | わたる風よりにほふマルボロ

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天徳三年九月庚申(かのえさる)の歌合に荻をよみ侍りける

 

荻の葉に風のすずしき秋きては暮にあやしきものをこそ思へ

 

藤原元真(もとざね)

玉葉和歌集秋上478

 

 


【現代語訳】

 

荻の葉に風の涼しく吹きつける

秋が来ては、夕暮れ時に

おかしな、道理に合わない

もの思いについ耽ってしまう。

 

(訳:梶間和歌)

 

 

【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

荻の葉:水辺や湿地に群生する

 すすきに似た植物。

 風に音を立てる、秋の象徴。

 

あやしき:おかしな

 

ものをこそ思へ:

 秋はもの思いする季節として

 描かれる。

 

 

 

有名でない歌人だな、

京極派の人かしら、

 

と思って調べると、とんでもない。

 

 

天徳三年の歌合ということは、

西暦959年。

和泉式部より前でした。

 

伯父が

『古今集』『後撰集』歌人だそうで、

 

本人は

早くから歌才を発揮したものの

入集は

『後拾遺集』が最初とのこと。

 

 

生没年不詳だそうですが、

天徳三年(959年)の歌合に

出詠していたということは、

 

寛弘三年(1006年)ごろの

『拾遺集』成立期には老年か、

故人になっているか、

という感じでしょうか。

 

 

『拾遺集』歌人とは思えない

歌を詠むものですね。

 

『玉葉集』入集歌なのだから

当然だ、ともいえるのですが。

 

 

と思ってほかの歌を見てみると、

はい。

『拾遺集』のころの歌人として

不思議のない歌でした。

 

この歌だけが特別

時代をうんと

先取りしていたのかしら。

 

 

荻の葉に風のすずしき秋きては暮にあやしきものをこそ思へ

 

 

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