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夏の歌とて
山里の雪には跡もいとはれきとへかし人の五月雨のころ
慈円
玉葉和歌集夏359
【現代語訳】
訪れるのもおっくうになるから
山深い里の深い雪には
足跡を付けるのも
厭われたものだし、
あの美しい雪に足跡を付けられると、
訪問客のうれしさだけでなく
雪の汚される嫌悪感も
抱かれないではない。
さて、いまは五月雨の夏だよ。
人の心乱れる五月雨のころ、
この山里を訪うて来なさいよ。
(訳:梶間和歌)
【本歌、参考歌、本説、語釈】
跡:足跡
いとはれき:厭われた、
嫌がる気持ちになった。
「る(れ)」は自発の助動詞で、
「(意識的にではなく)おのずと
そのような気持ちになったり
そのような行動を取ることに
なったりする」意。
とへかし:「訪ふ」の命令形に
念押しの「かし」の付いた形
五月雨:「人の」に続くので
「乱れ」を響かせるか。
【2024年に訳に加筆しましたが、
以下の文章は
2021年執筆のままです】
【コメント欄までご覧いただきますと
いっそう有意義です】
困りました。
私、この冬に
『新編国歌大観』を
手に入れてからは
歌の表記をなるべくそちらに
揃えるようにしてきたのです。
なにも、『新編国歌大観』だから
一番信用できるとか
そういうことではないですが、
ブログ記事のすべてを
どれかの表記に
統一することは無理でも、
「この時期以降は
この本に沿っているよ」
というある程度の統一感は
あったほうが親切かな、
と考えまして。
なのですが、
この「山里の」の歌は
岩波文庫『玉葉和歌集』
夏の歌とて
山里の雪には跡もいとはれきとへかし人の五月雨のころ
『新編国歌大観』
第一巻 勅撰集編
夏歌とて
山里のゆきには跡もいとはれずとへかし人のさみだれのころ
「いとはれき」と
「いとはれず」では
時制もですが、何より意味が
正反対ではないか。
初出を調べようと思い
慈円の家集『拾玉集』を
索引検索しても、ないし。
その他、私撰集などを
調べることまでは
しませんでした。
余力があって調べられた方が
もしいらっしゃいましたら、
ぜひコメントで
教えてくださいませ。
ということで、この記事では
私の乏しい教養と
それらから導かれる常識で
文脈を考え、
「いとはれき」を取りました。
「山里の雪には
足跡を付けるのも
おっくうにならない。
訪うて来なさい、
人の心乱れる五月雨のころ」
では、上下句の意味が
通らないですよね。
雪に跡を付けるのが
厭われないのだとしたら、
五月雨のいまではなく
雪のころに「訪え」と言えば
よいはずなので。
新古今歌人でも、
初学のころは式子内親王、
その後は定家や後鳥羽院に
偏って学んできた私には、
慈円先輩の歌の学びが
まったく足りていないようです。
諸事情あり、
この秋の引っ越しまでは
近隣の図書館も閲覧利用しか
できないのですが、
慈円関係でもし
お勧めの図書などありましたら
ぜひ教えてくださいね。
私の知っている事や
考えてきた事は
惜しみなくシェアしますが、
だからといって、ここは私が
一方的に教えるだけの
場である、とは
考えておりませんので。
同じ、または近しい
歌の高みをめざす者同士、
助け合って参りましょう。
及ばぬ高き姿をねがひて。
山里の雪には跡もいとはれきとへかし人の五月雨のころ
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いつも応援、また金銭的なご支援も
本当にありがとうございます。
ご支援を募ることについて
考え方が変化しつつあり、
まだ、まったく言語化できないな。
— 梶間和歌 (@WakaKajima) January 19, 2024
・心配からでなく善なる行為としての確信から寄付してほしい
・または、そうすることをおもしろいと感じて寄付してほしい
・ただし、現状は心配されても仕方ない生活である
これらすべてをさらけ出すことが、いまできることだろうか。https://t.co/hN0CKLjNMS
「私に足りない経済部分を、心配からでなく、おもしろさから、またこれは良いことであるという確信を以て補ってください」
— 梶間和歌 (@WakaKajima) January 26, 2024
と自信を伴って言えるよう、私は今日も和歌仕事をしよう。
私のすべき努力分野は和歌と、美しく生きることであり、それ以外の何かではない。https://t.co/hN0CKLjNMS
睡眠不足で事故を起こしそうだといくら訴えても、録音データを送っても、アパートの騒音対策がこれ以上無理だとわかったので、引っ越す方向で考えています。
— 梶間和歌 (@WakaKajima) May 28, 2024
最悪、引っ越し費用だけ貯めて引っ越し、その後は生活保護という選択肢も。
お気持ちお寄せいただけましたら。https://t.co/hN0CKLjNMS
現在このようなとおりです。
「経済的に困っているので助けてほしい」
という募り方をなるべくしたくない。
「この人を応援することは良いことだ」
という確信を以て、または
「この人おもしろい。応援したい」
という明るい動機から
応援していただくため、
経済的に困っている時も
困っていない時も
堂々と支援を求められる自分であるべく
日々全力で和歌と向き合っております。
このあたりの文章化には
もう少しお時間いただきますが、
それまでも、これからも、
梶間和歌にいっそう和歌仕事に
集中させるべく、どうか
応援よろしくお願いいたします。
それでは、またね。
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