式子内親王 たのむかな | わたる風よりにほふマルボロ

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たのむかなまだみぬ人をおもひねのほのかになるゝよひよひのゆめ

式子内親王
式子内親王集75

 




【口語訳】

甲斐のないことと

頭ではわかっているのだが、

つい期待してしまうなあ。

まだ愛し合うこと叶わぬ人を

想いながら眠った夢に、

ほのかにその姿を見たような……

満足はできないけれど

ほのかにその様子に慣れてゆく

我が心よ。

夢なのに、夢に過ぎないのに、

宵ごとに見るものだから、

あの方と少しずつ心許し合い

睦み合うことに

ほのかに慣れてしまう我が心よ。


(訳:梶間和歌)

 
【本歌、参考歌、本説、語釈】

 

うたたねに恋しき人を見てしより夢てふものはたのみそめてき
小野小町 古今和歌集恋二、553

 

たのむかな:期待してしまうなあ

 

まだみぬ人:

 まだ愛し合うこと叶わない人

 

人をおもひねの:「人をおもひ」と

 「おもひね」を掛ける

 

ほのかに:

 「満足はできないが、かすかに」

 のニュアンス

 

なるゝ:相手と親しくなることと

 その状態に自分の心が

 慣れてゆくことを重ねるか。

 




これもやはり連作として読むと

おもしろいですね。

 

読みながらふと冷静になり、

独り悶々と悩む男の体験詠

と考えてしまうと、気持ち悪いですが。

『源氏物語』柏木の懊悩なども、

冷静に見てしまうと

突っ込みたくなるところが

たくさんありますね。

 

ですが、読者をふと冷静にさせない

歌の力があれば

しみじみ鑑賞させることができる。

 

 

「忍恋」の一連ですが、

「たのむ」気持ちの

生まれるくらいには

「忍ぶる」ことに徹することが

できていない状態の恋、ですね。
 

 

たのむかなまだみぬ人をおもひねのほのかになるゝよひよひのゆめ

 

 

 

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