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リーディング短歌書き下ろし
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おなじ心(梅)を
袖の上にかきねの梅はおとづれて枕にきゆるうたゝねの夢
式子内親王
新後拾遺和歌集春上51
我が袖のうえに
垣根の梅の香は訪れ、
その香に覚まされたうたた寝の夢が
はかなく枕に消えていった。
(訳:梶間和歌)
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ほんの少し時代の下ったころの
歌人ですが、俊成卿女が
風かよふ寝ざめの袖の花の香にかをるまくらの春の夜の夢
新古今和歌集春下112
と詠んでいます。
俊成卿女の
「かをるまくら」「春の夜の夢」は
官能的なのに、
式子内親王の
「枕にきゆる」「うたゝねの夢」の
官能性はうんと抑えられていて。
袖の上にかきねの梅はおとづれて枕にきゆるうたゝねの夢
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