式子内親王 袖の上に | わたる風よりにほふマルボロ

わたる風よりにほふマルボロ

美しい和歌に触れていただきたく。

*:..。o○ ○o。..:*
newリーディング短歌書き下ろしnew

 

執筆、講義のご依頼はお気軽に・*:.。

キラキラ(執筆関係)

キラキラ(講義関係)

*:..。o○ ○o。..:*

 

 

おなじ心(梅)

 

袖の上にかきねの梅はおとづれて枕にきゆるうたゝねの夢

式子内親王
新後拾遺和歌集春上51

 




【口語訳】

うたた寝にまどろんでいると、

我が袖のうえに

垣根の梅の香は訪れ、

その香に覚まされたうたた寝の夢が

はかなく枕に消えていった。

(訳:梶間和歌)


 

*:..。o○ ○o。..:*

 

 

ほんの少し時代の下ったころの

歌人ですが、俊成卿女が

風かよふ寝ざめの袖の花の香にかをるまくらの春の夜の夢
新古今和歌集春下112

と詠んでいます。

 

 

俊成卿女の

「かをるまくら」「春の夜の夢」は

官能的なのに、

 

式子内親王の

枕にきゆる」「うたゝねの夢」の

官能性はうんと抑えられていて。

 

 

袖の上にかきねの梅はおとづれて枕にきゆるうたゝねの夢

 

 

*:..。o○ ○o。..:*

 

執筆、講義のご依頼はお気軽に・*:.。

キラキラ(執筆関係)

キラキラ(講義関係)