「マグネシウム摂取不足の解消こそが糖尿病の増加を抑える」 by 慈恵医大・横田邦信先生
一昨日のブログに引き続き、東京慈恵会医科大学付属病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 診察医長の横田邦信先生よりいただいた情報、2012年5月17日~19日に開催された「第55回 日本糖尿病学会」の情報をご紹介いたします。
では、「日経メディカルオンライン」(2012年5月22日)より、引用いたします。
●「マグネシウム摂取不足の解消こそが糖尿病の増加を抑える」
“Forgotten Mineral(忘れられたミネラル)”と称されるマグネシウム(Mg)。
その慢性的な摂取不足を解消することは糖尿病の増加を抑えることにつながる――。
東京慈恵会医科大学附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科の横田邦信氏は、5月19日まで横浜で開催された第55回日本糖尿病学会(JDS2012)のシンポジウム「糖尿病増加の誘因は?」に登壇、追加発言を行った。
早くから日本人のMg摂取不足と糖尿病発症との関連性に着目してきた横田氏は、海外だけでなく国内でもエビデンスが積み重なってきているとし、改めてMg摂取不足への対応を訴えた。
(中略)
横田氏は、Mg不足のインスリン抵抗性の発現機序についてエビデンスが集積しているとし、たとえば全粒穀物の繊維およびMgを十分に摂取すると、2型糖尿病発症リスクを約35%低減するとの前向き研究の結果やメタ解析の成績が出ていることを紹介した。
(中略)
平成22年国民健康・栄養調査の結果によると、日本人成人(30~49歳男性)のMg推定摂取量は240~244mg/日だった。
日本人の食事摂取基準(2010年版)の370mg/日よりも130mg/日も不足しており、WHO推奨量である420mg/日と比べても176mg/日も不足している。
横田氏は現状を、「無意識のうちに慢性的なMg摂取不足に陥っている」と警告した。
その上で、「日ごろから十分なMg摂取を心がけることが、2型糖尿病・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の発症あるいは進展の予防に極めて重要」と指摘、「若いころからの正しい食育が強く望まれる」と求め講演を終えた。
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全文は、以下をご覧ください。(「日経メディカルオンライン」 2012年5月22日)
なお、マグネシウムについては、「MAG21研究会」のホームページに詳しく解説されています。