回虫博士・藤田紘一郎先生と「乳酸菌と塩」談義
以前、このブログでご紹介したことがあるのですが、みっくさん に誘っていただいて、6月8日に、日本橋丸善にて、 『カイチュウ博士と発酵仮面の「腸」健康法』(2010年5月、中経出版)の出版記念の講演会&サイン会 に行きました。
著者・講演者のお一人は、藤田紘一郎先生・東京医科歯科大学名誉教授。専門は、寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。腸に回虫を飼っているという先生です。
去年、日本経済新聞・日曜日版に、「菌とつきあう」 「水で健やか」というコラムを連載なさっていました。
藤田紘一郎先生は、食品添加物や防腐剤の過度の使用により、身体の中の乳酸菌等の善玉菌や回虫の働きを抑制した結果、腸に菌がすめなくなり、その結果、アトピーや花粉症の増加を招いたという説を唱える著名な学者さん。
現在の日本人の食生活に警鐘を唱えていらっしゃいます。
一度、藤田紘一郎先生にお会いして、お塩の話を伝えたいと強く念じておりました。
さて、弊社顧問の瀬川昌威の教育大付属高校サッカー部時代の先輩に、おなじく日本医科歯科大学名誉教授で、歯科矯正学の権威の黒田敬之先生がいらっしゃいます。
サッカー部のOB会合宿のとき、瀬川が、「塩を作った後にできるニガリ(主な成分はマグネシウム)をビールや焼酎に入れて飲むと、マグネシウムがアルコールを分解するので二日酔いにならないんです」と説明したそうです。
黒田先生は、深夜まで深酒しながら、さっそくニガリをお試しになり、翌朝、こんなことは始めてとさわやかにお目覚めになったそうです。それ以来、黒田先生は、すっかり、ニガリファンに。
念願叶い、その黒田敬之先生に、藤田紘一郎先生を紹介していただくことができました。8月19日、黒田先生に連れられて、瀬川昌威と一緒に、藤田研究室を訪問しました。
藤田紘一郎先生には、日本人は、昭和47年から約30年間、塩化ナトリウムだけの塩を摂ることを強制され、この塩化ナトリウムが、「殺菌」「消毒」の働きをして、腸の中で、酵素を生む酵母や、乳酸菌の働きを弱めてしまったのではないか、とご説明したところ、ご納得をいただけました。
塩によって乳酸菌の発育量が違う、精製塩や岩塩よりも「わじまの海塩」は乳酸菌が育ちやすい、という実験結果のレポートについて、熱心にご覧になっていました。
そして、藤田紘一郎先生は、水についても研究なさっています。
2009年10月4日の日本経済新聞
では、長寿第2位の北海道の東川町の町民が飲む大雪山の長寿水について紹介されていました。
カルシウムの補給には、マグネシウムが必要で、カルシウムとマグネシウム濃度が2対1になるのが望ましいとされていて、この長寿水はそれに近い水だったという内容でした。
「わじまの海塩」のカルシウムとマグネシウムの比率も2対1なんですよ、と説明したら、「なるほど」と。
最後に記念写真をとっていただきました。(私、切れてますけど)
一番右が瀬川昌威です(「瀬川小児神経学クリニック」の瀬川昌也院長の弟にあたります)。
研究室には、たくさんの本の中に、回虫の標本が飾られていましたよ。
藤田紘一郎先生の略歴:
1965年 東京医科歯科大学医学部卒業
1970年 東京大学大学院医学系研究科を修了し医学博士号を取得、東京大学医学部助手(寄生虫学)
1971年 University of Texas.Research fellow (微生物学)
1972年 順天堂大学医学部助教授(衛生学)
1977年 金沢医科大学教授(医動物学)
1981年 長崎大学医学部教授(医動物学)
1987年 東京医科歯科大学医学部教授
2000年 東京医科歯科大学大学院教授(国際環境寄生虫病学)
2005年 東京医科歯科大学名誉教授、人間総合科学大学教授(免疫・アレルギー学)
藤田紘一郎先生の主な著書:
『笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記』 講談社 1994
『癒す水・蝕む水―世界の水と病気』 日本放送出版協会 1996
『清潔はビョーキだ』 朝日新聞社 2001
『「きれい好き」が免疫力を落とす』 講談社 2005
『子どもの「免疫力」を高める方法 』 PHP研究所 2006
『知られざる水の「超」能力』 講談社 2006
『ミネラルウォーターの処方箋』 日東書院本社 2007
『病気に強い人、弱い人 腸内細菌叢が寿命を決める』 幻冬舎 2007
『カイチュウ博士と発酵仮面の「腸」健康法』 中経出版 2010