昭和30年代からの電気冷蔵庫の普及と、塩の役割 | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

昭和30年代からの電気冷蔵庫の普及と、塩の役割

昨日のブログに、昭和30年代の世界の死亡原因は、飢餓と食中毒だったと書きました。
そういう社会では、塩の重要な役割は、殺菌と保存でした。

そして、今では当たり前のような冷蔵庫ですが、昭和30年代(1957年)に、冷蔵庫・洗濯機・テレビが家庭内の三種の神器と言われたぐらいなもの。
つまり、つい40年~50年前までは、家庭には、電気冷蔵庫がなかったんです。
電気冷蔵庫の普及率が99%台になったのは、なんと昭和50年代初頭なんですよ。


旬にたくさん採れる魚や野菜を、いかに、採れない季節まで保存するか。
その知恵が、塩を使った塩漬け、干物、糠漬け、粕漬け・・・などを生んだのです。


私が子供のころには、サンマやイワシのお刺身なんて、ありませんでした。
腐りやすいサンマやイワシを、生で食べるなんてことは、よほどの店に行かなければできなかったでしょう。
それが、回転ずしでも、サンマやイワシのお寿司が食べられるようになったのは、冷蔵庫・冷凍庫・コールドチェーンの発展があったからです。


伝統の作り方を維持する、伝統の味を守る、というのは、必ずしも、今の時代に合っているとは限りません。
おばあちゃんの料理、おかあさんの料理はおいしかったけど、冷蔵庫がなかった時代、流通が悪かった時代、その時代の塩の役割・使い方を、今も同じままにしているのは、ちょっと違うかもしれません。


そして、干物は保存食、一夜干しは嗜好食。保存のために、塩を強くしてある干物よりも、ほどよい塩味の一夜干しのほうがおいしい。けれど、賞味期限は短くなります。干物の価格は安くて、一夜干しは高い、というのも、そういう理由。

でも、今は冷凍庫もあるので、いつでも美味しい一夜干しが食べられるようになりました。



塩売り主婦 奮闘記-アジの一夜干し

ご家庭でできる、美味しい一夜干しの作り方は、こちら です。



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