黒鉄の群狼:セッション回想録~第五節:2015年1月11日~ | 歪斗のチラシ裏

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TRPG関係の駄文を垂れ流すスペースになろうかと。

■キャンペーン第5話

“竜狼”ヴォルフは死んだ。
 ……だが狼達は絶滅していなかった!

 というわけで第5話。
 作中では2年が経過。
 敵国アインエルデはいよいよその版図を拡大し、アトラタンを二分する最大勢力“連合”と“同盟”に次ぐ第三の勢力となりつつあった。

ワイ「GM、きっとその勢いを危険視し連合と同盟がここで一発アインエルデを滅ぼしてくれたり」
GM「しないっすね」

 ですよね。

 対してPC達は大商人イザベラ・フォーゲルの庇護下で辛うじて群狼の血脈を維持していた。
 商会の私兵という立場を取りつつ、陰でゲリラ戦を展開し反アインエルデの活動を続ける。
 しかし、その抵抗はあまりにか細い。
 1の勝利を得るために10の敗北を重ねる。仲間を失い、心身に傷を負う度に湧き上がる「この抵抗に意味はあるのか」という自問。神経に鑢をかけられるような日々。それが2年間。
 PC①、ラインスが率いる精鋭部隊“白牙(アルバスファング)”もある者は去り、ある者は命を落とし、その数を大きく減じていた。
 
ワイ「と、いうわけでこの二年ですっかり磨り減ったラインスはひどくやさぐれています」
一同「(えぇーこいつまためんどくせぇ……)」

 目の下に常時クマができた状態のラインス。
 
 そんな焦げ付いたPC①の下へ、1人の少女がやってくる。
 名はルー。
 彼女は全身に大火傷を負い、最早助からぬのは明白だった。
 そんな少女がラインスへ託した願い。

「おうさま、みんなをたすけてあげて」

 その言葉が、ラインスの脳裏に呼び起こす在りし日の情景。
 自分は、この少女を知っている。
 父親に肩車されたルーが、小さな手で差し出す一輪の花。そう、あれは自分がアルバルクスの王として即位したばかりの頃――
 砂に埋もれ全て滅んだ(第一節オープニング)と思っていた自らの国民が、生きていた。生き延びていた。
 しかしその子は炎に巻かれ、それでもなお人々を救ってくれと願いに来た。
 王ならば、必ず救ってくれると。幼くも純粋な想いを抱いてただひたすらに。自らの命が消え果てるその瞬間まで。
 そんな彼女に、自らはもはや王ではないと。どうして言えよう。
 国土はなく、王城はなく、玉座もない。
 それでもこの身を王と呼ぶ者がいるのなら――

 焼け爛れた手を握り、ラインスは言う。

「良く頑張ったな。そなたは強い子だ。
 皆は必ず、この私が助ける。
 だから……安心して、休むが良い」

 えへへ、おうさまに、ほめられちゃった。

 それが少女の最期の言葉だった。

 ルーをここまで連れてきた群狼の部下が言う。
 彼女を見つけたのはトラガスというアインエルデの支配下にある国であること。
 そこの統治を任されているゴドナント・グルーカスという男は領地の管理を放り捨てており、混沌災害で領民が苦しめられるままになっているということ。

 ラインスは静かな声で言った。

「――トラガスに、征く」

 トラガス。
 そこでは混沌により呼び出されたサラマンダーが自由気ままに暴れ回っており、人々はその猛威に脅かされていた。
 荒れ狂う烈火。
 ――こいつが、ルーを……。
 PC達が即座に炎精を鎮圧し、ラインスは聖印を浮かび上がらせた右手でサラマンダ―のコア、混沌核を吸収する。
 
 そこへやってくるゴドナント率いるアインエルデ軍。
 聞けば、ゴドナントは混沌核が十分に成長するのを待つためあえてサラマンダ―を放置していたとのこと。

 良し、分かった、殺す。

 シームレスに殺意を確定させて戦闘開始。
 戦術の妙を解さぬゴドナントの拙い指揮では如何な精強のアインエルデ兵といえどその真価を発揮できるはずがなかった。
 難なく一蹴!

 配下を見捨て単身主城に逃げ帰るゴドナント。

 隊を整え追撃するPC達。
 途中、小休止の最中にラインスは幼馴染のラピスに問う。
 ――再会してからずっと気になっていた違和感。
 ラピスは「他者を護る」ということにひどく、ひどく執着しているように見える。
 幼い頃に別れてから再開するまでに、何があった?
 ラピスは訥々と語り出す。
 傭兵であった両親を、ある戦いで目の前で失った事。
 その時、自分もまた一度死んだのだという事。
 ――もうあんな思いはしたくない。
 そう語るラピスの想いを受け止めた後、静かに肩を抱いてラインスが言う。
 一度死んだお前と、こうして今一緒にいられて嬉しいと。

 ――俺とまた、出逢ってくれてありがとう、と。

 良いシーンに見えますが裏ではワイ将超脂汗。
 ラピス担当PLのね。なんというかロール力がね。すごくつよいんですね。
 気を抜いたら持って行かれる……! とぐるぐる目で全力で喰らい付いた結果、最終コーナーでちょっと速度が落としきれずにコースアウトして最後の一言なんざどう見ても女性向けです本当にありがとうございました。

 一方その頃。
 城に逃げ帰ったゴドナントは、アインエルデ国王クラウス直属の闇魔法師、ザムエル・バルツァーが置いていった宝石を手に取っていた。
「何かあればこれを使え」というザムエルからの言い付けに従い、宝石に聖印をかざすゴドナント。

 何かを察して期待を高めるワタクシ。

 はたして、宝石から凄まじい混沌を注入されたゴドナントは膨れ上がった力に耐えかねて内側から爆発四散。

 外人4コマばりにガッツポーズするワタクシ。
 いいヨいいヨー。こういうクズのこういう死に方好きヨー。

 ゴドナントだったモノはそのまま膨れ上がり、城を突き崩し立ち上がった。
 熱砂の魔神パズス。
 第二節で出てきた巨大な敵の、その完全体である。
 強い。
 第二節の不完全召喚でぼろぼろ崩れている途中であれだけ強かったエネミーが今回は完全体。
 協力な範囲攻撃と強烈なバッドステータス付与攻撃を容赦なく叩き込んでくるパズス。

 しかし、その強力な火力もラピスを害することは敵わない。

GM「よ、ようやくラピスのHPを2ケタにしたぞ……ッ」
ラピス「あ、次のイニシアチブで回復して、あとクリンナップにもっかい回復します」
GM「……」
ワイ「私の名前はベイマックス。泣いても、いいんですよ」

 硬いというのももちろんだが、それを超える圧倒的な再生能力がラピスの、アンデッドの真骨頂。
 全力出せばマップの端まで届くカバーリング範囲とあいまって、さながらイージス艦の如き防衛性能を思うさまに見せ付けるラピス。
 護りたいという願いで死の淵から舞い戻った不死者の、その想いの形である。

 ラピスの護りの下、魔神パズス完全体、撃破!

 その巨体が消えた後、残される巨大な混沌核。
 それを自らの聖印に取り込むラインス。

 その時、ラインスの聖印にしてアルバルクスの紋章が、強く大きく輝き空中に旗のように翻る。

 力を備えたロードが強い想いを形とすることで顕れ出ずる信念の姿。
 それは力強く掲げられ、ロードと道行きを同じくする者達に道を示し力を与える。
“フラッグ”であった。

 ラインスは、そこで今まで行動を共にしていた群狼の将兵ひとりひとりに問い尋ねる。
 フラッグの庇護を受けるということは、形式としては自らの配下に入ることと同義である。
 ――それで良いのか、と。
 否と口にする者は誰もいなかった。

 そして、リーゼロッテが。シムナが。ラピスが。
 それぞれの意志でラインスのフラッグを受け入れた。

 そして、シルヴェリア。
 アルバルクスの契約魔法師(メイジ)。

「……すまんが、お前には選択肢はない」

 ラインスが言う。
 聖印を浮かび上がらせるその右手が、静かにシルヴェリアの頬に触れた。

「……はい。我が主君(マイ・ロード)」

 既にそこには、1セッション1回言葉責めノルマとか救いようのない事をほざいていたアホの姿はない。
 あるのは正しきロードとメイジの姿である。

 でもこの2人絶対お互いのこと好きだけど絶対お互い言いださずに結果悲恋で終わるタイプだよね。ワイトもそう思います。

 それはともかく。
 ついに王としての在り様を示し王としての立場を取り戻したラインス。

 雌伏の時は終わりを告げ。
 
 ――これより、“白銀之王”の反攻が始まる。