飼い主さんと動物の
架け橋を作り支える獣医師
かわの わいちろう
です

 

 

 

はじめましての方は

獣医師《かわの わいちろう》について
ご覧下さい。

 

獣医師 《かわの わいちろう》について

 

 

《獣医師かわの わいちろう》

 

◆飼い主さんに寄り添って20年

◇町医者(総合診療医)だからこそ出来る事がある

◆獣医療をより身近に感じて頂けると幸いです

 

飼い主さんにとって、動物にとって

自分の経験を活かし何か出来る事はないか。

 

飼い主さんと動物の架け橋を作り支える為に

 

現在獣医師臨床現場その他も含め活動中

 

 

血液検査だけで健康診断? 

 

 

毎年春の予防シーズンの時、

 

「一緒に健康診断しておきましょう」

「少し血液をもらうだけですよ」

 

そんなやり取りは多いと思います。

 

 

ちょっと待って下さい。

血液検査だけで健康診断?

 

 

人間の健康診断の時、

  • レントゲン検査
  • エコー検査
  • 尿検査etc...

他にも行う検査はありますよね。

 

 

 

 

今回は、意外と優先順位の低い、

尿検査について解説します。

 

 

尿はどうやって採る? 

 

 

尿検査を行うには、

尿を採らなければなりません。

 

自然排尿?

いつしてくれるかわからないオシッコ。。。

コップを持って待っていても、

タイミングよく採るのは至難の業です。

 

 

 

 

尿検査に用いる尿において、

一番適している尿の採取方法は、

エコーを見ながら

針を刺して採取する方法

になります。

 

 

え?お腹に針を刺す??

 

 

 

 

そうなんです。

通常のエコー検査と同様に、

柔らかいマットに仰向けにして、

エコーを見ながら細い針を膀胱に刺し、

注射器で尿を抜き取ります。

 

細い針を使いますので、

ほとんどの動物は大人しく採取させてくれます。

 

 

 

 

私の場合、

飼い主さんに動物の顔を見て

あやしてもらいながら、

その間に尿を採取します。

 

 

 

 

尿検査ってどんな検査? 

 

 

尿検査では、

  • 膀胱エコー検査
  • 尿化学検査
  • 尿比重
  • 尿沈渣(にょうちんさ)

を確認していきます。

 

 

膀胱エコー検査

尿の採取時に、膀胱の形態や、

尿の中の状態を確認します。

この時点で、

粘膜の腫れや、

膀胱結石が見つかることも

珍しくありません。

 

 

 

 

尿化学検査

尿検査用の試験紙に尿をかけて、

機械に読み込ませます。

尿に溶け込んでいる

物質の量を数値化できます。

 

 

 

 

尿比重

尿の濃さ、薄さを数値で確認します。

水の重さを1として、

正常な尿の重さは概ね1.030以上です。

つまり、水より0.030重いという事です。

 

 

 

 

尿沈渣

尿に含まれる結晶や細胞や細菌などを

顕微鏡で直接観察します。

 

 

 

 

いかがでしょうか。

血液検査における数値化、

レントゲンやエコーなどの画像検査、

尿検査は、これらの性格を組み込んだ、

ハイブリッドな検査だと思いませんか?

 

 

尿検査からわかること 

 

 

たくさんのことがわかります。

読み飛ばしてもらって構いません!

 

 

糖尿病

血糖値が高いと尿に糖が溢れ出し、

尿が薄くなり、量が増えます。

 

 

肝臓病

黄疸に伴って尿にビリルビンが出たり、

尿が薄くなる場合があります。

 

 

腎臓病

尿は薄くなり、量が増え、

タンパクも尿に漏れ出ます。

 

 

溶血性疾患

自己免疫疾患やタマネギ中毒など、

壊れた赤血球の色素が、尿に出ます。

 

 

尿路感染

尿に含まれる細菌や白血球を

検出します。

 

 

尿路結石

尿に含まれる結晶を検出し、

その種類を特定できます。

 

 

膀胱腫瘍

尿に含まれる細胞を確認し、

腫瘍性のものかどうか確認します。

 

 

全身性の炎症

例えば子宮蓄膿症などで、

尿が薄くなります。

 

 

栄養状態

栄養状態が悪い時、

尿にケトンという物質が出てきます。

 

 

内分泌疾患

例えば副腎皮質機能亢進症では、

尿が薄くなります。

 

 

 

お疲れさでした(^^;。

どうですか?

結構お腹いっぱいになる内容ですよね(笑)。

 

 

 

 

まとめ 

 

 

毎年血液検査してたのに、

気が付いたら大きな膀胱結石が

できていた、

という話も珍しくありません。

 

 

 

 

尿検査でしかわからないものも、

たくさんあります。

 

他の検査との組み合わせで、

より精度が上がるものも、

たくさんあります。

 

 

 

 過去ブログ参照↓↓↓

 

 

尿検査は、

血液検査や、

レントゲンやエコーなどの

画像検査と同じく、

非常に有用な検査であることが

わかって頂けたでしょうか。

 

尿検査、大事な検査です!

 

 

次回更新は、12月14日(水)予定です。

 

 
 
獣医師 かわの わいちろうを
よろしくお願いします!