11月29日に山田太一氏が亡くなられた、との報道。
「ふぞろいの林檎たち」の最初のシリーズは見ている。
(「岸辺のアルバム」は見ていない。
山田氏のドラマを、数多く観ていたわけでは無いかもしれない。
尤も、当時の若い頃、脚本家まで全部確認していた訳でもないですが。)
それよりも、鮮明に覚えているドラマがある。
1982年の「ながらえば」という作品。
当時に一度見ただけか、それとも近年もう一度
昔の作品を再放送していたのも見たかもしれないけれども、
内容を大分詳しく覚えている。
「ながらえば」は、
山田太一さんが、笠智衆さん主役でドラマを撮りたいと言って、
NHKで三部作で作った内の、第一作目だったそうです。
NHK名古屋制作。
【転勤で名古屋から富山へ移り住むことになった息子夫婦。
老父も入院中の妻と別れて暮らすことになったが……。
老夫婦の絆と愛の姿を描いた山田太一原作のドラマ。】
(NHKアーカイブスのHPより)
このドラマは、夫婦の境遇、老夫婦のお互いの気持ちに、
本当に泣けました。
宇野重吉さんも重要な役どころで出ています。
今年5月から、義兄の所にいる義父母(90才と89才)も、
二人一緒にいないと、いられない夫婦だろうなぁ、と思います。
二人で支え合っている、というか、
二人でいるから、歳なりにあちこち弱りながらも
何とか元気に居られている、というか。
(昨年義姉を亡くした義兄の所に、義父母が移り住んで3人家族ですが、
同居する前に思っていた以上に義父母がいろんな面で衰えていて、
今、とても大変な思いをしているお義兄さんなのですが。)
そんなに前ではないと思いますが
(7~8年前とか、10年位前とか?)、
何かの番組で、山田太一さんがご自分脚本の作品について
インタビューを受けていて、今までで一番好きな作品、だったか
一番思い入れのある作品だったかを聞かれて、
この「ながらえば」を挙げていらっしゃいました。
私がとても心動かされた作品が、
ご自身も大事に思われていると知って、嬉しかったです。
これより前の、やはりNHKのドラマの「男たちの旅路」と言うドラマは
見たことが無いかと思っていましたが、
少し作品について調べてみたら(詳しくは見ていないけれど)
これの第4部第二話(79年11月)の「車輪の一歩」という
ドラマを、見た覚えがあり、とても胸に響いた、
考えさせられるドラマでした。
身体障害者の抱える問題を、正面から描いたドラマ。
この回と他のもう一つの回が、
特に評価が高くて、繰り返し再放送されているとか。
(ウィキペディアより)
映画では、「異人たちとの夏」が好きでした。
他、この時期のドラマで特に印象深くて好きだったドラマは
同じくNHKの「夢千代日記」(1981.82.84年)や
「花へんろ」(1985.86.88年。どちらも早坂暁氏作)。
向田邦子さんのドラマ(民放も色々あったけど
NHKのシリーズものでは「あ・うん」(1980.81年)や
「阿修羅のごとく」(1979.80年)。
こんな時代、特に私の十代半ばから20代の頃、
深くて良いドラマが多かった時代だったなあ(勿論、民放も含め)、と
振り返ってみて思います。
当時活躍された方が亡くなられるのを、寂しく思います。