私は不動産管理の仕事をしていて、今はマンション管理部門にいます。


ある日会社に苦情が入りました。
契約駐車場に昨夜から別の車が止まっている、と。


車のナンバーを確認しに行くと、
その車の持ち主は、
「あー、この人かー😓」
と思う人でした。
 

 

まだ40代になるかならないかの

健康な男性なのに、もう何年も働いていません。

 

 

彼は以前、一年に二、三度しか会わない私に

家に日本刀が何本もある
友達は怖い仲間ががたくさんいる
働きに行ったら、すぐまとまった金ができるなどなど

 

 

だから何?って話なんですけどねあせる

そんな話をしました。

 

 

私のことは信頼してくれていたようですが、

誰かに自分のことをあがめてほしかったのでしょうか。

 


奥さんが働いていましたが、

子供たちを連れて家を出てしまいました。

その後、管理費は滞納するし、電気もガスも止まっています。
 

 

彼のことだから、

注意してもなんだかんだと言い返すのがおちかな・・・。

みじめな様子をみたくないし

はったりも聞きたくない。

 

 

注意しに行くのが憂鬱です。

とはいえ、車を移動してもらわないといけません。

 

 

お宅に行ってみましたが、

電気が止まっているので

インターフォンが鳴りません。

ノックをして声を掛けましたが、出てこず。

 

 

「いやー、こまったな。

本当に困った人だよ。

まわりに迷惑かけないでよー。

やれやれどうしたもんかなー」

 

 

と思ったところで、私ははっとしました。

 

 

私は誰のことも取り残さず、

神聖さを見るって決めたよね。

 

 

それなのに、

彼のことをどう見ている?

 

 

みじめな人で虚勢ばっかりはる人

ルールも守れないどうしようもない人

とみていますけど、私 ガーン

 

 

私はまだまだ外側しか見ていない。

 

 

肉体の眼で見たこと、

肉体の耳で聞いたこと

自分の作り出したイメージだけが真実だと思っている。

 

 

そうではなく、心の眼で見るんだった!

 

 

彼の神聖さを見せていただこう。

 

 

眼を閉じて深呼吸をして心を落ち着かせると、

新たな気付きがありました。

 

 

私は、彼のことを

お金がない

家族がいない

常識がない

仕事がない

中身がない

電気ガスが止まっている

不自由な生活を送っている

と見ている。

 

 

彼の足りなさや不足、欠乏ばっかり見てる。

そう思ったとき…

 

 

ちょっとまって!

えー!!??

 

これって、私のことやん!

 

 

そうなんです...。

私自身、

長い間、欠乏感や不足感を抱いていました。

 

 

才能、知識、時間、お金、体力、気力さらに余裕も勇気も…

いろいろなことが全然足りないって思っていました。

 

 

彼のことをあれがないこれがないって見ていたのは、私の不足感を投影していたのか。

 

 

私だ!

どうしようもないって、私のことやん!!

 

 

私の心の奥底に残してあった欠乏感や不足感を、彼があらためて気づかせてくれました。

 

 

「彼を私の間違った見方で見たくないので、どうか訂正してください。

もう自分自身のことも誰のことも、

足りないって思いたくない。

もう、これを辞めたいです。

ホーリースピリット、お願いします。」

 

と祈りました。

 

 

彼の神聖さを見せていただくと、

温かくて柔らかな温泉に入っているような優しさを感じました。

 

 

それと同時に、離れてしまったけれども、

以前の彼の家族への愛を思い出しました。

 

 

これが本当の彼の姿なんだ。

この姿をずっとおぼえていよう。

 

 

どうしようもないと私がイメージした彼にではなく、

完璧な神の子である彼に対して今回の件もお願いしてみよう、

と決めました。

 

 

それから彼の部屋に再度行き

ノックをして呼びかけました。

 

 

眠そうな顔で出てきましたが、

彼の完璧さに向けて話しました。

 

 

事情を話すとすぐに車を移動してくれました。

 

 

その後、控室で待機していると、

彼がわざわざあいさつに来てくれたんです。

 

 

腰が直角になるほど頭を下げて、

「お手数をおかけしました。

申し訳ありませんでした!!」

と言って帰りました。

 

こんな感じで挨拶してくれました。

 

 

「へ???

あの彼が、こんな風に挨拶にくるなんて・・・」

目が点になりました。

 

 

あとから他の人に聞いたところによると、

前の晩、彼の駐車場の目の前で

別の人が荷物の出し入れをしていたので

駐車できなかったようです。

 

 

そのため、一時的に別のところに車を置いて、直すのを忘れたのでしょう。

(それもいけないんですけどね笑い泣き

 

 

彼は、言い訳をまったくしませんでした。

 

 

私の見方を訂正したいという思いを、彼は受け取ってくれたのでしょう。

 

 

見方をホーリスピリットに訂正していただくと、

確実に、その人からの優しさとか愛を受け取らせていただきます。

 

 

思いは必ず受け取ってもらえます。

 

 

すぐではないこともあるかもしれない。

だけど確実です。

そういう時は、関わる人みんなのベストタイミングでかならずね。

 

 

テキストに次のように書かれている箇所があることを思い出しました。

 

 

 兄弟が正気でない行動をするとき、彼はあなたに彼を祝福する機会を差し出している。彼の必要はあなたの必要である。あなたが彼に差し出せる祝福をあなた自身が必要としている。 (奇跡講座上巻 テキスト T7-7-2:1~3)

 

確かにそうです。

 

私の不足感を彼に投影して見ていたのでした。

私の不足感を取り消すには、彼の存在が必要だったんです。

 

 

この不足感や欠乏感は、

実は、神の愛に対しての想いだったのです。

神からの愛が足りないって思っていたんです。

 

 

いつもある愛を信じられず、

勝手にないものとしていた。

 

 

それに気づかせまいとして、

時間や健康、体力、気力、お金など

様々なものを足りないと思い投影していたんです。

 

 

私が文句ばっかり言って、

神のほうに手を差し出さなかっただけのことなんです。

 

 

彼は、そのことを私に気づかせてくれました。

 

 

彼の完璧さを見ていく。

それが、彼に対する私からの贈り物です。

彼が幸せであるように、祈っていきます。

 

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます。