遠藤郁夫さんの考え方
遠藤さんは、この投稿に、次のように書いています。紹介します。
●いろいろな選択肢を持って考える
新型コロナウイルスについても、数年後にはもっと確かなことが分かるでしょう。しかし、今の時点で、どうやったら間違った判断をしなくて済むのか、それが知りたいところです。ボクが選んだ方法は、ときどきできるだけ違う立場の人の主張を調べることでした。今は、インターネットで調べられるので、この点はすこぶる便利です。
するとまず、毎年のインフルエンザによる死亡数と新型コロナウイルスの場合を比較する主張が目に留まりました。日本では毎年インフルエンザで亡くなる人がいて、関連死を含めると1万人を超えています。このことは毎年のことだから(だから と言うべきか)なぜか報道されないので、知って驚く人が多いですが、新型コロナウイルスの危険性を評価する上で、インフルエンザと比較するのは順当だと僕は思います。この見方からすると、新型コロナウイルスは日本ではインフルエンザと同程度(またはそれ以下)の危険性ということになります。武田邦彦さんも、この視点を強調しています。
その後、ネット上の記事で(東洋経済オンライン)で高橋泰さんの主張を見つけました。高橋泰さんについては、「研究会ニュース」11月号で堀江晴美さんが紹介していますが、「曝露」と「感染」のちがいを理解することの重要さを学びました。
さらにその後、群馬の品川正さんから上久保靖彦さん(京都大学大学院特定教授)のことを教えてもらいいろいろ調べました。上久保さんによる「ウイルスの干渉」という現象を手がかりにした研究は非常に興味深いものがあります。
高橋泰さんは、日本人の場合には新型コロナウイルスに曝露している人の多くが自然免疫の力で感染を免れているという仮説を提唱しています。一方、上久保靖彦さんは、2019年の暮れから2020年の初めにかけて、すでに新型コロナウイルスの初期の弱毒性の型が日本に入っていて、それによって獲得免疫ができている人が多いことが、欧米に比べて日本での死者数が少ない原因だという仮説を提唱しています。
自然免疫と獲得免疫は、人間の免疫の働きの2本の柱ですが、どちらを重視するかの違いを別とすれば、高橋さんと上久保さんの立場は似ている面があります。お二人とも過度な自粛は不要であって、リスクの高い基礎疾患のある高齢者などへの対応に重点をおいた対策を強調しています。どちらも共感できる点が多いです。ボクはこれらのことを知るたびにうれしくなって資料にまとめ、栃木仮説サークルの例会で発表して、いろいろ話し合う場を持っていましたが、世間の常識から異端とも思える内容についても安心して話せる場を身近に持つことがとても大切だと感じています。
ボクがこの二人の説を知ったのは、夏から秋にかけて感染が少し落ち着いてきていたように思えた時期でしたので、日本はこのままで終息していくのではないかというやや楽観的なきもちにもなりました。
しかし11月から12月にかけて感染者数の増加傾向が出てきました。12月末には緊急事態宣言を出すべきだという声が6割だとする世論調査の結果も目にしたので、あらためて考え直す必要性を感じ始めました。
(つづく)
注)私が、研究会ニュースを読んで、「遠藤さんの投稿」読みました。私も、もっといろいろな事を知りたい。例えば、「いつも感染者数を発表しているジョン・ホプキンス大学の人数は、本当に正確なのか、ぴったし一桁の人数なんか、どうやって数えるか」と疑問をなげかけると、今、一番、いい本を見つけたところだといって、その本を今朝送ってくれたのです。
その本は、大阪私立大学名誉教授・井上正康「本当はこわくない新型コロナウイルス」(方丈社1200円)と言うものです。またその本を読んでからの感想は、あとで書くことになると思います。