寒くなってくると、着物もやっぱりしんどい!そんな時は羽織やコートを着て防寒しましょう。
というワケで、今日は羽織のお話。

羽織は女性の場合、基本的に普段着の着物の上に着ます。留袖や訪問着、振袖といったフォーマル向けの着物には羽織は着ませんDASH!
日常の寒さ対策を目的としたもので、外だけでなく、室内で着てもOKです。最近は、若い人を中心に、アンティーク着物がブームになっていますが、羽織とアンティーク着物の組み合わせって、昭和モダンの世界みたいでカワイイですよニコニコ
さて、では男性の場合はどうでしょう。実は男性の羽織は、女性の羽織と180°意味合いが変わってきてしまうのです!!


男性の正式な礼装は「紋付羽織袴」とあるように、男性の羽織はフォーマルのものなのです。女性と正反対ですよね。

なぜ男性と女性で、こうも羽織の持つ意味合いが違うのか!?
実は元々、羽織は男性のものだったんです。日本最古の羽織といわれるのが、戦国時代の「陣羽織」。これは戦国武将専用のものなので、一般庶民には普及していなかった。身分の高い人だけが着ていたことから、自動的に格式の高いものとして扱われたようです。
一方、女性の羽織は、江戸深川の芸者衆や裕福な町人が、防寒とオシャレ用として着出したのが発祥といわれています。こちらは逆に、庶民が普及させたものなので、普段着に使うのが一般的なのですねひらめき電球

このような事情から、男性と女性の羽織の意味合いは、こうも違ってしまうワケですが、実際に女性が堂々と羽織を着て外出できるようになったのは、明治以降なんだとか。男女差別の厳しい封建社会の元では、「羽織=男性の専売特許」という風習が根強くあり、羽織は男性のみに着用許可を与えるという、幕府の御触れまで出ていたそうです・・・。
昔の女性は、思うようにオシャレもできなかったわけです。
カワイイ羽織を自由に着て歩ける、我々現代女性。いやはや、良い時代になったものです・・・。

よく着物のお店を「呉服屋さん」なんて言いますよね。他にも「呉服問屋さん」という所もあるし・・・。
う~ん、「呉服」と「着物」ってどう違うんだろ・・・なんて、素朴な疑問も湧いてきます。

・・・で、実際のところですが、「呉服」と「着物」は、ほとんど同じものと考えて良いのだそうです。
が、もし厳密に分類するのであればこんなカンジ、という資料がありましたので、どうぞ御覧くださいパー

(引用ここから)
古代中国の「呉」の国から伝来した織り方によって作られた織物のことをいった。


しかし、単に「呉の服」の意味から、「呉服」になったのではない。
古く、呉服は「くれはとり」といった。
「くれはとり」は「呉服」とも書かれ「くれ」は「呉の国」を意味し、「はとり」は「はたおり(機織)」の変化した語。(「服部」を「はっとり」と読むのも、「はたおり」に由来する)この「呉服(くれはとり)」が音読された語が、「ごふく」である。
そのため、呉服は「服(着物)」をいうのではなく、「織物(反物)」をいうのである。

(引用ここまで)
引用先:語源由来辞典   http://gogen-allguide.com/ko/gofuku.html
なるほど、服の形になる前の段階が「呉服」で、服の形になってから初めて「着物」になる・・・。
イガイと知らない「呉服」と「着物」の違い、ひも解いてみるとこんな由来があったのですね。

私事ですが、私の母の実家が昔、呉服関係の仕事をしており・・・、ん!?そう言えば、そこの家には、着物より反物の方が圧倒的にたくさん置いてあった記憶が・・・。今考えると、「着物関係」ではなく、あくまで「呉服関係」の仕事だからだったんですね。大人になってようやくわかりました・・・ガーン

さて、今回は既婚女性の第一礼装・留袖のお話です。
結婚式で、新郎新婦のお母様がよく着る黒い着物が留袖です。(新郎新婦の姉妹が既婚者の場合も留袖を着ます。)この留袖、実は、着物の中で最も決まりごとが多く存在します。なにせ、フォーマルの場で着るものなので、間違えた着方をすると、同席しているお客様に失礼になってしまうこともあるので、今回は、留袖についてしっかり勉強していきましょうアップ

まず留袖とはどんな着物なのかはてなマーク
昔は結婚を機に、振袖の袖を切り落とす習慣があったそうで(もったいない!!><)、これが留袖の原型になっていったとか。これには、婚家に長く留まるという願いが込められていた・・・というのが留袖の名前の由来なのだそう。ナルホド、だから留袖は既婚者用の着物なんですね。


そして、同じフォーマルでも訪問着との大きな違いは、留袖には必ず自分の家の紋を入れること。ココが境目になります。

では、留袖を着るときは、何を注意したら良いのか!?
帯は袋帯ですが、留袖の時は金or銀or白の錦織か唐織りの帯を使います。模様は吉祥文様などおめでたいものを。やはり留袖は、おめでたい席に着るものですので・・・^^(※ちなみに、同じ黒の着物でも、喪服はフォーマル着ですが、留袖のカテゴリーには入らない着物ですので御注意を!!)帯揚げ・帯締めは共に、白、もしくは白地に金銀が入っているものを使います。

と・・・留袖って結構大変・・・カモしれないですね。(汗)やはり、留袖は最高水準のフォーマル着物ですので、それだけ緊張感を要求されるのもの、というのも否定できない事実ではあります。
でもどうか御安心を!これから留袖を作る方・レンタルされる方共に、わからないことはその都度、どんどんお店の方に聞いていくことをオススメします。納得がいくまで着物を知っていくことが、着物美人への1番の近道ですグッド!