私の妻は素直なカラダという漫画をモーニングから出しましたが、この題名は現在仕事をしていてもその通りだなといつも思います。

症状は「ルーレットを回して止まったところの症状が起こる」と言ったようなランダムな事はまずあり得ません。



症状が起こるなら心当たりがなかったとしても自分が何かを行なっていて、必ずその負担が成長して症状になっているのです。

ランダム性があるとしたら天候や気圧の影響くらいでしょう。


一番最近だとゴルフでギックリぎみの腰痛になったという患者さんがいました。

歩行や見た目でも腰がやられているのは分かりましたがが、腰を触るとたった数時間のゴルフで固められるわけがない尋常じゃない硬さだったので、ゴルフはただのきっかけに過ぎないと察しました。



そうして聞いていると窮屈な座席で3時間以上、飛行機でさらに数時間。そしていつもの数倍歩行をしており腰を固める条件は整っていました。



この固まった状態で久しぶりにゴルフを行った結果筋肉が怪我をしたような状態(ギックリ)になったのだという理解になったのでした。

幸い固めた期間が長いほど時間がかかりますが、たった数日で固めた筋肉だったのですぐ取れました。




このように患者さんは症状や痛みが出た時に起こした行動だけが悪かったと思いがちですのでその他の行動については最初に話してくれる事はあまりありません。


そのため患者さんに聞くより体に聞いた方が早い事がおおいにあり、そして体は素直にやった事だけを写す鏡だといつも感じるのです。

(治療中緩む事で思い出し喋ってくれる人も多くいます)




そして術者側も技術を扱うには自分の身体・姿勢をフラットにし体意識を常に持ち続ける必要があります。

そうする事で鍼をどのタイミングで抜けばいいのか、灸をどのタイミングで取ればいいのかを患者さんの緊張を察して判断する事ができるのです。


文字通り「素直なカラダという技術」を使っている状態なわけです。


素直なカラダだと相手の経穴や、やるべき順序が半自動的にわかる状態になり、治療が患者さんを治すという意識より身体を仕立てるという意識の方がつよくなります。



何度も漆塗りのように治療を繰り返していくと身体が仕立て上がり、その見た目は抜け感とまとまりがでて美しさをも感じ、比例して症状の改善がほぼ一致してきます。

これを継続すると本当に改善は早くなります。

難病系も完治はしないとは言われていますが、やはり身体が仕上がった方が症状が薄くなります



仕立て上がった体は不思議とどの人も同じですが、それに至るまでの道のり(治療過程)は人によって全く違う。そう言ったところも面白いです。



ぜひ縁のあった方はその過程もお楽しみいただけたらと思います。



またこうして時折思った事があったら文章に残しておこうと思います!