そろそろプロ野球の開幕ですね。すっかり鳴りを潜めておりますが、若かりし頃は阪神の応援団なるものに所属しておりまして、年間60試合ほど観戦していました。
85年優勝の時は、それはそれは大騒ぎでありまして、神宮球場から渋谷までパレードをしました。皆でハチ公の噴水に飛び込み、友人が足を深く切ってしまい救急車で運ばれたのも懐かしい話しです。
その85年末に、吉貝機械金属さんからこのようなブレーキが発売されました。どのようなモノかは一目瞭然ですね。
この頃すでにショップでバイトしていた私は、専門取扱店に申し出る事なく直接吉貝さんに電話しました。
「え~モシモシ、埼玉の○○ですが、阪神が優勝したので申し出ました。えっ、何をベースにするかって?あ~手作業だから、なんでもイイんですね。なら、安いダイアコンペでお願いいたします。あっ、縦じまバージョンと虎バージョンの2つでお願いしますね」
そのやりとりを傍で聞いていた師匠は読売ファンでありまして「お前はそんなモン買うのか、しかもグランコンペじゃなくダイアコンペじゃ、六甲おろしじゃなくダイコンおろしだな」とバカにしました。
すぐさま吉貝さんに電話し「え~先程の○○ですが、ダイアコンペでなく最高級のロイヤル・グランコンペでお願いします。えっ、2つで6万近くなる?あ、ハ、ハイお願いしますね」と電話を切りました。
それで出来てきたのがこちら……
ロイヤル・グランコンペが見事に縦じまになっております。
何故だか虎バージョンは届かず、残念に思いつつも少々ホッとした記憶があります。この虎バージョン、改めて見るとシューの下が赤くなっているんですな~
さすがに使い道もなく、そのまま保管しておりました。
なんとも手作業チックですね。これこそが、ロイヤル・グランコンペ→ロイコン→ロッコウと、誰も思い付かないくらいのこじつけで「六甲おろしだザマアみろ」と言っておりました。今振り返ると、私がザマアみろですね。
このブレーキ……実際に幾つ注文が来て幾つ作られたのか………まるで不明であります。どこかで見かけた方はファンの壁を越えて、是非とも捕獲しましょう。