贋作近代貨たち | 和同開珎ー皇朝銭専科のブログ

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今回ご紹介させていただきますものは地金の精製時期といった目に見えにくい部分ではなく相応の装備さえあれば誰でも見抜けるという外観上の特徴のはっきりしたものをいくつかご紹介いたします

中には20倍程度のルーペがあればわかるものもあるのですが、こうしたものにすら貨幣商の鑑定が付いた個体があると言うこと自体驚きです

 

まず贋作特徴を説明する前に最低限こうした特長がなければ話にならないという鍛造銭の基本特徴をご紹介いたします

顕微鏡画像を見たことがない方であってもこの画像を見れば容易にプレスで作られたであろうことは想像できるかと思います

 この銭に関しては磨耗も激しくまた真っ黒に厚い皮膜汚れのついた表面特徴のほぼ損なわれているであろう個体ですが、それでもこうしてくっきりと鍛造の特徴が観察できます

その上で、次の画像をご覧ください

わかりますでしょうか?

これらは鋳造による贋作銭です

鍛造特有の潰し痕が全くないことがわかりますでしょうか?

古い時代の贋作の多くがこのパターンのものであります

 

中には単に本物から型を取った写し~写しによる収縮を計算し専用鋳型を作り鋳造されたスーパーキャスト品までピンきりですが、上の3点はいずれもが貨幣商組合の鑑定をパスしたものですのでその出来については皆さんが想像している以上のものでしょう

このクラスですと正直ルーペでは絶望的とお考えください

それでも4~50倍程度の実体顕微鏡があれば鍛造特有のプレス痕の発見は出来るはずです

 

鋳造そのもののクオリティの低いものや、部分的に鋳造独特の痕跡が残ってしまったためにそれを隠そうとした痕跡が残るものは多々ございます

そうしたものの多くは下の画像のような加工が施されており、注意さえして観察をすればルーペでもこうした修正痕跡は発見できます

気をつけなければいけないのが真ん中のもの、、、一見いたしますと鍛造痕のようにも見えなくはない傷です

しかしよくよく観察してみれば削りによるものなのかプレス痕なのかは明白

 

次は磨きなのですが、その磨きがどういった理由で施されたかを考えればある程度の想像はつく、、、といったものです

 

本品の場合、幸い?磨きが甘くプレス痕がどこにも存在しないことも簡単にわかりましたので問題はなかったのですが、こうした磨きを丹念に施されてしまうとプレス痕そのものを探すことが難しくなり、結果外観からの判定が困難になります

ただ、単に汚れたコインを綺麗に磨こうと考えたとき、ここまでガッツリと研磨しますか?

大切なコレクション、、、いくら綺麗にしたいからといって、100人が100人、ここまで乱暴な研磨はしないはずです

そうして考えたときこの磨きは汚れ銭を綺麗に見せる目的・・・以外に何かあったのかな?といった疑問が生まれます

そうした目で細部を観察してみてください

かならずどこかに本物にはない特長が見つかると思います

 

ここまではルーペ、実体顕微鏡、金属顕微鏡まであれば恐らく誰にでも観察可能な特徴です

この観察を怠りさえしなければ・・・・

今回36点中16点贋作が発見されたわけですがそのうち6点が上の画像のものでこの6点についてはビギナーであっても見抜くことが出来たはず、、、

逆に言えばこんな初歩的なことすら貨幣商組合では判別も出来ていないことになります

貨幣商組合だけを攻めているわけではありません。。。近くご紹介いたしますが海外のグレーディング機関も全く同様の誤判をしておりその誤判率は貨幣商と大きくは変わらないものであります

スラブコインについては組成による判定ができないため貨幣商と比べ誤判が判明する確立は低いのですが、こうした外観上からだけで誤判とわかる割合は貨幣商のそれとほとんど同率であることからも組成検査をした場合まず4割程度は贋作であることは容易に想像がつくかと思います

 

次にご紹介するものは組成からの判断以外、電子顕微鏡がなければ判別不能といったここ数年爆発的に流入してきていますスーパーであり、わが国の近代銭以外にも海外コイン全般に氾濫していますスーパー贋作です

 

その製法とは。。。

本物をミクロ単位で3Dスキャン→キャドデータに落とされそのデータを元に金型をレーザー切削→その金型でプレス、、、というものです

 

従来のプレス贋作は鋳造鍛型を手作業で仕上げプレスしますが新しい贋作は一切手仕上げが入りません

かわりにその精度はミクロ以下レベルで本物から読み込まれたデータですのでもはやシークレットマーク云々といったレベルでは対処できません

もちろんどんなに高倍率で観察しても可視光下での観察では本物と異なるポイントは見つけられません

そんなスーパーでありましても電子顕微鏡を使いますと下のような特徴が観察できます

これらは金型をレーザー切削機で切削された傷であり技術そのものが生産レベルで確立してまだ20年以内の極々現代の技術でありますことからも真贋判定の決定的な根拠となる痕跡です

 

こうした傷は電子顕微鏡がなければ発見することは出来ません。

ただ、多くの場合贋作はその原材料の精製時期と製造年代は合致いたしておりません

ですので蛍光X線で内部組成を精査した時点で実は真贋のほぼ全てはわかるのです

貨幣商あたりであっても小型の蛍光X線分析装置くらいであれば何とか導入は出来るはず、、、旧二十円金貨1枚を仕入れる金額で導入が可能なのですから!!

どこまで勘に頼るつもりなのか・・・

 

次回チョット変わり種加工痕を1点ご紹介いたします