昨日に引き続き、破壊検査実施です
今回は茨城県鹿嶋市厨台遺跡出土の な、、なんと、饒益神宝?と思しき破片です
長らく皇朝銭に携わってきておりますが、まさか饒益神宝を破壊検査するチャンスが訪れるとは。。
今回の破壊検査のきっかけとなったもので、この個体の内部検視と成分検査の依頼を受けたため、それであれば、、と全銭同様の検査をしてみようか・・ということで今回のプロジェクトは動き始めました
ご覧のとおり完全に分厚い酸化皮膜に覆われ全く文字も確認できない状態で本当に饒益神宝かすらも、わからない個体です
割れた断面は比較的しっかりとした状態であったため内部検視可能と判断いたし、今回の依頼を受けることとなったものです
例のごとく軽く両面研磨し、裏面と思われるほうをガラスに固定し、反対面を慎重に削りすすめてゆくと。。。
益 の字の一部が・・・
残念ながら文字の左側半分は完全に腐食しておりこれ以上研磨しても結局判読可能な状態になることはなかった。。。
しかし、、、このような文字が残った饒益神宝を削ってしまうとは、、なんとも贅沢な検査か。。
あまりの興奮に思わず、研磨直後の内部分析を忘れるところだった・・・
慌てて地金部、酸化の進んだ部分の分析を行いさらに研磨を進めてゆく
昨日の延喜通宝と明らかの異なることだが、やはり銅品位がかなり高い、、
本個体も、最初の錆錆の状態での分析時は銅が40%弱だったが、研磨後の品位は65%とかなりの銅品位
とはいえ、中期皇朝銭は前期と比べるとだいぶ品位の低下が見られる
研磨面であっても表層部付近は内部にまで錆?の結晶が進入していることがわかる
銅分が溶出したところが錆ているのか?
延喜通宝では見られなかった構造だ。。。
さらに削りすすめてゆくと錆の侵食はなくなっている。。
例のごとく銅の素地の中に銀色の鉛と思しき粒子が無数に点在していることがわかる
延喜通宝とくらべ、品位的には比較的均一か?
拡大してみると銀色部、鉛?と思われる部位にわずかな乳白色の何かが・・・
錆か??
かなり内部なのだが明らかに金属特有の光沢はなく酸化している状態だ。。
顕微鏡の限界でこれ以上の拡大は無理、、
上と比べると色は薄いが非常に似ていることが判る
天然の銅鉱石をカットしたらこんな感じなのだろうか?
今回の饒益神宝はかなり内部まで銅の錆が入り込んでいることがわかった
非常に脆い個体がよくあるが、このように錆が内部まで入り込んでいるせいだろうか・・・

