4年に1度の祭典が先日幕を閉じました。
私は十二分にこの世界最大の祭典を満喫したと思ってます。どれぐらい満喫したかというと、体調を崩すぐらい満喫することができました。
ジネディーヌ・ジダン、クロード・マケレレ、リリアン・テュラム、パベル・ネドベド、ヤン・コラー、ヘンリク・ラーション、ロベルト・カルロス、カフー、オリバー・カーン、イェンス・レーマン、フィーゴ、中田英寿・・・etc
多くの偉大な選手達が人生最後のワールドカップを闘い、代表のユニフォームを脱いだ・・・多くのドラマが秘められた大会でした。
しかし、残念なことが一つ
日本代表予選リーグ敗退
まるで遠い昔の出来事のような響きすら感じてしまうが、この事実を皆さん忘れてはいないだろうか?
今大会は番狂わせが少ない大会と言われている。
そしてそれは裏を返せば、「強いチームが勝ちあがった大会」とも言えるはず。
事実、決勝トーナメントに勝ち進んだチームは、全てのチームが実力ある一筋縄ではいかないチームでした。
そういう意味では、日本代表の敗退は「単純に力が及ばなかった」と言わざるを得ない。
しかし・・・日本は過去最強のメンバーを送り込んだはずでは・・・?
なぜ日本代表は敗退したのだろうか?
まず言える事は、単純に日本代表の予選敗退の最大の戦犯は監督であるジーコだということ。
選手の実力が足りなかった?
精神力の問題だ?
選手のコンディションが悪かった?
色々と敗退の理由が挙げられているが、それらを含めて、チームをまとめ、闘いに備えて準備することが監督の仕事なはずである。ならば、チームが負けてたのならその責任を取るのは当然監督の仕事であるはずである。
ジーコが名監督なのか?それとも迷監督なのか?
それははっきりとはわからない。もしかしたら欧州のクラブで素晴らしい成績を収めることもあるかもしれない。しかしはっきりと言える事は
「日本にとってはジーコは良い監督ではなかった。」
ということである。
ジーコが日本に代表に残した言葉が幾つかある。
「フィジカルを鍛えろ」
しかし、それは10年以上前から日本最大のテーマだったはずではないのだろうか??
「もっと戦う気持ちを持つべきだ」
しかし、選手のメンタリティーを支えるのは、監督の最も重要な仕事ではないだろうか??
メディアが遠慮しているのか、それともサッカー協会が圧力を掛けているのか知らないが、予選を敗退した監督であるジーコに対してほとんど批判がなされていないのが私にはまったく理解できない。
少なくとも日本にとってジーコが適任な監督だはなかったことは周知の事実ではある。しかし全てをジーコのせいにすることは出来ないのもまた事実。日本代表の敗退には様々な要因が絡んでいるのは間違いない。では日本代表の具体的な敗因はなんだったのだろうか??
① 得点力不足
まず最大の原因はやはり得点力不足だろう。残念ながら世界のトップチームに比べて、日本代表のFWは明らかに決定力では劣っている。しかし、それは今に限ったことではないだろう。
今大会で選ばれたFW5人
高原直泰、柳沢敦、玉田圭司、大黒将志、巻誠一郎、この人選に対しては賛否両論あるとは思うが、確かに日本人の中でトップレベルの5人なのは間違いない。しかし、人選としてはどうだろうか??
つまり、高原直泰は今期、ブンデスリーグでは出場機会に恵まれていなかった。
大黒将志は移籍して日が浅いため連携不足により結果を出せていなかった。
柳沢敦は怪我によりJリーグでは3得点に留まる。
玉田圭司に至っては、PKによる1得点のみ。
5人のFWの中で、ワールドカップ前にしっかりと結果を残していたのは巻選手ただ一人。これははっきり言って異常であるとしかいいようがない。
もう少し何らかの対策を練る必要があったのではないだろうか?
② 選手層の薄さ
ジーコが行った最大の汚点が選手の固定化だと私は考えている。「選手層の薄さ」と言っても使う選手がないないわけではない。問題なのはジーコは特定の選手にこだわりすぎ、チームとしての総合力を底上げすることを怠ったという点である。
特にそれが顕著だったのが、控えのCB茂庭選手の扱いであろう。本来選考された田中誠選手が怪我によって帰国を余儀なくされ、急遽代表に合流した茂庭選手。オーストラリア戦では坪井選手の怪我により出場機会を得るのだが、茂庭選手がそれ以前に起用された試合を調べてみると何と2月のインド戦まで溯る必要がある。優勝したイタリアがキーパー以外の全選手を起用していたことを考えるとあまりにも対照的ではないだろうか?
親善試合にしても、そもそも代表候補の選出にしても、サプライズがなさすぎた日本代表は、ワールドカップ参加国中で最も「戦える」選手が少なかったチームかもしれません。
③ 采配
これについては・・・書くのが馬鹿馬鹿しくなりますが・・・
おそらく、ワールドカップ直前まで3バックにするのか、4バックにするのかもたついていたのは日本代表だけでしょうね。結局一戦目の敗戦で見切りをつけて4バックにチェンジしましたが・・・
左SBのサントス選手のバックアッパーは結局ボランチが本職の中田浩二選手のままだったし、かといって親善試合でも左SBの選手を試すこともなく(村井選手にしてもサントス選手にしても本職はSHであってSBではない)本番に挑むとは思っていませんでした。
もう一つ気になったのが高さ対策。相手に対して高さで劣っていることを分かっていながら、日本代表のDFで180を超えているのは中沢選手と茂庭選手と中田浩二選手の3人。最初は田中選手が選ばれており、中田浩二選手も本職はボランチだったと考えるとCBで180を超えているのは中沢選手一人のみ・・・選手起用の柔軟性の無さにもほどがあるだろ!???・・・なぜ松田選手を選出しなかったんでしょうね??
オーストラリア戦ではリードされ、FWの足が完全に止まっているのにも関わらず、ロスタイムに大黒選手を起用し、ボールに触れることなくタイムアップ。FWの足が止まってきた段階で運動量があり、いざというとき高さのDFにもなる巻選手を前線に投入したり、もっとディフェンシブな遠藤選手を入れたり、色々と手はあったのでは??
④ サッカー協会
日韓大会が終わった後に、監督がジーコに決まった瞬間私には一抹の不安がよぎりました。それは監督の手腕どうこう以前の問題・・・
監督業がはじめてでも好成績を残す指揮官は沢山います。今大会のドイツのヨルゲン・クリンスマン監督はその最たる例でしょう。むしろ私が感じた懸念は、ジーコの監督としての実力というよりも、ジーコの日本サッカー界の影響力についてです。
「日本サッカー協会はジーコを首にすることが出来ないだろうな・・・」
Jリーグ創世記に日本サッカー界に多大な貢献をしたブラジルの英雄であり、同国スポーツ大臣でもあったジーコ。引退を撤回して鹿島アントラーズを率いたジーコの日本サッカー界への貢献は計り知れないものがあることを私は理解していたつもりです。
予感は的中し、ジーコジャパンが結果を残せないながら監督であるジーコは起用され続けました。
コーチ陣もジーコのわがままによりジーコファミリーで形成され、日本人のコーチは生まれず、日本人の指導者は貴重な体験の機会を逃しました。
そして、ジーコジャパンは、チェコに勝った欧州遠征以外では、アジア以外の国にほとんど勝つことが出来ないまま4年間を過ごしてしまいました。最も、コンフェデなどで勝てないながらもいい試合はしていたのも原因かもしれません。
ただ・・・オマーン、北朝鮮にホームであわや引き分けの泥仕合を演じ、格下シンガポール相手に2-1、1-0の辛勝などなど・・・この段階でジーコ以外の監督ならば更迭されていたと思います。
他にもいい監督がいたと思うんですが・・・これを言ってもどうしようもないか?
ついでながら、オシム監督に関する川渕チェアマンの失言ですが、あの馬鹿げた失言のせいで、オシム監督のヨーロッパでの滞在先に日本人記者が溢れ出るほど殺到しました。
あれでオシム監督の休暇はめちゃくちゃになったと思うんですが・・・
川渕氏の人間性、強いては日本協会の体質を疑わざるを得ない失言でしたね。
⑤ メンタル面
日本代表は戦う集団になれていなかったとよく言われています。
それが事実なら1サッカーファンとして日本代表に失望せざるをえません。
監督がヘボだったのを差し引いても、国を代表して戦っているという意識を高めて欲しかった・・・
こればっかりは選手の心の中でも覗かない限りちょっとよくわかりません。
本来、日本の敗退の原因を徹底究明すべきメディアは大した言及せず、オシム監督の報道ばかり
中田英寿選手が自身のHP上で、サポーターに対して謝っていたのが印象的でした。
日本におけるサッカーの人気は確実に高まっていると思います。Jリーグの観客動員数も着実に増えています。代表の試合ともなればその関心の高さは驚くほどです。
ただ、サッカーは金がなる木だと考える人間も増えてきている気がします。
選手としての商品価値を求めて一番大事なことをないがしろにしているかもしれません。
それがいいことか悪いことかはわかりません。多くの人に認知されて、ビジネスとしても成り立つことは必ずしも悪いことではないかもしれません。
でも・・・サッカーに興味がある方は、もう一度自分の気持ち見直してみることも必要かもしれませんね。
メディアに踊らされていないか?商品としてサッカーを見ていないか??
人が何を求め、どんなスタンスを取るかは勿論自由
まぁ、私はサッカー大好きなんで(ラグビーも野球もテニスもスポーツ全般好きですが・・・)、日本が負けたら。そのことについて討論できるぐらいのサッカー好きな人間が増えることを期待します。
さて・・・南アフリカに備えて貯金でもしますかね!?