私の映画『「わたし」の人生』を上映してくれるということでロンドンに来ている

昨日は上映会

大使館のホールは趣があり、少しセレブになった気分が味わえる

やはり介護問題はユニバーサルなようで、思ったより質問もたくさんでたし、喜んでもらえてうれしい

アンチ・エイジングの師匠、クロード・ショーシャ先生もパリからかけつけてくれたが、フランスでテレビに売ってくれるとか、香港の映画関係者(彼はジャッキー・チェンやコーン・リーのアンチエイジングの主治医でもある)を知っているから、売り込んでやると言ってくれて嬉しかった

さて、この街には久しぶりに来た

前はとある雑誌の取材で、ブリティッシュ・パブめぐりをしてぬるいビールを何杯も飲む羽目になった

今は、スーパードライも人気があるようで冷たく冷やしたビールが当たり前に飲めるようになったようだ

そんなこんなでこの10年ほどで、この街もずいぶん変わったようだが、シティの景気がいいことで富裕層が増え、昔と比べて美味しい店が増えたという

もともとロンドンでダントツのフレンチとして知られるFat Duckもその一軒(ここは前からあるが、今は世界で二番目に予約の取れない店という)だ

とある有名料理評論家の先生に泣きついて、ランチの席を取ってもらった

ランチとディナーが同じメニューで、各々4時間かかるが、おのおののポーションが小さく、味が繊細なので、本当に最後までおいしく食べられる

個人的にはかたつもりのporridgeとフォアグラがおいしかった

ヘストン・ブルメンタールが化学の研究を独学でやっていたとのことで、スモークがでたり、色が変わったりと演出もすごい

それ以上に、単身の旅行者には嬉しいのは、ワインとのマリアージュのセットがものすごくハイレベルなものが選べるということだ

380ポンドもものを選ぶとムルソーはコントラフォンのClos de la Barreが出るし、圧巻は肉に合わせた赤ワインは、なんとハーラン・エステートの97年だった

ものすごい満足感で店を出たが、ロンドンまでのタクシーの中で寝っ放しになったほど酔ってしまった

さて、昨日は、ついに念願のThe Arakiで寿司を食べる

言わずと知れた名店、あら輝がロンドンに移転したのだ

寿司好きのClaude Chauchard先生と一緒に行ったのだが、いろいろな事情で、日本からの魚が今はロンドンでは輸入できない

現地の魚で大丈夫かと思ったが、トロも、アワビもエビも一級品だし、リングィステーニの寿司なども意外にうまい

なんといっても、トロとマグロのタルタルに白トリフでまぶしたものは絶品だった

キャビアもベルーガをふんだんに使ってくれる

もちろんあら輝名物チェモランマも健在である

やはり天才の職人はどこに行っても天才なのだということを痛感させられた名店だった

食事がまずいことで有名なロンドンもグルメの街になったのだろう

市場原理が、いろいろなものを発達させるのは本当だと思った

そして、ある人がメッセージしてくれたが、日本の場合、野党がダメすぎて市場原理が働かないから、政治がダメなのも、そうなのだろうなと痛感させられた