いろいろと激励のメールをいただく

現代文対策について質問を受けたが、リテラシー教育については、きちんと本を出したいと思っている

昨夜、CSの日テレをみていたら、馬場とブロディが出ているプロレスをやっていた

馬場が動きが遅いから猪木より弱いと思っている人が多いようだが、そもそもプロレスというものは体格のいいものの圧倒的に有利なもので、動きの速さなどはほとんど関係しない

実際に、利く技というのは、アイアンクローや絞め技で、とび技、投げ技は受け身ができているとほとんど利かない

もし動きが速くて派手な技を使う人間が強いのなら、ミル・マスカラスのようなメキシコのレスラーや女子プロレスがずっと強いはずだが、実際は、弱い

こういうことを高校時代に教えてくれた男がいた

彼は、アマチュアレスリングでなく、アマチュアプロレスといって、本気でプロレスの試合をアマチュアでやって、実際に本当に利く技と、外からみると強そうに見える技を見抜いていた

当時、プロレスの世界では、黒人、ロシア人、イスラム教徒が悪役(日本人もアメリカでは悪役のようだ)だったが、イスラム教徒のレスラーに肩入れしていた

そして、いつの間にかイスラム教に入信し、じゅうたんをもって高校に通ってくれるようになった

それが私が暗い青春時代の親友の話である

その男は、私が小学校5年生のときに通っていた塾でトップの成績だった。私は6年生のときに当時の有名塾に移ったのだが、その男も灘中に合格していた

冬場でも半袖のシャツを着ていた

その男の名を中田考という

私は、中田氏を基本的に信用している

学生時代に再開した際に、東大のイスラム学の教授が、イスラム教に入ってしまうとイスラム教のことがわからないといって排斥していた話をしていた

しかし、彼は東大生ということもあって、イスラム青年会議の日本代表になった

イスラム諸国の代表を務めるのは、たいがい王族か将来を期待される若手だ

いまでもおそらくイスラム世界では、彼の語学力もあって、トップレベルの人間とツーカーで話ができることだろう

彼の著書、『ビンラディンの論理』はイスラム教の基本的な考え方、シーア派とスンニ派とワッハーブ派(いちばん過激だそうだ)の考え方の違いをものすごく明瞭に教えてくれる

それを読んで久しぶりに会いたいと思ったがかなわなかった

そして、彼が私が日本でもっとも信頼する著者の一人である内田樹氏との共著を出したのをみて、なかなか乙な編集者もいると思ったものだ

私がプロレスであれ、イスラム教のことであれ、いちばん、自分が賢くなるように教えてくれた恩人と思っている

金正恩が後継になることを日本の北朝鮮評論家と称する人間が誰も当てられなかったように、日本の自称専門家は情報の取り方が甘いし、たとえば韓国からきた情報をうのみにするレベルの人間が多い(唯一、評価できるのは重村さんくらいか?)

それと同じく、日本の中東研究家もインチキな人間が多い

中田氏は、中東でも学者として一目置かれているらしい

連合赤軍の岡本公三氏がイスラム世界では尊敬されているらしいが、コマンドとしてであって、学者としてではない

大した男だ

彼が逮捕されるかどうかはわからない

ただ、本当なら、イスラム世界のことをいちばんわかっている人間を有効利用するのが、国益だろうし、国策であるべきだ

日本は軍事力を強くすればいいという、インテリジェンスを無視した単細胞な政治家が多い

中学校も高校も大学も受験していない総理大臣ではそういう発想は無理なのだろうが、外国にノーベル賞をもらって喜んでいる(これは西欧の国益のための部分もあるので、日本国を捨てて海外に逃げて行った奴に与えられることが多いし、日本の初等中等教育を破壊し、反勉強の主張をしているやつに与えられやすい)より、本当に頭のいい、情報のしっかりした人間を大切にしてほしい

少なくとも、わが心の友中田考を今後も一生応援していきたい