「ご意見をお聞かせください。
佐世保の事件、笹井氏の自殺は、精神科医、心療内科に通っていたのに防げなかった事件です。
体の病気であれば、死に至った時、おかしな点があれば徹底的に調べられます。
医療裁判になったりもします。
でも心の病気の場合、死を防げなかった場合の精神科医の責任はないのですか?
笹井氏は薬の副作用でまともな会話ができない状態だったとか。
佐世保の事件においても、親がどうあれ、専門医に見てもらってたわけですから、
猫の解剖がわかった段階で早急に手を打てなかったのか。
(問題行動を起こすいろんな子を見てきましたが、猫の解剖などはほとんど聞いたことがなく、非常に稀なケースです)
(略)
ところで、STAP問題は一人の死者を出さなければならないほど大犯罪なのですか?
犯罪者扱いのような報道にずっと違和感を感じていました。
小保方さんに対する非難、笹井氏の死は、子供が科学者を目指したいと言ってもやめてほしいと思ってしまうほど影響が大きいです。」(引用終わり)

おっしゃる通りだと思う

日本の場合、全国に80ある大学の医学部の主任教授の9割が生物学的精神医学といって、脳や薬の研究者である。そして、私のように日本人の現役の精神科医でたった2人しかいない英文の精神分析の論文がある人間でも絶対に呼ばれることはない。
(英文の論文もなく、留学経験もないような精神分析の重鎮がセミナーと称して、若い精神科医や臨床心理士に嘘を教えるのも問題だが。そういうやつに限って、自分の言っている嘘がばれるのが嫌で、私などは学会などに呼ばないが)

患者の話なんか聞いているから誤審すると研修医に指導する帝国大学の医学部精神科教授もいるという話をきいた。この人はセクハラや事件を起こさない限り、これから20年も精神科の教授を続けるはずだ

気の毒なことに日本の精神科医のほとんどは、まともなカウンセリングのトレーニングを受けず、精神科の臨床をやっている

私自身、臨床心理の教員をやっていて、精神科医が我々のコースに入れば、一通りの心理テストも学べるし、カウンセリングの臨床も学べるのにもったいないと思うが、今のところ一人の入学者もいない

アメリカのように訴訟社会になれば、日本の精神科医ももう少し勉強するようになるかもしれないので、この人のいうことには同意する

ただし、保険の点数をもう少しあげてもらわないと、まともな臨床ができないのも事実だ

小保方さん事件についての見解は何回かブログに書いたはずだ

実は、木曜日に、どちらかというと右寄りの人の集まりのCSの番組に出た

西尾幹二先生が、アメリカがいかに暴虐の限りを尽くしてきたか、あれでは、日本人も奴隷にされるのが怖くて、自衛のための戦争に出るのも仕方なかったと論じておられた

私も、これは被害妄想ではないと思う

アメリカが、1920年前後までやっていた、現地民への略奪と没収、そして、それにまともな市民権を与えないことを考えると、よその国に占領されるより、アメリカだけは避けたかった

戦後、60年代までひどい黒人差別をやってきたことを考えると(最近見た、Buttlerという映画でも、この差別のひどさ、そして、1920年当時でも平気で、黒人労働者を白人が打ち殺すさまなどが描かれたいた)、黄色人種である日本人は、アメリカに負けると奴隷にされると考えるのには妥当性があった(しかし、命ぎたない指導部の人間は、無条件降伏をしたし、大陸からの引揚者を守ろうとせずに、さっさと逃げた。最近、特攻隊を美化する映画や小説が流行っているが、それを命じた人間たちで、「俺たちも後からついていく」という約束を守った人間はほとんどおらず、彼らが軍人恩給で一生楽な暮らしをしていたことも描いていない)

戦後もアメリカ人は、日本人の洗脳を続けたし、アメリカの都合のようような報道をし続けてきた

西尾先生が、アメリカが禁書にした本の一覧を見せてくださったが、かなりの数が、欧米人の侵略のひどさを書いたものだった。欧米人が書いたものまで含めて、禁書になっている

そういう流れで、小保方さん事件も、アメリカがSTAPの論文を下させて、アメリカのほうで自分たちの研究にしようという陰謀ではないか、あるいは、この方の心配されるように、日本人の理系離れ(小保方さんのおかげで、一過性に理系ブームが起こった)を助長しようとする(アメリカは文科省の役人を洗脳し続けて、ゆとり教育をやらせたという説は根強いし、私も疑っている)陰謀ではないかという議論も、終わった後の食事会で出た

しかし、これについては、高山正之氏が、男の嫉妬ではないかという考えを述べられた

私も日本の理系に弱いマスコミの不勉強だと思う

さて、本日は、高地に呼ばれて、高知市の夏季大学というのの講師を行う

なんと64回目という

過去の講師のリストをみると、小林秀雄氏や司馬遼太郎氏まで載っている

私もミーハーだからちょっとうれしい

エンジン01で来て以来、高知は私のもっとも好きな街の一つだ

人々が流されないし、自分の考えて生きている感じがするし、県民所得も多くないのに、歓楽街はいつも賑わっている

ただ、とにかくこの雨である

用心のために一台早い飛行機に乗ったが、高地に着いたら運よく雨が止んでいた

昼にひろめ市場にカツオを食べにいくが、相変わらずおいしい

ということで、講演会はその後の大雨のせいで少し少ないが、600人以上の人が金を払って集まってくれた

そのうえ、著書も100冊以上売れたとのこと

サイン会が終わって、しばらくぶりに充実感があった

高知は大好きです