『いい人は本当は「怖い人」』という本を書いたのだが、いつもメッセージをくださるインテリの女性から、面白いメッセージをいただいた。

「すごく元気になりました。っていうか、何となく温かい気持ちになりました。うまく言えないけれど、わたしはわたしのままでいいんだという安心感のような気持ちです。
共感できるところもたくさんありました。
特に昨年子どもが東大に受かってからというもの、今まで見えなかった人間の嫌な部分が見えることが結構あって、嫌な気持ちになることが
よくあったからです。一番不思議に思うことは、学校創立以来初めての東大合格者なのに、うちの子どもがどうやって東大に現役合格できた かということを学校も他の保護者も本気で知ろうとしないことです。おかげで今年は東大も国立医学部も全滅しました。
ある先生は、こっそり子どもに「どうやって勉強したんた?」と聞いたみたいですが。
なぜ、こっそり聞かなければならなかったのでしょうか?学校は、うちの子どもが緑鐵を受講していたことを知っていたはずなのに。
それと、もう一つ不思議に思うことがあります。なんでみんな自分の頭で考えようとしないんだろう?ということです。一つの方法でやってみて成績が上がらなければ、別の方法を試すとかしないのかな?と思います。でも、一番手っ取り早いのは、東大合格のための勉強法は東大合格者に聞くことです。私だったらそうします。
それにしても、自分の頭で考えない人間がどんどん増えていって、そういういい人達の集団がたくさんできていったらどんな社会になるのか想像したら恐ろしいです。」(引用終わり)

こういう手紙はまさに励まされる

私が緑鐵で東大合格者を講師に使うのは、そういうためだ。

もちろん小学生からの勉強の蓄積の問題はあるが、やり方を間違っていなければ、ちゃんと勉強すれば東大に入るポテンシャルは、ほとんどの受験生にあるはずだ

ただ、ほとんどの受験生はやり方を知らないし、私の本でも誤読する人はいっぱいいる

もう少し、緑鐵を活用してほしいと本気で思っている

このまま、人数が減り続けたら、事務経費負担の頭割りが増えるため、値上げせざるを得ないのが本当に悔しい

さて、「自分の頭で考えようとしない『いい人』たち」だが、前に話した児童ポルノの単純所持で、PCの中身を匿名の電話一本で警察がぜんぶ覗ける法律を、児童ポルノはいかんという建前論で、自分たちは絶対大丈夫(確かに、政府や警察の批判をしない限り大丈夫なのは事実だが)と思って、賛成する人たちもその部類だろう

集団的自衛権の問題にしても、この手の「自分の頭で考えようとしない『いい人』たち」をだまそうとして、邦人保護を前面に押し出した

しかし、日中戦争のきっかけだって、邦人保護だし、過去の大きな戦争の多くで、自国民の保護を理由に各地に侵攻しているという歴史的事実がある

経済をよくしてくれる頭の悪い人間(ただし、優秀なブレーンがいた)に国民が盲従したという先例では、まさにナチスドイツがそれにあたる

ただ、ヒトラーは画期的にドイツ経済を改善したが、アベは、一人あたりのGDPをふくめ、ドル建てのものの国際順位は、ほとんどぼろぼろに落としている

基本的に、戦争はコストがかかるので、国を強くしたい人間は、外交努力が第一で、軍事に頼るのは、コストパフォーマンスが悪いので、最後の手段ということになる

ただ、小学校も中学校も大学も受験経験がない人には、外交が難しくて、軍事力ではったりを利かせるほうが楽なのかもしれない

インテリジェンスの仕事の一つに、相手が、本気で戦争をするあるのか、ないのかを読むというのがある

やる気があると見抜けば、当然、防衛ということになる。この際には金がかかっても軍事費を増す。それでも、相手が強くて勝てないと思えば、外交交渉と情報機関の裏ワザで、戦争回避をするというのも、外交政策の基本だった

やる気がないと判断すれば、軍事費にバカみたいに金を使うのでなく、国力を蓄えたり、別の方面で戦争をしたりする

少子化と不景気と各々の国のトップ連中の拝金のおかげで、私の見るところ、本気で戦争をやる気のある国などない

中国にしても、トップが拝金だから、アメリカに隠した財産を没収されたくないし、国民のほうも一人っ子政策で、子供を戦争に出したがっていない

北朝鮮はパチンコ利権を渡している限り、ぜいたくをしたくて、死ぬのが怖い金正恩は戦争などしないだろう

こういう読みをして、無駄金を使わないのが、為政者の仕事と思うのだが、その観点がまったく欠落している

国が戦争をしなくなるとき、テロ退治が重要になるのだが、多くの国は、アメリカが嫌われているのに、わざわざ同盟になって、自国がテロの標的にならないように逃げている

憲法9条というのは、アメリカが作ったという弱みもあって、アメリカからの協力を断るいい口実なのに、なんでこれをうまく利用しようとしないのか、私にはまったく理解できない

身内が一人も戦争で死んでいない軍事オタクが、国の中枢を占める国に、「自分の頭で考えようとしない『いい人』たち」が盲従する姿が哀しいのは、私の僭越だろうか?