いつも鋭いメッセージを下さる方から、成功者による起業の勧めの批判をいただいた

労働条件に文句があるなら起業をすればいいというのは、完全に経営者の論理だ

成長期には人手不足だったから、経営者はそんなことは言わなかった

今は、人を抱えたくないからそういう論理なのだろうが、起業をする人の成功する割合を考えたら、家族を抱える人間がそんなリスクを取れるわけがない

日本は外国と違って教育に金がかかるからおいそれと起業できない

そんなことをすると子供の人生に悪影響を与えるからだ

景気のいいころでもテレビ局は、似たようなことをやって高給の社員を上手に追い出していたという話をきいたことがある

40代になるとテレビのプロデューサーが管理職になるのだが(年収は1500-2000といったところだ)、「もう少し現場で作りたいものを作らないか」と上層部から誘いがある

要するに独立して制作会社を作らないかと誘うのだ

条件としては1クールは新しい会社の制作作品を買ってあげるということだ

売り上げにして3億くらいになる

これで視聴率が取れれば、次からも買ってもらえるのだが、取れないとその会社は発注は得られない

結局、ものすごいダンピングをして作るブラック下請けに落ち、最終的に倒産する

多くは業界ゴロになって、社員として残った局員に無心にきたそうだ

今もそういうことをやっているのかどうかはしらない

アナウンサーなどはそういう形で独立を勧めるようだと聞いたことはある

もちろんフリーになって大金持ちになる人もいるが、ずっと立場を維持するのはかなり難しい

制作会社だって、独立して成功するところもあるが、多くは淘汰される

自分のやりたい仕事を続けたいなら起業しろというのは、起業の人減らしに都合のいい論理だ

そして、独立するとブラック企業異常の過酷な労働条件(長時間労働)が待ち受けていることも珍しくない

さて、私の2本目の映画『「わたし」の人生 わが命のタンゴ』がモナコの映画祭のオープニングに選ばれたということでモナコに来ている

今回は出すのが遅れたこともあって通ると思っていなかったから、万が一受賞できた場合、小学館の講演が先に入っているため表彰式に出れない(ま、取らぬタヌキはやめよう)

https://ml.webshogakukan.com/solopen/enquete/kidsjkouenkai.do

その代わりパリでおいしいものを食べようということで1日早くパリに泊まっている

私がさんざんひどい目にあったDynabookの看板を2回も見た

フランス人は、日本食やアニメ、映画をふくめ、日本びいきの人が多いし、日本人をクールと思っているのに、この広告はヤバいと思った

現実にホテルについて、ネットをつなごうとするが、つながったらメールが送れなくなったり、Wimaxを使っていると無線LANにつながらない(もちろん、Wimaxを切ってもの話だ)、wiFiのネットワークアダプターを削除して再起動しないと無線LANにつながらない

いったんつながっても信じられないほど遅いし、Windows Mailを開くと画面が真っ黒になり、Windows mailを再起動するとしばらく動くが、また真っ黒になる

仕方がないから作業中なのにPCを再起動する羽目になるなどさんざんである

一度でいいから社員に使わせてから広告をしたらどうなのだろうか?

日本の恥だから、海外で売るのはやめてほしい

韓国の人が知ったら、サムソンと比べてこんなにダメという広告に使われる(いかに使えないがの画像をyou tubeにでもあげられたら意図的に広めるだろう)だろうし、フランス人を失望させたくない

今のように、ネット口コミの時代には、ある程度、欠陥のない状態になってから宣伝しないと、かえって会社や日本の恥になる

ただ、東芝という会社は、口コミをまったく気にしない会社のようで、私がさんざん悪口や文句を書いても、一度としてコンタクトがきたことがないことだけは申し添えておきたい