土曜日は、私の『悩み方の作法』をテーマにした講演を行う

呼んでくださったのが、私の昔のスーパーバイザーで、現広島市精神保健福祉センター所長の衣笠隆幸先生だった

スタッフの方が私の本に気づいて、この講演に呼ぼうという運びになったそうだが、話を聞くとこの保健センターはすばらしい

相談業務という形式で、一回30分とか60分の精神療法が原則タダで受けられるそうだ
(こういうことを書いてご迷惑がかかるとまずいが)

で、精神療法が学びたい研修医が7人も集まっているそうだ

それに引き換え、全国で80も精神科の医局があるのに、主任教授が精神療法家というところは一つもない

どこで精神科医が心の治療を学べというのだ

実際、広島市のセンターでも研修医は県外の人が多いらしい

衣笠先生は、日本の精神療法の保険の点数と精神科のスタッフの少なさを嘆いておられたが、その点数がついても、出来る人が足りな過ぎるだろう

実際、衣笠先生も私も聞いている話だが、精神科の啓もう運動や自殺予防教育で、精神科の敷居が低くなっているが、実際、一回行っていやになる患者さんが多いらしい

確かに、話を聞かずに薬だけ出されてもいやになるだろう

ただ、今は、教える人がいないという問題もある

日本で心の病になる人は、そういう点で二重の悲劇だ

さて、前にも触れた警察情報の提供者に関して、そのうちの一人の方(最近情報を送ってくださった方)から「マル秘をお願いして、すみません」というメッセージをいただいた

「私が一番心配なのは、冤罪などで社会から消しにかかることも、おそらく可能ですし、私たちを探し当てるのは簡単だと自分でも分かるので…。」(引用終わり)とのことだった

今回は、私を信用して、実名で、かつどこに勤務していたかも具体的に書いてくださった

こういう信頼が嬉しい

今回の追加情報などを読むと、日本の警察は予想以上に恐ろしい組織かもしれないと思った

ただ、ちょっと怖く思ったこともある

こういうものも法案が決まると、特定秘密ということになって、その提供者も私も捕まるのだろうか

ある意味、自分が潰したいという人物に「特定秘密」を一方的にメッセージのような形で送りつけて、(とくに返信したりすると)「共謀」という形でしょっぴくことになったり、うかつにブログに書くと捕まったりする可能性もでてきた

児童ポルノの単純所持だって、ファイルを送りつけて、気がつかないまま、送った人間がチクったら捕まるのと同じ理屈だ

こんなに政府や警察が信用できない国で、この手の法律ができるのはとても危険だ

さて、特定秘密保護法案に関して、冷戦構造の発想のままで、テロの時代だということがまったく考えられていないのも、納得がいかない

戦争についての情報もある程度、公開されないと、被害者が出る危険もあるが、国家間の機密はあるだろう

ただ、テロについて事前情報がわかれば、ある程度オープンにしないと余計に被害が広まってしまう

確かにテロリストの捜査情報が漏れるのはまずいこともあるだろうが、テロリストの動きがわかっているのに、秘密にされても迷惑するのは被害者だ

もう一つ、この法案で思うのは、右翼マスコミ以外、あるいは右翼マスコミですら、素直に賛成していないことがある

というか、今回の件で、安倍氏はマスコミをかなり敵に回したようだ

アベノミクスがそこそこうまくいってきたのは、マスコミが好意的だったという点もある

今後、消費税が上がって、景気が落ち込んだり、あるいは国土強靭化という形でバラマキをやりたいなら、マスコミを敵に回すとやりたいことがやれなくなる危険が大きくなる

なぜ、安倍氏は、まず経済を立て直してからという富国強兵策ができないのだろうか

強兵を先にやろうとすると北朝鮮や潰れたソ連のようになってしまうし、だから、大久保利通が西郷さんの征韓論を退けたという歴史を受験経験のない首相にわかってもらうのは困難なようだ