昨日は飲み過ぎて、ブログが更新できなかった

「バカの壁」という言葉があるが、認知の枠組みが違う人とは話ができないことがよくわかるメッセージをいただいた

「和田先生は、経済学の基礎を学んでいないのではないですか?
学んでいないのに、「数学が出来るから~」、「心理学が出来るから~」、と言って、ちょっと経済本読みかじったぐらいでは、和田先生がバカにしている日本の経済学者レベルにもなれませんよ。私も素人ですが、その辺は弁えているつもりです。
こういうことを申し上げても、「そうかもしれないし、そうでないかもしれない」「私は説得出来ない」と和田先生は仰るでしょう。しかし、どんなに丁寧に申し上げても、先生のお考えが変わることはないでしょう。
しかし、それは、言論人としての正しい姿勢ではなく、「聞く耳を持たない」だけではないですか?
余計なお世話かもしれませんが、そういう姿勢を変えないと、日本の経済学者は相手にしてくれないと思いますよ。」(引用終わり)

簡単にご立派な理論を聴けば説得されるような人が言論人としての正しい姿勢なら、新しいことを言う言論人はいないことになるし、私は日本の経済学者に相手にされたいとも思わない

ただ、一つ言えることは、経済学であれ、医学であれ、心理学であれ、理論より結果のほうが大切だということだ

相続税100%が私有財産の否定と言うが、私の相続税100%というのは、実は生ぬるいもので、たとえば、親の農業を事業継承すれば、相続税は、少なくとも農地や農業機械については0%にしたほうがいい、残りの兄弟の相続税を100%にしろというものである

ただ、私は、資本主義や私有財産制が絶対に正しいとは思っていない

富の偏在が経済をいびつなものにしていると信じているのだから仕方ない

これも宗教的信念かもしれないが、私には、このメッセージの主が信じている「経済学」も宗教にしか思えない

聞き耳を持たないと言えばそうかもしれない

もし聞く耳をもつとすれば、本当に、相続税100%になったときに、人々が思ったほどお金を使わなかったとか、私の予想がことごとく外れたときだろう

少なくとも既存の経済学の枠組みからはずれた意見が容認されないほうが、よほど言論人が言論できない世の中だと思うし、それ以上に私が言論人とは思っていない

人がものを考えるときのヒントを与えるべく、情報を発信しているだけだ

私もいろいろなメッセージや他人のブログをみて、聞いたことのない話や、これは面白いとか、気づかなかったという話には触発されるし、喜ぶ

もちろん、このメッセージの主の言っていることの中で正しいと思ったところもある

「>円安とかいうが、製造業しか潤わない
これも間違っています。円高は、「輸入品が安くなる」という効果を持つので、デフレ下の日本では、輸入品が売れるようになり、内需産業も大ダメージです。しかも、本当に通貨高が良いのなら米国もEUもみんな、通貨高を求めるでしょう。要するに、現在の世界では、安すぎる通貨はダメだが、高すぎる通貨もダメ、ということなのです」(引用終わり)

確かに「現在の世界」ではそうだろうし、円高で損をする業種が製造業だけというのは私の言い過ぎである

ただ、この人は人のことを「間違っている」と決めつけるが、クリントン時代のアメリカは、あえて通貨高政策をとって、アメリカに金が集まるようにして、金融業を肥大化させたことがある

この文章を読んで、自分の理論が無謬であると思い込んでいるところのほうが怖い

現実には、飲食業であれ、流通業であれ、輸入品が安くなると仕入れコストが下がるので、かえって潤うことが珍しくない

そして、飲食業や流通業の就労人員のほうが、おそらくは円高で損をする業種の人間より多いように思えると言うだけの話だ

ただ、多くの人は気付いてくれているだろうが、私もこの30年くらいで、考え方を少しずつ変えてきている

精神医学の世界でも、実は精神療法が専門だが、脳の変性の予防のために、SSRIの早期治療の支持者だったが、その戦慄すべき副作用を知って、なるべく使わない方向に考え方を変えている

アメーバのニュースで『女性に聞いた、男性の「顔」「身長」「学歴」「収入」の中で唯一妥協するとしたら何ですか?「学歴」』という記事が出ていた

http://news.ameba.jp/20131104-190/

私が、ブオトコでチビで、収入はそこそこあっても映画とワインに金を使いすぎて可処分所得が非常に低い、学歴だけしかとりえのない男だから言うわけではないが、これでは若者の男たちの勉強のモチベーションが下がるのは当たり前だろう

アメリカ人は意外に学歴重視だし、中国も韓国もそうだ

日本の場合は長らく学歴と収入の相関関係が低かったこともあるが、学歴なんてあったってという考え方が強いのかもしれない

いくら草食系が増えたからと言って、思春期には性欲は高まるものだ

学歴が高くてももてないという現実を突きつけられたら、子供の学力がさらに下がるのが心配だ

さて、新聞を読んでいると、「飲酒や薬物、病気の影響で正常な運転できなくなる恐れがある状態で、負傷事故を起こした場合は懲役12年、死亡事故では懲役15年が上限』という風に、精神障害者を狙い撃ちにして、事故の厳罰化の法律を作る気のようだ

自殺が3万人の我が国で、精神障害の早期発見早期治療が重要視されているのに、その診断を受けると、運転をして、事故を起こすと危険運転とされてしまうのは、きわめて危険な話だろう

健常者と精神障害者が、対人口比で、どちらが交通事故死が多いというエビデンスだってない(健常者のほうがスピード違反をすることが多いかもしれない)

昔は薬屋の犬のようだった日本うつ病学会が、最近は、軽症の人には抗鬱剤をなるべく使わないようにと言ったり、今回の罰則強化に反対したりで、やはり製薬会社の接待禁止や研究費の後悔が効いたのかまともなことを言っている

JRを民営化して、地方の人の交通手段を奪っておいて、精神障害の人が運転しにくくなるようにもってくる

だったら、代替の交通手段を用意してくれと言いたいし、それ以上に運転ができなければ、地方では相当周到が困難になるだろう

多く見積もっても年間数十人の交通事故死を減らすために、下手をすると1000人単位の自殺が増えたり、万単位の精神障害者の就労がどうなってもいいと思っているようだし、うつ病で運転ができなくなってクビになっても、生活保護は門前払いなのである

この命の重さの差はなんだ?

精神障害があると運転はやめろという話になれば、そうでなくても、精神科にかかろうとしない人がよけいにその敷居が高くなって、かえって、いろいろな害も出るだろう

「健常者」はそんなに偉いのかと思ってしまう

経済学をちゃんと学んでいる人もそんなに偉いのだから、自分が正しいと思っている奴は怖い