明日は、大阪のアプローズタワーで、家庭教師のトライの講演をするということがあって、同じビルに入っている阪急インターナショナルホテルに泊まっている

偽装表示など何事もなかったかのように、近江牛の牛めしのポスターが貼ってあるし、レストランもきちんと混んでいる

大阪の人は、自分の舌を信じているから、うまければ多少の偽装があってもいいと思っているのかもしれない

ホテルにチェックインするときに、いきなり、ジュニアスイートへのアップグレードを持ちかけられた

さすがに阪急・阪神ホテルのグループが反省しているのか、あるいは、私が講演の関係で、しょっちゅう泊まっているからなのかと、ちょっと喜んだ

それもつかの間、1万円の追加料金でとの提案だった

こういうことは、アメリカやヨーロッパを含めて、ほかのホテルでは経験しないことだ

先に追加料金がかかるのですが、非常にお得なプランがありますので、お話を聞いていただけませんかというのなら話はわかるが、ホテルでアップグレードの話をするときは、通常、向こうの部屋の都合や、こっちが、どのくらいフリークエントな客かで決まることが原則と思う。そして、通常は無料だ

私もそうだと思い、「それはいいですね」とうかつに言ってしまったが、お金を取ることを聴いて、金額の多寡は別として、ばかばかしくなってやめた

ただ、ここのホテルは、そういう形で、泊まり客にバツの悪い思いをさせることに何の抵抗もないようだった

バーも早く閉まるようになったし(泊まり客のためにバーをあけておくのは、私に言わせたら、サービス料の中に含まれていると考えている。そのために高い値段を払っていいホテルに泊まるのだから。まだ、欧米では当たり前の24時間のルームサービスをやっているだけましだが)阪神と合併して、リッツが一番になったのかもしれないが、一応、阪急と名のつくホテルの最高ランクのホテルがこれでいいのかと感じさせる

こんなことだから、食品の「誤表示」にも無頓着なのだろう

安倍首相が、先月の国連総会で、「積極的平和主義」というのを、日本の外交・安全保障の基本理念として掲げたとのことで、ニュース情報番組などで取り上げられることが多い

一国だけで、自国の平和が守れる時代ではないのも確かだが、今の時代は、私は敵が国でなくなったから、一国平和主義が困難になったとみている

北朝鮮だって、滅ぶのが嫌だから、ギリギリのところで暴発はしないようだし(ここだけは、今のトップが軍部の傀儡の可能性があるので、私にも断言できないが)、中国だって、政府の首脳のほとんどが、アメリカに隠し資産があるのだから、領土紛争(これを日本は戦争とみているようだが)はやっても、全面戦争をやるとは思えない(そんなことで、財産を没収されてもいいと思うほど、中国の首脳部は愛国者ではないだろう)

ただ、テロリストは何をするかわからない

アメリカの同時多発テロは、もちろん多くの命を奪ったが、それ以上に、アメリカ人にとって最大の輸送手段である飛行機を、テロ対策のために、ものすごく不便なものにした

結果的に飛行機に乗る客が減り、大手の航空会社がいくつもつぶれ、ボーイングの座を、事実上エアバスが奪った

裸同然が見られるスキャンまで導入され、プライバシーも侵害される

また、外交面でも、イラク攻撃でもアフガン攻撃でもアメリカは恥をかくことになった

さらに情報機関が間抜けなので、友好国のサウジアラビアとの関係まで悪くなった

アメリカでは厭戦気分が広がり、シリア攻撃すらできなかったし、アメリカの金持ちは、戦争のための税金を払うことも拒んでいる。議会だって金を出し惜しむ

おそらく、テロリストの計算通りだ

テロを受けた国は、頭に血が上るが、テロリストは、人を殺すこと以上に、その結果を計算して攻撃する。相手を感情的にして、理性を働かせなくすることも心理学のわかっているテロリストの常とう手段だ

マスコミも政治家も、それに引っかからないようにしないといけないのに、感情的になってまんまとひっかかる

だから、テロは終わらない

愉快犯的な意味でも、気に入らない国にダメージを与える上でも、いろいろな形のテロが行われるだろう

その中で、おそらく次の主流になるのはサイバーテロだ

あまりに、ITに頼り過ぎているのだから、被害国の情報や、経済へのダメージは大きいはずだ

そして、それによって、ITに検閲が入ったり、使用が不便にされることのほうがテロリストの狙いのはずだが、おそらくは計算通りになるだろう

こういう時代に、よそとの軍事同盟が、平和主義というセンスが私にはわからない

もちろん、積極的平和主義という概念自体が危険なものだ

どんな戦争にも大義名分があり、多くの戦争は「平和のため」のものだ

アメリカが、この考え方のもとに、各国でおせっかいをやり、逆にそれで嫌われることにより、テロリストの標的になる

日本が、積極的平和主義とやらを取り入れたら、巻き添えになるかもしれない

今のご時勢の平和とか安全保障を考えるなら、もう少しプロバビリティの高いことへの対策を考えるべきだろうし、一国の技術では無理でも、国際協調で、たとえばサイバーテロ対策(そのために、各国のIT企業に情報公開をしてもらうなど)が必要だろう

それ以上に、積極的平和主義のために、余計な金を使うことが、福祉を減らし、余計な自殺を増やし、人々の財布のひもを強めてしまう

テロリストと同じくらい、その後の予想を立てて行動のできる政治家が日本にはいないのだろうか?