ラジオを聴いていると、子供が熱を出して休ませてくれる社長が温情社長のように言われていた

「せっかく休んでいるのだから子供のそばにいてあげなさい」と言われて涙が出るほど嬉しかったという話だ

いっぽう、フランスではデートの約束があれば、残業は絶対にしないし、それを許す上司が当たり前という話もラジオでしていた

要するに、外国では時間外労働はしないのは当たり前で、それを許さない上司は異常扱いされているが、日本では、子供が病気のときに有給をとっても、びくびくしないといけないし、それを上司や経営者が認めてくれたら、すごく感謝するという話である

ブラック企業の問題点は、もちろん、人に休みを与えないでこき使う、給料も安いということもある

きちんと人を休ませるなら、当然人手不足が起こる

医療の世界では、たとえば看護師などは勤務時間が決まっていて、患者さん一人当たりの必要数が足りないと、大幅に保険の点数が減らされるので、慢性的な看護師不足だ

人件費がかかるので、医療機関やその経営者は、そうはボロ儲けはできない(それでも、田舎ならだいぶ儲かるようだが)

もし昔のように看護師はいくらでも残業させられる、定数も足りなくても大目に見てもらえるというのなら、医療機関はもっと儲かる

要するに、労働基準の監督をもっとしっかりすれば、失業率は確実に下がるのである

そして、労働者も人手不足になって賃金が上がる

法人税を上げたら賃金が上がるはずなど、強欲な資本家に性善説を信じるほうがどうかしている

ワークシェアリングでもそうだが、人がきちんと休むようになったほうが、はるかに多くの人に労働のチャンスが広がる

そんなことをしたら会社がつぶれる、あるいは海外で作らせることになるというが、人にまともに休みを取られば生き残っていけない業種は、残念ながら淘汰されるしかない

しかし、何度も言うが、製造業の就労人口は1000万人、飲食業などが、みんな労働基準法を守れば、こちらの雇用は大幅に増える(その代わり人件費が増えるので、メニューの値段は上がる。でも、そのほうが、異常なデフレを止められる)

そもそも、人口が減っているのに、人手不足が起きないほうがおかしいのだ(ロボットが普及すれば別だが)

そして、労働していない時間が増えれば、当然、消費に使う時間も増える

今の消費不足が少しはましになるはすだ

そもそも、人手不足で賃金が上がれば、失業者も減るし、国内の消費は確実に増える

そういう意味で、ブラック企業は、日本の景気も悪化させている諸悪の根源なのである