本日もいろいろと考えさせられるメッセージをいただき、まず感謝したい

そうでなくても、連休で混んでいるのに、雨で新幹線が止まったとやらで、新大阪の駅がごった返していた

本日は大阪と名古屋で講演があるので、名古屋までの指定と東京までの乗車券を買おうとしたら自動販売機では買えないことがわかった

みどりの窓口にいくと、おそらくは遅れた券の関係で長蛇の列になっている

ところが、どこに引っ越したのか、JR西日本の切符売り場は消え、東海の独占販売状態となっている

すると長蛇の列ができているのに、13個の窓口のうち5つしか空いていない

結局、民営化にしても独占である限り、サービスの向上はないのだということがよくわかった

さて、新聞を整理していたら、小学生の英語の授業を充実させる案が出ていた

教育再生実行会議が提唱しているらしい

小学校3,4年生から始めて(原稿は5,6年生)、週2回以上(今は1回)、正式な教科にしろということだ

今のトレンドでいくと、おそらくは、この提言の通りになる気がするが、いくつかの点で、非常に危険なことのように思える

一つは、今の子供たちの国語力の衰えをまったく無視しているということがある

OECDが実施している、PISA調査でも数学力の低下ばかりが問題にされているが、実は、自国語の読解力でもアジア最低である

現実に、まともに新聞の読めない高校生などざらにいる

実際、わかりやすい問題集や参考書を宿題に出しても、それが読めない受験生がいくらでもいる

数学の解答を読んでも論理が理解できなければ、暗記数学もできない

それどころか、私の『受験は要領』レベルの本でも、読めない子がたくさんいる

すると、勉強法が悪くて成績が伸びない子が、私の本に限らず、いい勉強法の本に出会えない(もちろん、学校では勉強法は教えてもらえない)のだから、這い上がるチャンスもなくなってしまう

こちろとしても、勉強法の本が売れなくて、困っているのだが、それ以上に、今、勉強法の本を買うのはむしろ優等生になっている。

劣等生にチャンスを与えようと思って書いた本が、皮肉なことに優等生と劣等生の差を広げる結果になっている

もう一つの懸念は、英語が正式な教科になれば、それが中学受験の科目に入れられる公算が大きいことだ

名門校ほど、将来、東大や医学部に入れそうな子を青田買いしたい

中学受験の段階で、算数や国語ができる子のほうが、大学受験で数学や国語のポテンシャルは高くなるが、英語ができる子をとれるなら、そのほうが教える側も楽だし、将来が読める

英語というのは、原則的に中学に入ってから初めて習う科目であるし、小学校のうちから英語をやっていると中学受験では勝てないので、開成や灘の子供と公立学校の子供がスタートラインが同じ科目でもある

公立の学校に行っている子で、親が気が利いていて、英語の先取り学習を小学生の間からやらせておくと、名門私立の子供を逆転できるかもしれない

しかし、中学受験に英語が入ると、当然、ものすごいハイレベルのものになるだろう

要するに、中高一貫校に、公立がますます勝てなくなる

要するに、貧乏な子が這い上がるチャンスはもっと小さくなる

地方と東京の学力格差もさらに大きくなる

唯一の救いは東京の金持ちは、自分の財産にあぐらをかいて、中学受験もさせず、小学校から大学の付属にやって満足することくらいだろう

ただ、日本の競争力にとって害毒なのは、こういう子供の親が80過ぎまで生きるので、無能でも社長を継ぎ、外国の経営者に勝てないことだろう(政治家がすでにそうだ)

愛国者と称する人間、日の丸や君が代が大好きな人間が、日本語を大事にしないのは、やはり受験経験がないからなのだろうか?