エンジン02で鳥取に来ているが、夜楽という市民とメンバーとの食事会の後、二次会、三次会、四次会と飲みまくって、3時くらいまで飲んでいて、朝になっての更新になってしまった

新聞を整理していたら、ウナギが高嶺の花に戻ってしまったことを批判するような記事が出ていた

さらにいうと、マグロも大幅に減って、高値になるのではないかと予測されている

もとはと言えば、乱獲が原因だそうだ

マグロなどは大きくなるのを待っていたら相当高い値段になるのに、小さいのをたくさん捕ってしまう

安売りの回転ずしのようなものが増えて、安いマグロの需要が増えたためのようだ

私が小さいことには、ウナギも、マグロも高かった

月に一度どころか、年に一度食べられたらというぜいたく品だった

私は、給与格差をつけるのには反対だし、金持ち増税(ただし、経費を認めろ)派だが、貧乏人には手が出ないものはあっていいと思っている

昔は、すしが食える身分になりたい、マグロが食える身分になりたいと思って頑張ったが、今のように、なんでも安くなれば、生活保護の収入でも回転寿司に行けてしまうし、ウナギも食べられてしまう

若者に上昇志向がなくなるのは当たり前のような気がする

生活保護を簡単に受けられることや生活保護がワーキングプアより収入が多いこと(この人たちは本来受給資格があるのだが)より、お金がなくても、そこそこいいものにありつけるほうが、よほど若者の意欲を奪っているように思えてならないのだ

デフレの原因として、この手のディスカウンターの存在があるのが意外に無視されている

お金がなくても食える、それどころか昔は高級品だったものでも食える

お金がなくても、そこそこのおしゃれができる

生活保護をつけると、仕事をしなくなる奴が増えるような批判をする人が多いが、生活保護の暮らしじゃ嫌だと思わせるほうが、生活保護を削るより重要ではないか?

教育は貧しい人でもハイレベルのものが受けられるようにすべきだが、消費は金を稼いだ人ほどいいものが手に入るようにしないとインセンティブにならない

高いものは高いが、そのために稼ぐ

いいサービスを受けたければ、高い金を払う

レストランにしても、服屋にしても、高給店がはやらないと、サービス業の賃金水準が上がってこない

昔の日本は、より高級に皆が憧れて、より高い給料を求めた

経営者もそれに応えた

もちろん、製品の質も上がったのだが、内需が分厚くなって、貿易依存度は1割を切り、加工貿易国から脱却した

第三の矢とかいうが、これだけ第三次産業の就労人口が増えた以上、内需が増える形のものでないと、国全体の景気はよくならないだろう

それは医療とか、高齢者向けのサービス業とか、介護サービスなどで、値段も高いけど、質のいいものを求めるトレンドではないかと、私には思える

その代わり、そういうものに従事する人間のペイもよくなる

そのためには、金持ちに金を使ってもらい、高級サービス業が出現し、それに庶民が憧れ、日本のサービス業全体の質が上がるという構図が妥当のように思えてならない

たまたま、エンジンの講座の中で、鳥取のある施設の栄養士さんが、一人一人に介護プランを立てて、個別に食事を用意するので、昼は厨房が大忙しという話をしていた

これが、介護保険の費用の範囲内でできてしまうことは、素晴らしいと同時に、これでは、金持ちが金を使わなくなるし、スタッフの安い給料なのに、頑張ることがあってしか成り立たないので、そうは広まらないだろうなと思ってしまった

やはり高級な老人ホームで、こういうサービスが始まり、金持ちがそれに喜んで金を出し、介護施設の労働者のペイがあがって、一般の人もそのスタイルに憧れて、施設介護の質も上がるし、労働者のペイも増えていくというスタイルのほうが自然のように思える

日本にほしいのは、この手の高級による高給だ

だから、金持ちに金を使ってほしい

でも、日本の金持ちはケチだから金を使わない

スイスや京都は、物価が高い代わりに、給料も高いから、わざわざ安いところに買い物にいかないし、そこに住みたがる人も多いようだ

スイスは相続税ゼロなのに、なぜかみんな金を使う

このように価値観を変えることができれば、私だって、相続税を上げろと言わない

でも、日本では金持ちに金を使わせるには、相続税の大幅増税と、経費を大幅に認める(高級なものに金を使えば、それを経費と認めてあげる)累進課税の強化しかないように思える

もうひとつは、いいものは高いという当たり前の感覚が、日本に戻ることだろう

ウナギもトロも高くていい

回転寿司で覚えた味をまた食いたいと思って、日本の若い人たちが、高給を求めるようになってくれれば、上昇志向が戻ってくれればと、私には思えてならないし、乱獲は、どちらにしても日本の漁業をつぶすから、早いところの制限作りはぜひやってほしい

大間の漁師のようにみんなが高給になれば、漁業だって、第三の矢になりえるだろう