本日も考えさせられるメッセージをたくさんいただいた

ただ、カウンセリングが必要なレベルの悩みについては、背景情報がないのと責お任が取れないことがあって、まともにお答えすることができないことをご理解していただきたい

宝島社から出ている『NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる』という本でも、日本の精神科治療の当たり外れの大きさを問題にしていたので、少しでもいい医者に当たってほしいのだが、お役に立てなくて申し訳ない

私の場合は、ゆっくり時間をとって話を聞いたり、精神科のセカンドオピニオンのようなことはやっているが、その代わり自費診療になるので、高いという欠点がある(それでもがんのセカンドオピニオンの3分の1くらいの値段だし、3分診療をしている先生の時給のやはり3分の1にしかならないのだが)

相談とか、いろいろと意見を求めることというのは、実は投資効果が高い

私のもとで、50分の相談で3万円払ったとしても、進路選択や、医者選びで、少しでもいい方向に向かえば、その何十倍、何百倍のメリットになるはずだ

スポーツができる人間は、やれば勉強ができるはずというメッセージをいただいたが、私もずっと主張してきているようにその通りと思う

スポーツでも勉強でも、自己流で練習してもあまりうまくならない

できれば、やり方を学んでから練習(勉強)したほうが、本当はうまくいくはずというのも私の信念である。なのに、私の受験勉強法の本が最近あまり売れないし、買ってくれるのはみんな優等生というのは、とても残念だ

さて、いつもメッセージを送ってくださる方から、「いい人ほど怖いものは無い?」というメッセージをいただいた

いい人のほうが、正しいと信じること、国のためになると信じること、自分を捨てることができるので、結果的に残酷なこと、弱者切り捨てのようなことができるという趣旨だ

いい人な代わりに、まじめで、垂直思考で、融通が利かないというのも本当だろう

働いていないで、生活保護をもらっている人間について、実は心の病の人、離婚された女性、高齢者、障害者などが多いとか、外国と比べるとおそろしく少ないという情報が耳に入らず、「働かないでお金をもらう奴がいるから、国がダメになる」と将来、自分が受けるようになるかもしれないし、そのとき、損になるかもしれないのに、国のためにバッシングするのだろう

こういう労働がいちばんと思える人は、何十億も脱税した人をみても(そのほうがはるかに国に迷惑をかけているが)、ちゃんと働いて稼いだ金というので同情するのかもしれない

このメッセージの主は、オウムの人も、まじめないい人が、別の信念体系に染まったという例を出していた

実は、虐殺の歴史をみると、まじめな国民性の国のほうが虐殺をやるそうだ

ナチス・ドイツも、ポルポト時代のカンボジアも、まじめで、いい人が多い国民性が、正義と信じれば、平気で人が殺せるようになる

これを考えると、日本の南京大虐殺もあり得ない話ではない気がする(私は誇張だとは思っているが、ゼロではないとも思っている)

まじめでいい人と言うので、言及するが、実は、たまたま本日オンエアのテレビ番組の取材で、遠野なぎこさんの強迫性障害の話を聞かされた

まじめで完全主義の人は強迫に陥りやすい

実は、私はよく知らないものだから、この人が親に愛されないことを売りにしたり、ある種のアダルトチルドレン論を振りかざすことに、ちょっとした反感をもっていた

でも、取材記者の話を聞く限り、やはり本当にかわいそうな人なのかもしれないし、親に愛されなかったというのは、本当なのだろうなと思った

自分が当たり前に生きていくことに安心感がもてない、自分の言動にこれでいいのかという不安がつねにつきまとう

自己心理学的なカウンセリングの、まさに適応だとは思った

カウンセリングというのは、まず聞くことから始める

断片的な情報で、遠野さんがこんな人と決めつけて、別に、それを批判したわけではないが、ちょっとした罪悪感をもった

もちろん、今回は別の方向から、ちょっとした情報が入っただけで、カウンセリングというのは、もっともっと聞いてから、可能な限りクライアントに役に立てそうな言動を試みる

クライアントのことを決めつけたがる、あるいは自分の理論に固執する垂直思考のカウンセリングより、いろいろと聞いてから、いろいろな理論をあてはめてみようという水平思考の人が向いていると思っているが、このメッセージの主が言うように、今の政治家(おそらくはほとんどのテレビのコメンテーター)には、垂直思考の人が多くて、水平思考の人は本当に見当たらない