とある賢い文化人の人と先日、飲んでいた（相手は飲めない人だが、堂々とタバコを吸うので、私は、好きなタイプの人である）
今回の選挙の結果をみて、日本人は、本気でアベノミクスで景気がよくなると思っているのだろうかという話になった
所得の再分配なしに、総消費を増やすことはほぼ不可能だという考えで一致したのだが、彼がいうに、いちばんの問題は、安倍氏には国民をだます気持ちなどまったくなくて、彼自身が本気でこれで景気がよくなると信じていることだという話になった
「そのくらい数学どころか算数もできないのでしょう。おそらく１００万円の1割引がいくらか暗算ではできないのではないでしょうか？」と私がいうと、彼は真顔で「さすがにそれはできるだろうけど、100万円の1割引にしたものを1割り増しにすると100万円に戻ると思う程度の知能だろう」とおっしゃった。あまりに、あたっているので笑ってしまった。ちょっと複雑な計算が困難だから、アベノミクスになるのだろう
彼は、もともと与党になる前の民主党のブレーンのようなことをしていたのだが、みんな政権をとった途端にえらそうになったことも問題視していた
まともにやったら官僚には勝てない
自民党のように官僚の言いなりに、あるいは、官僚に自分の利権だけやってもらって、その代わりほかは言いなりになるというスタンスならいいだろうが、これを変えたいのなら、ブレーンで勝負するしかない
「はっきり言ってブレーンが自慢です」というような政党を作って、ブレーンを大事にすればよかったのだが、民主党は逆に切っていった
彼らは左翼とは程遠いが、左翼の人というのは、私が学生時代の民青や精神科医師連合に受けたひどい目でわかるが、権力をもつと本当にえらそうにする
そういう心性がある限り、自民党には絶対に勝てない
さて、いつも、なかなか鋭いメッセージをいただいている人から、タクシーの運転手が低賃金とラジオで言っていたが、もっと貧しい人がいっぱいいるし、タクシーの運転手に同情するくらいなら、なぜ生活保護を叩くのだというような趣旨のメッセージをいただいた
私が、よく大阪で聞くのは、タクシーの運転手さんが手取りで10－15万くらいにしかならないということだ
値下げ合戦や過当競争の上、大阪が不景気でタクシーに乗る人が少ない故とのことだ
隣の京都にいくとぜんぜん収入が違うようだが、確かに高齢化が進んでいて、私が何回か聞かされたのは、「年金もらえるからやっていけるけど、タクシーだけではやっていけまへんわ」という話だった
10－15万というのがどのくらい正しいのか、このメッセージの主のおっしゃるように福利厚生つきで23万なのかは確かめようがない
むしろ、このメッセージの主の以下の文が気になった
「ラジオパーソナリティや芸人なども頻繁に語っていますが、「仕事大好き。そして、仕事の無い日は、何をして良いか分らない。一日が永遠に感じられて気が変になりそうになる」 「休暇があると怖い。やることが無いので、早く日が過ぎて仕事の出来る日が来ないかと考える」と。
こんなワーキングホリックの人は怖い、と思います。そしてこんな人たちが、と考えます。生保の人を叩くのだと。
仕事病です。こんな仕事病に罹患している人にとっては、働かない人は、"病気"と思えてしまうのでしょう。病気故に、生保受給の人は、怠けていると見え、怠け病と勝手に診断し、仕事病の人が生保受給者を怠け病と見做してバッシングするのだと考えるのですが。」（引用終わり）
これは、私の気づかなかった鋭い指摘だ
生活保護がこてんぱんに叩かれるのが、今回の選挙でもわかったように、明日はわが身と考えないで、弱者をいじめる日本人の国民性と思っていたし、また、働かざるもの食うべからずという小作人のＤＮＡが植えつけられ、さらにこのＤＮＡのために、努力して這い上がった人より地主様を思わせる世襲のボンボンのほうが好きになっているのだろうと、この選挙を見ていたが、日本人の仕事中毒も、生活保護問題をややこしくしている
たとえば１００万人の失業者がいるとして、それに全員生活保護をうけさせても、2兆円でおつりがくるが、公共事業で彼らを食わせるとしたら10兆円くらいかかってしまう
2－3兆円くらいが、公共事業の会社のえらいさんのベンツ代と愛人手当てとクラブ代とゴルフ代と、政治家への献金や裏金で消えるのだろうが、それでも、働くほうが尊いと考えるのが、この手の仕事病の人なのだろう
生産性過剰、消費不足なのだから、本当はアリとキリギリスも下記のように読み替えないといけない
冬になったとき、キリギリスはものあまりのために、遊んでいたのに、飢えないで食べていけました。アリは一生、遊びや楽しみを知らずに死んでいきました
（和田秀樹作）
でも、今でも一生アリでいたい人は多い
金持ちの子がキリギリスなら許されるが、生活保護は許されない（彼らだって、あの収入で、遊べはしないし、本当は病気で苦しみ、遊びどころでないだろう）
豊作貧乏のようなものなのだから、遊んでたっていい、遊んでもらわないといけないという発想を日本人がもつのはいつの日のことなのだろうか？
なまけ病（私は、ワーカホリックの人が生保の人を病気と思っているとは思っていない、むしろ根性が腐っていると思っているはずだ）と叩くワーカホリックの人のほうが病気だと思う
でも、私も小作のＤＮＡ（一応、先祖は小作でなかったはずなのだが）なのか、病気なのか、自分自身もワーカホリックなのだが、だからこそ、正常な人には、もっと遊んで金を使ってほしい
それが日本の経済のためだ
今回の選挙の結果をみて、日本人は、本気でアベノミクスで景気がよくなると思っているのだろうかという話になった
所得の再分配なしに、総消費を増やすことはほぼ不可能だという考えで一致したのだが、彼がいうに、いちばんの問題は、安倍氏には国民をだます気持ちなどまったくなくて、彼自身が本気でこれで景気がよくなると信じていることだという話になった
「そのくらい数学どころか算数もできないのでしょう。おそらく１００万円の1割引がいくらか暗算ではできないのではないでしょうか？」と私がいうと、彼は真顔で「さすがにそれはできるだろうけど、100万円の1割引にしたものを1割り増しにすると100万円に戻ると思う程度の知能だろう」とおっしゃった。あまりに、あたっているので笑ってしまった。ちょっと複雑な計算が困難だから、アベノミクスになるのだろう
彼は、もともと与党になる前の民主党のブレーンのようなことをしていたのだが、みんな政権をとった途端にえらそうになったことも問題視していた
まともにやったら官僚には勝てない
自民党のように官僚の言いなりに、あるいは、官僚に自分の利権だけやってもらって、その代わりほかは言いなりになるというスタンスならいいだろうが、これを変えたいのなら、ブレーンで勝負するしかない
「はっきり言ってブレーンが自慢です」というような政党を作って、ブレーンを大事にすればよかったのだが、民主党は逆に切っていった
彼らは左翼とは程遠いが、左翼の人というのは、私が学生時代の民青や精神科医師連合に受けたひどい目でわかるが、権力をもつと本当にえらそうにする
そういう心性がある限り、自民党には絶対に勝てない
さて、いつも、なかなか鋭いメッセージをいただいている人から、タクシーの運転手が低賃金とラジオで言っていたが、もっと貧しい人がいっぱいいるし、タクシーの運転手に同情するくらいなら、なぜ生活保護を叩くのだというような趣旨のメッセージをいただいた
私が、よく大阪で聞くのは、タクシーの運転手さんが手取りで10－15万くらいにしかならないということだ
値下げ合戦や過当競争の上、大阪が不景気でタクシーに乗る人が少ない故とのことだ
隣の京都にいくとぜんぜん収入が違うようだが、確かに高齢化が進んでいて、私が何回か聞かされたのは、「年金もらえるからやっていけるけど、タクシーだけではやっていけまへんわ」という話だった
10－15万というのがどのくらい正しいのか、このメッセージの主のおっしゃるように福利厚生つきで23万なのかは確かめようがない
むしろ、このメッセージの主の以下の文が気になった
「ラジオパーソナリティや芸人なども頻繁に語っていますが、「仕事大好き。そして、仕事の無い日は、何をして良いか分らない。一日が永遠に感じられて気が変になりそうになる」 「休暇があると怖い。やることが無いので、早く日が過ぎて仕事の出来る日が来ないかと考える」と。
こんなワーキングホリックの人は怖い、と思います。そしてこんな人たちが、と考えます。生保の人を叩くのだと。
仕事病です。こんな仕事病に罹患している人にとっては、働かない人は、"病気"と思えてしまうのでしょう。病気故に、生保受給の人は、怠けていると見え、怠け病と勝手に診断し、仕事病の人が生保受給者を怠け病と見做してバッシングするのだと考えるのですが。」（引用終わり）
これは、私の気づかなかった鋭い指摘だ
生活保護がこてんぱんに叩かれるのが、今回の選挙でもわかったように、明日はわが身と考えないで、弱者をいじめる日本人の国民性と思っていたし、また、働かざるもの食うべからずという小作人のＤＮＡが植えつけられ、さらにこのＤＮＡのために、努力して這い上がった人より地主様を思わせる世襲のボンボンのほうが好きになっているのだろうと、この選挙を見ていたが、日本人の仕事中毒も、生活保護問題をややこしくしている
たとえば１００万人の失業者がいるとして、それに全員生活保護をうけさせても、2兆円でおつりがくるが、公共事業で彼らを食わせるとしたら10兆円くらいかかってしまう
2－3兆円くらいが、公共事業の会社のえらいさんのベンツ代と愛人手当てとクラブ代とゴルフ代と、政治家への献金や裏金で消えるのだろうが、それでも、働くほうが尊いと考えるのが、この手の仕事病の人なのだろう
生産性過剰、消費不足なのだから、本当はアリとキリギリスも下記のように読み替えないといけない
冬になったとき、キリギリスはものあまりのために、遊んでいたのに、飢えないで食べていけました。アリは一生、遊びや楽しみを知らずに死んでいきました
（和田秀樹作）
でも、今でも一生アリでいたい人は多い
金持ちの子がキリギリスなら許されるが、生活保護は許されない（彼らだって、あの収入で、遊べはしないし、本当は病気で苦しみ、遊びどころでないだろう）
豊作貧乏のようなものなのだから、遊んでたっていい、遊んでもらわないといけないという発想を日本人がもつのはいつの日のことなのだろうか？
なまけ病（私は、ワーカホリックの人が生保の人を病気と思っているとは思っていない、むしろ根性が腐っていると思っているはずだ）と叩くワーカホリックの人のほうが病気だと思う
でも、私も小作のＤＮＡ（一応、先祖は小作でなかったはずなのだが）なのか、病気なのか、自分自身もワーカホリックなのだが、だからこそ、正常な人には、もっと遊んで金を使ってほしい
それが日本の経済のためだ