ラジオを聞いていたら、私の尊敬する鎌田實先生がいろいろと面白いことを言っていた

自民党は、日本人に景気がよくなったと思わせるのがうまかったという意味のことを話されたが、私もその通りと思う

そのあと、先生の新刊の『大・大往生』の話になって、自分だったら、死ぬときにどうしたいということになった

そのときに、また、胃瘻の話になった

胃瘻をおいてしまうと、一つの施設で、3人くらいしか引き受けない現状があるから、施設になかなか入れない話となった

胃瘻を入れると元気になって長生きしてしまうからというような話もあった

私は、今の施設介護が人手不足だし、そもそも施設が足りない現状を話してくれるものと期待していた

すると、鎌田先生は、私なら、呼吸ができなくなったら人工呼吸器はいらないし、食べられなくなったら、胃瘻はいらないという話になった

たまたま、火曜日に緩和ケアをやっている名医の先生と話をしていた

死ぬのがわかっている末期がんの患者さんに亡くなる最期まで生き続けていたいような充実した毎日を送ってもらいたいという話をしていた

あくまでも私の臨床経験だが、人間というのは不思議なもので、寝たきりになる前は寝たきりになってまで生きていたくないと思うものなのに、なってしまうと、やはり医療行為に感謝してくれるし、話が出来る人だと、やはり生きていたいというようなことをおっしゃる方が多い

むしろ、こんなになってまで生きていたくない、早く死にたい、みんなに迷惑をかけている、ごはんもいらない、というようなケースはうつ病を疑うし、うつ病の薬を投与すると、また生きていたいという気になったり、表情がかわったり、ごはんを食べるようになることが多い

鎌田先生と私の診ている患者さんの層が違うのかもしれないが、ちょっと残念な気がした

鎌田先生は胃瘻と人工呼吸器を同列に扱っていたが、では、食べれない患者さんに点滴をするのはどうだろうか?

確かに胃チューブは、のどが苦しいし、肺炎を起こしやすいから、胃瘻のほうがよさそうだ

実際、栄養状態がよくなると、みるみる褥瘡などがよくなっているし、栄養状態がいいから肺炎なども起こしにくい

本当に長生きしてしまう

そして、その間に起こしてもらえなかったり、起きられなかったりすると、体がこう祝してしまうから、いわゆる醜い姿になってしまう

それが可哀想というのが、反胃瘻派の論拠なのだろう

点滴だと、栄養状態が足りないし、褥瘡はよくならないからマイルドに死んでいけるのかもしれな

ただ、心臓の弱っている高齢者や寝たきりの人に点滴をするとすぐに浮腫む

すぐに肺に水がたまってしまい、これが苦しいようだ

胃瘻の場合、胃や腸からマイルドに水分が入っていくせいか、こういうことが起こりにくい

鎌田先生の、がんばらない、じたばたしないという考え方なら、胃瘻もやめようということになるのはわかる

でも、なら寝たきりの人への点滴はどうなのか?

それどころか、寝たきりになる前の高齢者が、血圧の薬や血糖値の薬を飲んでだるい思いをして、食べたいものをがまんするのはどうなのか?

辛い思いをして、ちょっと長生き(エビデンス的には5年も違わない)するより、がんばらない、好き勝手に生きるで、70代くらいで死ねるほうがいいという考え方もありえるだろう

その辺の話を聞きたかった

さて、いずれにせよ、私は、鎌田先生が医者として、生きること、死ぬことを考える姿勢には敬意をもっている

移植してまで生きることについて、自分は賛成になったが、妻は反対だと鎌田先生はおっしゃったが、いろいろなスタンスがあっていいという発言も賛同できる

医学部受験生の方、将来、医者を考えている方には、いろいろと考えてほしいのだが、まずは、医学部に受からないことにはどうにもならない

ということで、私が月1回やっている学力向上セミナーで、「医学部に受かる人、落ちる人の勉強法はココが違う!」というのをやる

以下がその案内である

学力向上セミナー
7月28日(日)17:00~19:00
「医学部に受かる人、落ちる人の勉強法はココが違う!」
 講師:和田秀樹、現役医学部生


場所:文京区本郷
*お申し込みいただいた方にメールで詳細をお知らせします。

参加料:1000円
【限定特典】ブログ読者の方は500円に割引いたします。
申込み時にその旨をお伝えください。

*申込み方法
氏名・参加人数を下記メールまでご連絡ください。
Rtseminar2013@gmail.com
(申込み締切り:7月27日午後8時まで)

【ご注意】携帯電話からメールでお申し込みの場合、確認のご返信をいたしますので、PCからの受信ができるように設定をお願いいたします。

私の医学部合格の基本テクニックや考え方についての講義のあと、緑鐡のスタッフで、東大を出た後医学部に入りなおした3人の講師が具体論を説明するセミナーで、このスタッフの中には、何人か緑鐡の元受講生もいるので、受講経験、緑鐡での指導経験もまじえての医学部合格術なので、説得力には自信がある

私のブログの読者の方は、考え方がまとも(私からみて)な方が多いと信じているので、そういう方から(社会人で再受験を考えている方も歓迎だ)一人でも多くの合格者が出てほしいと念じている