週刊誌を整理していたら、桜井よしこさんが、東北に医学部を新設して、医師不足を解消したいと頑張っている人へのエールの記事があった

この記事の中で、2023年までに日本の医学教育を国際基準に合わせないと、日本の医学部を出てもアメリカの国家試験を受けられなくなることを初めて知った

例のごとくのアメリカの横暴と言えば横暴なのだが、実際、アメリカで精神医学を学んだ身からしたら、日本の医学教育がめちゃくちゃなのもわかる

教授が自分の趣味のことしか教えないなんてざらだ

たとえば、精神科の教授が生物学的精神医学の専門家なら、心のケアなんてろくに学ばないで卒業する医学生がざらに出る

それで、患者への応対が悪いと、受験勉強のやりすぎの頭でっかちのせいにされて、受験だけでなく面接も試験に課せということになるのだが、そんな医学部の教授が面接するから、人生経験を経て医学部の試験をクリアした人や、難病を克服して、受験をクリアしてきた人を面接で平気で落とす

医者の態度が悪いのは教育のせいであって、受験勉強のせいではない

同じ東大卒でも、官僚になった連中は年々偉そうになるが、民間に就職した人間は年々腰が低くなる

それと同じである

そんなことがわからないマスコミの連中はというと、とくにテレビ局の連中は、われわれのような年長者に対しても、「出してやる」という態度を平気でとる

学歴より、どこに就職したかで、人間性は変わるのである

ある程度以上知的レベルの高い人間なら、テレビになどでないというのが当たり前になって、向こうが出てくださいと頭を下げるような世の中にならない限り、テレビ局のクズ社員は治らないだろう(関西のテレビ局の人間は、少なくとも関西テレビとテレビ大阪は、まったく素晴らしい人間が多い。たかじんの右翼局である読売テレビは、ナベツネの影響なのか、東京と全く変わらない、偉そうな人間の集まりのようだが)

ついでにいうと、アメリカでは医学教育は教えるのが上手い人間がやるが、日本では研究者が教授になる

これでは、まともな医学教育ができないのは当たり前で、事故が起こらないのは、まじめに受験勉強をやってきたから、教えてもらえなくてもちゃんと勉強するからにほかならない

さて、本題に戻ろう

私の見るところ、東北の医師不足は東北に医学部が足りないからではない

人口比で考えても、人口が600万人の千葉県に一つしか医学部がないことを思えば、900万人ちょっとで、6つも医学部があるのだから、決して少ないとは思えない

一つには、東北地方の医学部はみんな研修医に人気がないということがある

岩手医大など3人しか集まらなかった年があるそうだ

だが、臨床研修の必修化で、岩手県はむしろ倍に研修医が増えている

今の若い医者は地域医療を学びたいので、いい病院があれば、東北にだってくる

だが、東北六県の医学部は原則的に、東北大学の出身者が牛耳っている

この大学は、生物学的な研究しか研究と思っていないし、また患者にも偉そうな奴が多い

そのため、東北六県の医学部はみんなひどい研修医教育しかしていない

これでは研修医が集まらないのは当たり前だ

情報化の時代に、それを医学生が知らないと思い、みんな東京に研修医が行っていると岩手医大のアホ学長は主張したが、実は、東京は臨床研修医の必修化で2割も研修医が減り、人数ベースでいくともっとも減っている

だが、岩手のようにしっかりした地域医療をやると研修医は集まる

では、なぜ東北に医者が足りなくなるのか?

研修医のうちには東北にいても、子供が大きくなると医者が東北から離れていくからだ

東北にはまったく進学名門校がない

九州なら、ラサール、久留米大付設、星雲があるし、四国だって愛光がある

東北にいたって子供を医者にできないのなら、東京に引っ越す親心はわかる

また東北から医学部に受からないから、地元からの進学率も下がる

これでは研修医が、長い年月いつくことはない

東北の医師不足解消のためには、全寮制でもなんでもいいから、まともに医学部に受かる進学校を作ることだ

たまたま、とある医者が東北のとある知事のアドバイザーをしているらしく、似たような話題が出たそうだ

その医者に、本気でやるなら協力すると言ったら喜んでいたが、権威主義の東北の県知事のことだから、私に助けを求めには来ないことだろう

これが東北の実態だ

復興と言うなら、ゼネコンに頼るより、人材をなんとかしてはどうなのか?

緑鐡に入る生徒も東北は異様に少ない

だから、小中学校までは学力が日本1とか2でも、ろくな進学実績が出せないのだろう