主権回復の日に陛下夫妻にご出席を賜りながら、お言葉をいただかなかったと思えば、ご退席の際に「天皇陛下、万歳」とかやって物議をかもしている

問題は、陛下がそんなことをしてもらって嬉しいかどうかである

軍国主義の人とか、右翼の人たちは、陛下を政治利用したがるが、天皇家というのは、確かに闘いにかって日本のトップになった過去もあるし、後醍醐天皇のように戦争の好きだった天皇はいるようだが、原則として、武家のトップというより公家のトップである

明治から戦争に負けるまでのような軍のトップになること自体が異常事態のような気がする

むしろみやびやかなことのほうが好きなのではないかと思えてならない

要するに陛下自身が、戦前のような形に戻ることを望んでおられるのかが疑問で仕方ないのだ

万歳三唱令があるとかいう話もまったくのデマカセだったことがわかっている

陛下の長寿を祈念してということらしいが、もともとの日本の伝統ではなさそうだ

日本の伝統回帰とかいうときに、いつも戦前に戻りたがるが、そうではなくて、公家の国、雅の国というほうが、もっと日本が伝統ある国として誇れるし、陛下を軍備拡大の材料に使うなどということは不敬の極みのように思えるのだ

国歌を歌わない、国歌を歌う時に起立しない、国旗に礼をしないと不敬のように言われるのも、同じような理由で全く腑に落ちない

そんなものは、明治以降の伝統でしかない

国歌や国旗でまとまろうというのは、伝統のない、アイデンティティのはっきりしない、新しい国の考え方だろう

アメリカなど、まさにそうだ

外国がみんな国歌や国旗を大事にしているから、日本もまねをしろというのは、戦争に負けた国だから、古い伝統のある国が、伝統のない戦勝国の精神までまねをしろということなのか?

日本人には陛下という、まさに生けるアイデンティティの象徴がいらっしゃるのに、なんで呪物崇拝のようなことをするのか?

陛下はいらないということなのか?

これこそ、不敬のきわみである

それとも、国歌・国旗法というのは、将来、天皇家の血が絶えることへの準備なのだろうか?