アベノミクスで女性活用のために育児休暇を3年にするという政策が紹介されていた

安倍氏がというより、そのブレーンが、あるいは官僚がということなのだろうが、というか、この20年くらいずっとそうだが、この国は、何をやらせても周回遅れのようなことをやる国で、今後どうなるという予想のもとで何かをしようとしない国だと痛感させられる

育児休暇を3年でありがたかったのは、正規雇用が多かったころの話で、非正規雇用が大半の時代では絵に描いたモチである

さらに解雇規制の緩和がなされるのなら、育児休暇をとってスキルが落ちると思えば、そうそうとれない

それ以上に、少子高齢化の時代で、女性活用を阻害するものが、育児より介護になりつつある

確かに育児休暇が長ければ、子供をもつ女性は働きやすくなるだろう。そのために仕事もやめずにすむ。ただ、非婚、晩婚、少子化で、その恩恵を受ける女性は減りつつある

逆に親はたいがい生きている

親なり義理の親が要介護状態になるのは、80代後半のことが多いので(もっと前だとそれだけ悲劇的だが、70代でも20人に一人、80代前半でも10人に一人はそうなる。それが80代の後半だと半分くらいになってしまう)、子世代が60前後ということになる

ただ、だんだん30すぎの子供の比率がふえてくると50代とか、40代の後半で親が要介護や認知症になることがでてくる。今でも年に20万人も介護離職がでているのに、それがどんどん増えていく

この年代の女性が介護でやめてくれればちょうどいいと思っているのかもしれないが、女性に熟練労働を求めたり、女性活用を本格的にしたいなら、今は育児より介護の時代になっているし、北欧などはその路線で女性活用率を高めている

憲法改正の草案のようなものを産経新聞が出したが、安倍氏サイドの意向も踏まえているものだと私はみている

要するに、軍隊が必要な時に、きちんと始動できるようにということだろうが、現行の憲法で自衛権は認められているし、今の自衛隊も違憲ということになっていないのだから、戦争をやりますよという宣言のようなものである

ただ、これも冷戦当時とかと違って周回遅れの気がする

今や中国の指導層ですら、国より自分の金が大事な時代だ

国民感情にお茶を濁すために、「紛争」で勝ったことにしたり、軍隊を使って脅しをかけて、自分の国が強いことを誇示することはあっても、自分の海外資産が没収されるような「戦争」はやらないというのが、心理学から見た私の見立てだ

アメリカの金持ちも、昔は金より国が大事で冷戦当時は93%もの最高税率に耐えたが、今の共和党は税金を増やすくらいなら軍事費を削れという主張だし、オバマもそれに沿っている

ついでに言うとイラク戦争でもわかるように、戦争で勝っても、利権が生じず、その国の後始末を押し付けられる。韓国が北朝鮮と戦争をしないのは、勝ってしまうと、北朝鮮の人たちを植民地の人間として搾取できず、彼らに選挙権を与えないといけないし、治安も悪くなるからだろう

日本が頭にきて北朝鮮に先制攻撃をやるとか言っている人がいるが、戦争には勝てても、北朝鮮の難民を引き受けないといけないし、彼らを信託統治とかいう話になれば、彼らにいろいろな人権、それこそ選挙権を与えないといけなくなるかもしれない

その割にはろくな利権が得られないだろう

戦争で強い国になって得をしない時代になってやって憲法改正ですか?という話である

私は反戦論者でないから、そのほうが得(たとえばよその国を植民地にして、がっぱり収奪できるとか石油の利権が得られるなら)なら、どんどんおやりなさいだが、得をしない時代に軍事費を使うなら、その分福祉に使ったほうが、よほど国民の死亡が減るというものだ

英語を第二公用語とか、学問言語とか、社内公用語とか今頃になって言っているが、おそらく数年のうちにかなりまともな翻訳ソフトや音声認識のソフトがでるだろう

そうであれば、英語になる前のアイディアに力をいれたほうがよほど賢い

ゆとり教育にしても、1980年代にアメリカが失敗だったと総括しているものを、10年以上遅れて、日本でまねして大失敗である

政治というのは将来を予想してやらないといけないのに、逆に、今でさえ時代遅れになっていることを喜んでやるというのは、やはりもう少し考える力のある人にやってほしいと思う