現行の入試制度は「教師の言うことをよく聞いてきた人間が東大に行き、社会で上の立場になるということは、下々の我々からすれば溜まったものではありません」(引用終わり)というメッセージをいただいた。そのうえで、「推薦入学生が全て悪いと言うわけではありません。優秀な方もいらっしゃいますよ」(引用終わり)とのことだった

確かに、東大には、たくさん、教師の言うこと、塾の先生の言うことをまじめに聞いて合格してくれ学生は多い。いっぽうで、教師に逆らって、私の勉強法の本などを読んで、自分で工夫して、下らん教師の授業では平然と内職して入ってくる学生も多い

手前がってな自負だが、前者の人間は、「東大までの人」になって今の厳しいご時世では社会から淘汰されると私は信じている(ただ、そういう人間が官僚になることもあるのが厄介だが)

推薦入学生でも優秀な方はいるだろう。ただ、東大のやろうとしているのは、自己推薦入試でなく、教師の推薦入試である。このメッセージの主の言う「無能な働き者」が混じる可能性はきわめて高い

いろいろな人材を東大が集めることには異論はない

ただ、東大教授というのは、4行教授(私の『東大の大罪』に書いたことだが意味はネットで調べてほしい)が幅を利かせるように、世間知らずの巣窟だ

逮捕者や懲戒免職者が年に二人も出た秋田大学医学部の教授陣が面接すると、起立性調節障害の子供が一生懸命、高校に行けなくても勉強したのに面接で落としているように、面接官がクズだと選ばれるほうが、逮捕されるような人間に媚びを売る人間の集まりなのではないかと思えてしまう

また、体罰自殺をしたとされる子供にしても、体罰から逃げられなかったのが、推薦入試がからんでいたからとされる

高校入試の内申書制度、観点別評価、大学の推薦やAO入試が、子供たちのメンタルヘルスに悪影響を与えていると私は信じているが、日本の教師や教授の主観で選ばせるより、まだ一般入試のほうがましだと信じている

どうしても、推薦入試をやりたいのなら、社会人や人事部のような面接のプロを含めて、第三者委員会のようなものを作って面接をしてはどうかと思う。医学部の入試面接にしても、医学部教授にやらせるより、患者団体やナースにやらせたほうが、はるかに医者の適性を見抜くだろう(もちろんペーパーテストで合格した人を対象にするのだが)

さて、子供がやる気を出さないとお嘆きの方からのメッセージをいただいた

私には即答はできない

ただ、心理学の立場から言わせてもらうと、やる気の出させ方には個人差が大きいことが意外に無視されている

外発的動機づけ論(飴と鞭を重視)と内発的動機づけ論(勉強が面白かったり、自分が充実すると思ったらやるという考え)の二項対立にしても、人によって違うというより、人間というのはそのどちらかだと思っているから不毛な対立になる

子供というのは、飴と鞭がないとやらない子もいれば、飴と鞭では反発するのに勉強が面白ければやる子もいるし、塾や学校の教師が好きになったらやる子もいるし、いい点をとったことをきっかけにしてやる気を出す子もいるし、ライバルができたらやる気を出す子もいるし、周囲の価値観が変わって勉強ができる子がかっこいいとか、異性にもてるとかいうグループに入るとやる気を出す子もいる(韓国や中国に学力で負けるほうが嬉しい売国マスコミのために、そういう環境が少ないのが問題だが)

親に出来ることと言うと、あるやり方でやる気を出さないのなら、別のやり方を試してみる、そのために多くのやる気の出させ方を知っているほうが有利だということくらいだろう

そのために『和田式勉強のやる気をつくる本―やれない自分を変えるちょっとしたアイデア75 (新・受験勉強法シリーズ) 』(学研教育出版)という本を書いている

http://www.amazon.co.jp/%E5%92%8C%E7%94%B0%E5%BC%8F%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%81%AE%E3%82%84%E3%82%8B%E6%B0%97%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8B%E6%9C%AC%E2%80%95%E3%82%84%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E8%87%AA%E5%88%86%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%A3%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A275-%E6%96%B0%E3%83%BB%E5%8F%97%E9%A8%93%E5%8B%89%E5%BC%B7%E6%B3%95%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E5%92%8C%E7%94%B0-%E7%A7%80%E6%A8%B9/dp/4053031435%3FSubscriptionId%3D175BC0N2BCT0X4DAZG82%26tag%3Damebablog-a1041935-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4053031435

75もやる気の出させ方を書いているから、どれかは当たるはずだと信じている

この本の中でも友達の利用法を書いているが、親の言うことを聞かないときは、親のネットワークを通じて友達を利用するのも一つの方法だろう

とはいえ、子供というのは親の言うことを聞かないものだということを、人の親として体験している私には偉そうなことは言えないが