拙著『「改革」にダマされるな! 私 たちの医療、安全、教育はこうなる 』がアマゾンや楽天で売り切れているそうだ

何か販売規制がかかっているのではないかというメッセージだったのだが、小泉改革の話なので、わざわざ規制をかけるとは思えないが、それでも今の政権には都合が悪いのかもしれない

株価が上がると、日本経済が改善する、円安になるのは外交の勝利という勘違いが、民主党のほうにもあるらしく、それに逆らえないとネットのニュースで出ていたが、人々の生活は果たしてよくなっているのだろうか?

朝のラジオでは、麻生氏が経費をもっと認める提言をしたという

アベノミクスやリフレ政策は、あまり賛同しないのだが、これをすると景気がよくなるかもしれないことを何でもやる姿勢は買える

経団連に給料をちゃんと上げろと要請(要求してほしかったが)した点も買っている

さて、北朝鮮の核開発問題がらみで、尖閣の話や竹島の話が薄らいでいるし、安倍氏も憲法を変えるというが、領土問題については大人しい(もちろん、憲法改正と領土問題を同時にいうと、それこそ、周辺国からは、「攻める」ために変えるのかと言われかねないが)

ただ、ぼんやりと考えるのだが、わが国、固有の領土だからというロジックがはたして外国に通じるのだろうかということを疑問に思ってしまう

日本のように島国で、長い間領土のことを考えないで済む国ですら、琉球というのは、果たして日本の固有の領土と主張できるのかを考えてしまうのだが、陸続きで、戦争が終わるたびに境界が変わる国々では、固有の領土論をされると、どの国だって嫌な顔をするだろう

アメリカだって、インディアンのものを奪った歴史はともかくとして、メキシコがテキサスを返せと言ってくれば嬉しくないし、フランスだってドイツがアルザスとかロレーヌを返せと言えば嬉しくない

だから、今回の戦後に決まった境界線は原則的に文句を言いっこなしだし、それを破ったイラクのクウェート侵攻は大目玉を食った

日本の場合、尖閣を沖縄と一緒に返すとアメリカが明言していなかったり、竹島にいたっては、それを見越した韓国が、サンフランシスコ講和条約の前に、実効支配どころか、領海扱いにして、李承晩ラインを設定し、さらに日本の漁船の拿捕という主権侵犯をされているのに、ろくに文句を言っていない

昔の日本の首脳部のへまで、外国から見て、戦争で確定した国境線のようにみえるものを作られたのに、今頃になって、自分たちのものと主張するのであれば、もう少ししっかり根回しをしないと、たとえば国際裁判で勝てるかどうかが疑問だ

日本の場合、アメリカが沖縄を返してくれたから、戦争で負けて取られた土地でも返ってくるという思いこみがある

しかし、私に言わせたら返してもらったととてもいえる状態でない

米軍の基地が2割くらいを占め、その費用は日本がもたされ(全部ではないにせよ)、当地でレイプや飲酒運転があっても、最近は多少変わったら、結局、本国に帰ってしまうことが多い

私がソ連のトップだったり、ロシアの大統領だったら「4島返しますよ。ただし、うちの国の基地を作るから、費用は日本でもってください。それとうちの軍人がなんか悪いことをした場合は、うちに裁判権を下さい。アメリカと同じ条件ならいつでも返します」とでも言うだろう

要するに、後から領土について文句を言うのはそのくらい難しい

というか、残りの国も同じように言われたくないとか、歴史を持ちだしてほしくないという事情がある気がする

そのために既成事実を作ろうとするのが、普通の国のやり方なのだが、日本人はそれをろくにしてこなったという負い目もあるだろう

日本国内で、ロシアの大使館の前で大声で叫ぶ右翼はいても、逮捕覚悟で北方領土に乗りつけて日の丸を揚げる右翼はいない

もう一つの厄介な問題は、日本人は、アメリカにだけ戦争で負けたと思っているが、国際社会では、連合国に戦争に負けたことになっている

もちろん、朝鮮は連合軍でないから、彼らは日本に勝ったと主張できない

ただ、サンフランシスコ講和条約で、朝鮮に対する権利を放棄したので、どこまでが朝鮮かという問題が残る

そこで李承晩がどさくさまぎれをやったのだろう

しかし、中国とソ連は、サンフランシスコ講和条約に参加しなかったとはいえ、戦勝国の扱いを受けている(だから、彼らの言語は国連公用語になっているし、彼らは国連安保理の常任理事国になっている)

何が言いたいかというと、日本人には日本人の思惑があるだろうが、彼らの解釈としては、戦争で取った土地だという感覚がある

それを変えるのをおそらくは多くの国が本音では嫌がっているように思えるのだ

とくに、日本の場合は、領土については、あとから文句を言っている(と思われかねない行動をとっている)のに、たとえば、アメリカの無差別市民爆撃や原爆の投下のように、おそらくは当時の国際法に違反した行為には文句を言っていない(サンフランシスコ講和条約では、国際法違反の訴追権は放棄していない)

あるいは、在日米軍が、日本で少女に乱暴しようが、車で人をはね殺そうが文句を言わない

要するに、外国から見たら、強い国には何でも言うことを聞く癖に、弱い国には、領土を返せという汚い国に見えていないのかを心配するのだ
(もちろん、これが私の心配のしすぎならそれでいいが)

私はへそ曲がりなのか、弱い国が強い国に立ち向かうほうが、強い国には無条件で従うより、男らしく感じてしまう

北朝鮮の国際社会に対する挑戦は、確かに国際平和のためには許しがたいことだが、弱い国が頑張っているように、私的な心情としては見えてしまう

逆に、中国とか北朝鮮とかには強いことをいって(韓国には言えていない気がするが)アメリカには何も言えないというのが、心情的には情けないように思えてしまうのだ

ただ、領土を取り返すのは、上記の理由で難しいからあきらめろと言っているのではない

もう一度戦争をやっても、領土を奪い返せるかどうかは、戦後のスキームとしては難しいかもしれない

だったら、経済的な侵略のほうがまだ合法的だし、国際世論も文句を言わない

そういう点で260兆円も内部留保があって、今はともかくとしてかつては空前の円高だったのに、なぜ外国の企業や土地をもっと日本が買わなかったのかが不思議でならない