日本人がデフレ志向になっているという話を書いたが、お金があったら、ちょっとは使うのかもしれない

「調査をしたわけでなく個人的な実感ですが、ニトリはやはり品質悪いしあまり欲しくは無い。ファミレスなんかでもサイゼリアで食べたいか?(御存知ですよね?知らないなら一度食べてみてください。)吉牛、松屋に連日行きたいか?
チェーン店でも餃子の王将やラーメンの天下一品、カレーのCoCo壱番屋など、高級品とは言い難いけれど、味はそれなりにしっかりしてると感じる。(先生の様に舌が肥えてるなら、ペッてなものかも知れないですが。)ただ、少なくとも千円ぐらいは払うつもりでいかないといけない。
デフレ志向というよりは、そういう選択肢をせざるを得ない状況に今は陥っているっていうのが、現実的でしょう。やはり安かろう悪かろうという感覚は何処かにあると思いますよ。」(引用終わり)

というメッセージもいただいた

私もそう信じたいが、上昇志向のない人はやはり増えているように思う

ユニクロはともかくとして、109(最近は行かなくなったが、昔は娘の買い物に付き合わされた)などで、2000円とかそこらの服を嬉々として買っている姿を見ていると、安いものが当たり前の国で、もっと高いものがほしいと思わせるのは難しい

今の若い子はエンコーまでしてシャネルはほしくないという感じなのだろう(そのほうが健全といえば健全だが)

ただ、女性が安い服や食事で満足するようになって、金でなびかなくなる、それで金を稼いでも、金の好きな鼻もちならない女性にしかもてないというような時代がくれば、多少はオッサンたちの拝金主義は治まるかもしれない

そういう時代になって、どういう男性(もちろん女性もだが)が異性に人気があるのか?

それがルックスなのか、知性なのか、教養なのか、お話が面白い(芸人的な意味で)なのか、あるいはスポーツ能力なのかで、世の中は変わってくるだろう

私は、古い時代の人間なので、お金を使っても、よりおいしいものを食べたいことだけには相当執着がある

ワインだって、金があれば毎日高いのを飲んでいたいが、愛国者のつもりだから、外国に金がいってしまうワインより、日本のすごい料理人にお金を使いたい

言い訳をしているより、とにかく、いやしいからうまいものが食べたい

で、ベストテーブルというグルメ会に入っているのだが、2月いっぱいで店がしまり、予約のとれないあら輝で、最高の寿司とブルゴーニュの会

シャンパーニュは、ジャックセロスだったが、シャルドネのシャンパーニュは最初に飲むにはとても口当たりがいい

あと、三ツ星シェフがワインメーカーに転向したというジョン・ブランコットのシャブリはグランクリュだったこともあるのだろうが、これまで飲んだシャブリの中でいちばんおいしかった

そのほか、Perrieres Sauzetのピリュニューモンラッシュ、98年のMartrayのコルトンシャルマーニュなど、果実実も、飲み口も最高の白が続く

でも、やはり主役は寿司である

最初のタイから信じられないおいしさだし、元の素材がいいにせよ、ちょっとしたあぶり方や包丁の入れ方で、こんなに魚の味が変わるのかというのはまさに職人芸である

小ぶりのマグロだったようだが、ご主人が、私が10年以上通う中で、ベストファイブのトロのはすですと言われたトロのとろけるようなおいしさと後味の良さ(私は最近、ワインでも食べ物でもこれを重視している)はなんとも言えなかった

最後はチョモランマといって、赤身とと中トロの間くらいのおいしいマグロを、手巻きの上に、さらに身をのっけて出してくれる

海苔のうまさもふくめて、本当においしい

ロンドンに行くのが本当に残念だ

で、正直に値段を言うと、ワインとお寿司を合わせて4万円

某お金持ちの人が月に200万円稼げば、あとは、いくらでも一緒と言ったが、その通りかもしれないと思った

だから、私は累進でいいと思っている

貧しい人が飢えているのに、こんなぜいたくをして後ろめたい思いをするくらいなら、昔のように金ができたら、8割、9割税金を取られるほうが社会はよほど健全になる

あと、隣の人は、若いうちは回転すしを食べながら、いつかは高級すしを目指すようになるというが、こういうものを食べた経験がないと、回転すしで満足してしまうのではないかという不安がある

それがデフレの本質のような気がする

だから、なるべく多くの人に月に一度くらいはぜいたくができるような収入のある国に戻ってほしいのだ