朝、テレビを見ていたら、原発依存国フランスと、脱原発が決まったドイツの対比がされていた

フランスは電気料金が非常に安く、ドイツは電気代が4倍も高い

フランスはCO2の排出量が少ないが、ドイツは、代替エネルギーの開発が進んでいる

こういうのを見ていて、いろいろと思うことがあった

脱原発をいう人は値上げの覚悟がちゃんとあるのか?

電力会社のコストをカットすればいいと言うが、そんなことでは代替エネルギーの開発を薦めるのは難しそうだ

いっぽうで、原発を再稼働しないと、日本の経済や競争力がガタガタになるという人がいるが、ドイツは、原発依存度が低くて、電気代も高いのに、ヨーロッパ1の経済力を誇る

なぜそれが可能かというと、日本のアホ経営者と違って、価格競争より、高付加価値で競争しようとするからだろう

電気代が多少高くても、ベンツならびくともしない

これだけの円高、ユーロ安になっても、モデルチェンジすると値段を上げてくる

ユニクロの柳井氏や、HISの澤田氏のような安売り王が名経営者と言われる国とは違う

スティーブジョブズ(アメリカの一般庶民にはアップルの製品は異常に高いようで、すぐ盗まれるそうだ)やかつてのソニーのように、高くても売れる商品を作る経営者や会社が、本当に偉いのだろう

日本の場合、経営者が安売り競争ばかりして、内部留保が260兆円もあるのに、従業員に還元して内需を増やそうとしないし、開発に金をつぎ込まない

こんな国では、確かに、原発を止めて、電気料金が高くなるとたちどころに競争力を失うし、海外に企業が流出しまくるだろう

いっぽうのドイツは、電力がヨーロッパ1高いのに、国際競争力はヨーロッパで1,2を争い、失業率も低い

逆に電力の安いフランスがドイツの倍の失業率だ

そのフランスから経営者を招き入れると言う点では、日本の経営者のレベルの低さをまさに物語っている

もちろん、日本の経営者が欧米に引き抜かれたという話はとんと聞かない

日本のような無能経営者しかいない国では、脱原発など無理かもしれない

もちろん、経営者がケチなら庶民もケチ(経営者がちゃんと従業員に高い給料とボーナスを出していたころは、もう少し高くてもいい商品を買う消費者が多かった気がするが)で、電気料金を上げられたくないなら、やはり脱原発などできない国なのだろう

でも、自民党が政権をとったら、原発依存に戻すと言っているし、早々に再稼働が進むだろう

ただ、それもそれで釈然としない

何らかの儀式がないと、また当たり前に元に戻ってしまう

すると、再生エネルギーを開発しようとか、新たな産業にしようというビジネスチャンスが吹き飛んでしまう

日本というのは、ハンディを与えられるとその克服の上手な国だ

それが日本の競争力を高めてきた

昔は、ガスキー法という、厳しい排気ガスの基準ができたら、ホンダが一番先にクリアして、日本の自動車の国際競争力が飛躍的に上がった

私は脳死反対運動をやっていたが、脳死が非合法だったせいで、生体肝移植の技術は世界トップレベルになったし、脳死が解禁された今でも、脳死肝移植の年間数十倍の命を救っている

脳死が解禁されても年に10人やそこらの命しか救えていないが、そのせいで、人工心臓の開発のスピードは大幅にダウンした

脳死禁止の時期には日本の人工心臓の駆動時間は世界一だった

iPSだって、受精卵を使っては、倫理上まずいということになったときに、旧来のESと違う形で作ったものだ

日本は規制があると、それをクリアするのが上手い

私は脱原発論者ではないが、ハンディのほうが結果的に日本を強くする気がする

ところで、テレビを見ていたら、澤田氏は、まだ助教だった

原発を勧めると出世できず、反原発だと出世もできるし、マスコミの寵児にもなる

世の中変わったものだ

私が原発支持派なのも、そういう俗っぽいのが嫌いだからかもしれない