「私は、少し怖いのは、中野剛志氏も指摘していますが、『中韓の乗っ取り』よりも『グローバル資本による乗っ取り』です。
日本の輸出企業の株主は外国人が増える傾向にあります。
韓国はもう既に乗っ取られていて、新自由主義に走った挙げ句、自殺率が世界一になってしまいました。
これからの時代、国より資本の方が遥かに恐いと言えるのかもしれません。」(引用終わり)

この話は何度かしたと思うが、その通りだと思う

カルロス・ゴーンの日産を見ればわかるように、コストカットの美名のもとに、日本人の給与が下げられ、クビを斬られ、利益が出ると本国に吸い上げられる

ある国の労働者が安く買いたたかれ、それによってあげた利益が本国に収奪されるとすれば、まさに植民地である

日産はフランスの植民地のようになったが、公用語も日本語でなくなってしまった

こういうものは植民地と言わずになんというだろう

アメリカにしてもヨーロッパにしても、規制緩和やグローバリズムという概念を布教(まさにキリスト教の押し付けのように)できれば、戦争なんかしなくても、相手の国を植民地同然にできることを学んだし、その国と戦争をして反感を買うより、そのほうがはるかに実益が大きい

彼らにとって怖いのは現実味がない、中国や韓国やロシアが日本に戦争で勝って、日本で手に入れた資本や会社が取られてしまうことより、共産主義革命でも起こって、自国資本が接収されることだろう

だから、その国の金持ちを優遇し、マスコミを飼いならして、共産主義の怖さを誇張する

私が中韓による乗っ取りをあえて挙げたのは、日本人はアメリカやフランスやドイツに自国企業が次々と乗っ取られても、まったく無頓着だが、中韓の企業に次々と乗っ取られたら、さすがにナショナリズムが出てくるだろうという期待からだ

ただ、リアリティとしては、もっと収奪的な狩猟民族である(日本の韓国支配と比べ物にならないくらい欧米の植民地政策はえげつなかった)欧米の人間に日本企業が次々と乗っ取られることだろう

会社か潰れても、従業員がどうなっても知ったことでない

まさにハゲタカである

彼らは法人税を下げないと国際競争力が下がるという

たとえば1000億の利益に500億の法人税なら、せっかく従業員を買いたたいてそれだけの利益を出しても、本国にもって帰れる利益は500億円になってしまう

しかし、それを200億にできれば、本国に800億もって帰れる

法人税をいくら安くしても、株主還元率が高ければ、内部留保は残らず企業は強くならない

逆に法人税を高くすれば、企業は経費を使う傾向があるから、技術開発に金が回ったり、従業員への還元率がよくなって、従業員の帰属意識が強くなる

法人税が高かったころのほうが日本企業の競争力が高かった

逆に弱い国では法人税を下げても、景気はよくならないし、強い国の収奪がひどくなるのは、ギリシアで実証済みだ

ルールや規制のない自由競争はそのときの強いもの勝ちになる

日本のプロ野球をみれば、それがわかる

アメリカ人も本当はそれを知っているから、MLBでは、金持ち球団に対する規制が厳しい

しかし、巨人ファンの多い日本人はそれに気づかない

ついでにいうと、日本の経済のほうが強かったバブル期には、かれらは決して自由競争とかグローバリズムと言わなかったし、日本企業により欧米企業の買収にむしろ規制をかけていた

それを考えると日本人のアホぶり、無防備ぶりがわかる

このメッセージの主は国を守るために必要なのはエリート教育だという

私も基本的には賛成だ

私のいうエリートとは、これをされたらこの国にとって損だ、これは有利だというような、国のための戦略的思考ができる人だ

これは、頭の良さだけでなく、愛国心が必要となる

税金を高くされたら、規制を厳しくされたら、自分は損をするけど、国にとっては得になるというときに、私有財産より、国のほうを取れるような人間の育成である

国が強くなるのなら、共産主義や国家主義でもいいという柔軟性である(ここで言いたいのは、強くなるならばということが前提で、却って弱くなりそうなのに共産主義とか国家主義をほざいているなら、タダのアホである)

ただ、今や東大まで、新自由主義者に洗脳され、どちらかというと左翼的傾向がまだ残っている教育学部は愚民化政策に加担している

東大以外のエリート教育機関が必要だが、日本の大金持ちはスタンフォードのような大学を作って名を残すことより、自分の子孫に財産を残すことに汲々している

エリートもいない、頭も悪い、エリート教育機関も金持ちもマスコミも外国人に洗脳されたこの国の将来は、残念ながら暗いとしかいいようがない

ただ、唯一の救いは、外国でも国より金のほうが大事なエリートが多いから、思ったほど、外国も強くならないということだ

ただ、日本にも欧米にもエリートがいないなら、やはり強いもの勝ち、金のあるもの勝ちになることは肝に銘じておいたほうがいい

ついでにいうと、近々、私の東大論、エリート教育論を本にする

ぜひ読んでほしい