本日も銀座のシネスイッチで、1回目の上映後にトークショーをやる

私の介護についての私見を述べるが、介護にまつわる質問にも答えられる限り答えるので、ぜひきてほしい

昨日、うかつにも「野球部と言うのは、順法意識が薄いという印象を受ける」と書いてしまった

田舎では野球部がひいきされている学校もあるが、都会ではむしろ野球部のほうが厳しくしつけられているというメッセージもいただいたし、「まるで高校球児全てが悪人。とでも言わんばかりの発言を10年前までその中にいた人間として怒り心頭に発する次第です」「一部のことをあたかも全部のように言われるのは自分のかつての頑張りはなんだったのか?世の中はそんな風にしか見てなかったのか?ショックで今読んだブログの前で愕然としつつも、なんとか気力でキーボードを叩かせてもらっています」(引用終わり)というメッセージもいただいた

確かに、印象論でものを書き、そのように読めてしまったのなら、私の不徳のいたすところだし、どうやって詫びたらいいのかわからないが、傷ついた読者の方には申し訳ないとしかいいようがない

ただ、人間の情報処理というのはどうしてもそういうものになりがちだし、金をもらって書く文章と違ってチェックが緩くなってしまうことも寛恕願いたいのだ

たとえば、官僚が悪いことをした、東大卒が悪いことをしたというと、官僚すべてが悪い、勉強をしている奴はろくなやつがいないという言辞が平気でまかり通ってしまう。私のような個人のブログでなく、堂々とテレビでコメンテーターが大合唱する(少なくとも野球で不祥事を起こしても、野球なんかやるやつはろくなやつがいないなどといコメントをテレビでやれば袋叩きにあうだろうし、二度とテレビに出られなくなる

このメッセージの主も、私のような小物が、「印象を受ける」と書いたくらいで怒り心頭に発するくらいだから、野球をやっているやつはろくな人がいないなどといういい方をほとんどされずに過ごしてこられたのだろう。しかし、一生懸命勉強をしてきた人間や東大卒の人間は、人格否定のようなことを、テレビマスコミや周囲から言われ続けてきたことも知ってほしい

ただ、私のこのブログ全体の趣旨は、もちろん、ある集団に属するある人間が悪いことをしたからといって、その集団全体が悪いのではなく、その個人が悪いという風に考えるべきだということである。テレビというのはついそういうことをやってしまうメディアだ。引きこもりの人が犯罪を起こすとひきこもり全体が悪いようにいい、生活保護で不正受給があると生活保護全体が悪いという

だから、私は個人の処罰を厳しくすべきで、連帯責任という考え方も嫌いなのである

いじめ問題にしても個人の刑事責任に甘過ぎて、いじめ全体、学校全体が悪いという考え方はどう考えてもおかしい

ただ、私自身がうかつにそういういい方をしてしまったことに謝罪をするだけでなく、人間というのはそういう認知構造の枠組みから逃れられないものだと反省をするのだ

ジャイアンツの選手にしてもみんな悪いと言っているつもりはない

ただ、清武内部文書を裁判所が押収してから急に打てるようになったり、ピッチングがよくなっている人間はあやしいといっているつもりだ

各選手についてどのくらい成績が変わったのか調べてみると面白いと思うし、怪しい人については、もっとマスコミもマークすべきだろう

ただ、いっぽうで、だからといって野球部員で悪い人がいないという話にもならない

こういうメッセージもいただいている

「スポーツ名門校と知られる高校に通っていましたが、運動部員への優遇は凄まじいものがありました。一般生徒には所謂“坊っちゃん刈り”が強制されますが、運動部員は茶髪に髭にピアスが黙認され、授業中にハンバーガーを買いに行き廊下で歩き食いをする者までいました(この女生徒は今回のオリンピックに出場しました)。
野球部員に関しては食堂に特別席が用意され、不祥事にも寛大な扱い。野球部員にいじめられた生徒は、別棟に隔離されたまま三年間を終えました(犯人はお咎めなし)。チアリーディング部の女生徒が野球部員にレイプされた事件では、監督が犯人を庇って退任、チアリーディング部を『そもそも健全な男子を惑わせる格好をしているのがいけない』と廃部に。野球部ではなくてチア部を廃部です。この学校(母校と呼びたくもない)の野球部は今でも活躍しているようですが、応援するどころかおぞましい気持ちすら湧いてきます」(引用終わり)

野球部の読者の方で傷つく方がいるからといって、野球部に悪い奴がいると書いていけないなら、やはり「特別扱い」と言われても仕方ない

野球部以上にもっと袋叩きにされているのは生活保護受給者だろう

「私は母子家庭になって日本という国が弱者に本当に冷たい国だとおもいしらされました。
子供を抱え仕事も見つからず、住むところもなく、頼れる身内もなく、精神的に病んでしまいながらも
せめて子供には良い環境で学ばせ負の連鎖から断ち切りたいと、支援の相談に役所にいくと
あなたの様な家庭は普通進学を考えないのでは、その言葉に返す事ができませんでした。
日本が優しい国だなんて今は思えません。
一度落ちた人間には地獄の世界におもえます、本当におしゃるとうりです、死ぬ方が楽だとも感じます」(引用終わり)

多くのOBがテレビに出まくっているし、マスコミに影響力もあるので、不祥事を起こす野球部員はあくまで例外で、一般的には野球をやるような人間は健全だと言ってくれる味方のいる野球の世界と違って、生活保護の受給者は叩かれっぱなしだ。

そして、その子どもが教育のチャンスを奪われ、次の代でも立ち直れない(『教育再生』と称する雑誌では、自分が金持ちの息子で親からおそらく援助を受けている大学のオーナーの子どもの国会議員が、親がぐうたらだから子どももぐうたらになると平気で論じていたが、では、教師に責任はないのか?)

こんなものは福祉国家といえない

そうでなくてもGDPに対する生活保護費の割合は先進国の3-4分の1で、自殺はロシアを除くと先進国とされる国ではもっとも多い

実は9月に生活保護をかばう本を出すが、生活保護の人が本を買う金もないのは日本くらいだろう

最初から売れないのではないかと心配だ

今回もメッセージへの返事なので全員に公開にした