山形の鶴岡で生活保護受給の77歳と54歳の母子が心中したそうだ

こんなことは当然起こるだろうなと思っていたが、今の日本人はこういうことで胸が痛まないのだろうか?

最初は介護にまつわる心中と思っていたが、むしろ高齢の母が障害のある子どもと、生保をもらいながら同居し、肩を寄せ合って生きておられたようだ

こういう親子でも、公費で食べさせてあげるのがもったいないのか?

年寄りと障害者など死んでもらったほうが財政が楽という国になってしまったのだろうか?

私は日本人として非常に後味が悪い

曲がりなりにも精神科医であるので、本当に後味が悪い

私自身、89年に患者さんに病棟で首をつられて以来、一度も自殺を出していないということが精神科医としての誇りである

老人しか診ていないからだろとか言われるが、高齢者のほうが自殺率は高い

さて、私が高齢者専門の精神科医として、自分の経験とか知恵をもとにとった『「わたし」の人生 我が命のタンゴ』がいよいよ8月11日から公開される

ということで、私にとっては初体験なのだが、映画の公式ツイッターに私への質問(とくに介護の悩みなど)をつぶやいてもらうと、可能な限り(スマホがうまく使えないので、PCが利用可能なとき)私が返事をするキャンペーンをやっている

具体的には、映画の公式ツイッター@watashinomichiをフォローしていただき、
#watashinomichiを付けて質問などつぶやくと私が返事をするスタイルになっている

私は、確かに専業の映画監督ではない

だから、自分が撮る映画は、原則として、自分がほかの監督より知っている世界で勝負したいし(今後雇われ監督をやる際はそうでないかもしれないが)、その世界の人が見ても納得できるものを作りたい

たとえば、日本で医療映画がごまんと作られるが、医者の私からみて納得できるものはほとんどない

私が医療映画を撮る際は医者から見ても、十分納得がいったり、感動されるようなものが作りたい

今回の介護の映画も、試写会の評判を聞く限り、介護経験がある人が、泣いてくれることが多いらしい

これは誇らしいことだ

これまでの介護映画のほとんどが、介護をしたことのない人は感動するが、介護をしたことのない人は、よけい義務感や負担感の重くなるものが多かった

私は精神科医としてそれが許せなかった

あと、自分で満足のいく映画と言うのは、DVDで観るより映画館で見るほうが泣ける、感動できる映画だ

前の『受験のシンデレラ』も、この映画も、そういう点では合格点のつもりだ

ぜひ、見てほしい

金返せと言われたら、返すくらいのつもりの作品である(どうやってという問題はあるが)