いくつか気になるメッセージ

社会人で、小学校や中学校からやり直さないといけないという人が、仕事をしながら勉強や大学受験が可能かというメッセージ

私の緑鐡受験指導ゼミナールにはそういう受講生が何人もいるし、実際、大学合格を果たしてきた

手紙を読む限り、勤めている会社は残業に追われるというより、仕事がないことで危機感をもっておられるようだから、受験に使える時間は十分あるだろう

2年とか3年とかかかるだろうが、十分合格は可能だと思う

ただ、むしろ行く学校を選ぶべきだ

卒業するのが30歳とかになっていたら、仮に早慶レベルと出ていてもろくな就職がないのは覚悟しておいたほうがいい

医療系の大学(難関だが医学部でもいい、歯学部は今後はあまり食べられる気がしない)に入って資格を得るとか、大学に入ってからなお、税理士とか食べられそうな資格を取れる方向性を探るのでなければ、何のために大学に入ったのかわからなくなる

そのあたりのビジョンのほうがはるかに重要だろう

生活保護と年金を一体化したらどうかというメッセージ

基本的には、最低保障年金はそれに近い考え方なのだろう

民主党がどのくらいの金額を考えているかわからないが、最低保障年金が生活保護より高ければ、生活保護をつけなくてすむ

実は、そのほうが高くつきそうで、高齢者の実態を考えるとそのほうが安くて済む

生活保護だと医療費がタダだからだ

高齢者の場合、これがバカにならない金になる

医療費の負担を考えたら、最低保障年金という考え方も悪くない

このメッセージの主は年齢関係なくと書いておられるのでBIをイメージしているのかもしれない

また年金財源をこれにあてるという考えだから、逆に厚生年金など高い年金の人は、この最低保障年金と同じ程度の金額しかもらえないという話になるのだろう

私は、それも一つの考え方だと思うが、厚生年金の人たちにとっては払い損という感覚が強くなるし、それを払う人がいなくなるリスクが大きい

実は、私は生活保護というのは、何度も書いているが現状の消費不況下では意味があると考えている

一つは、全額消費に回ることがある。最低保障年金を生保並みに引き上げれば、多くの高齢者は貯金に回してしまう。生保は貯金が一定額をこすと打ち切りになるから、全額消費に回る

生保がもったいないという人が多いが、これを打ちきったら、そうでなくても冷え込んだ消費がさらに冷え込む

生活保護だとある程度生活の監視ができるが(これも限界があるが、それでも、これが嫌で生保を申請しない日雇いの人なども多い)、年金だと払いっぱなしになる。アルコール依存やギャンブル依存になっても介入できない。ここも問題だろう

ただ、私は、年金と介護や医療の一本化は必要と思っている

年金をもらいながら、特別養護老人ホームや療養型病床群に親が入ると、その年金を子どもが使うことが少なくないようだ。特養に入れた時点で、年金を大幅にカットして、介護財源にあてるということにすれば、それでもいい人だけが特養に申し込むようになる。それが嫌だが、施設介護が必要という人は民間を選ぶかもしれない。親を特養に入れても余るくらいの額が厚生年金では出ているのだ。入院中は年金を減らすというのも同じことだ。医療費や施設介護費用の不足を年金で賄うというのはまっとうな話だと私は信じている。親が貧乏だから、子どもが面倒をみるのが当たり前という考えに簡単には同調しないが、親の年金を子どもが使うというのは、とくに親を施設に入れて、楽をしながら使うというほうがよほど納得できない

本日、大量の造反者を出しながら、消費税の増税法案が採決されるようだ

野田首相は、これで歴史に名が残るくらいのいいことをしたと本気で思っているのだろう

ただ、99年に自民党がやった金持ち減税をもとに戻す話も出ない(これで消費が増えず、人々のインセンティブになるから生産性が上がるというものウソで、国の借金だけ増えたのだから、明らかな失策なのに)し、民主党がかつてやりたがっていた、国民背番号制で脱税をあぶり出すこともやらなくなった

自民党と民主党はむしろ野田氏を支持しているのだから、消費税を増やしてでも、金持ちの脱税摘発と金持ち増税はやらない、つまり民主党も自民党も公明党も金持ち優遇を続け、格差を拡大し続ける(その上、生保をたたけば、貧困層はさらに貧困になる)政党だけということになる

小沢氏も金持ち優遇をやめると言わないし、維新も同じだ

金持ち優遇をやめるというのは共産党と社民党だけで、逆に支持率を下げている

マスコミに出ている人間が金持ち優遇をやめるというのに反対している人間ばかりだからだろうが、選挙の際に、こんなに選択肢がなくていいのか?

おりしも、2012年問題の年だ

フランスでも、アメリカでも、ロシアでも、金持ち優遇をするかしないかが選挙の最大争点になった

そして、フランスもロシアも金持ち優遇をしない(ロシアの場合は、ちょっと怪しいが)という人が大統領になった

オバマも二期目は思い切ったことがやれるという人も少なくない

ジニ係数で見る限り、あるいは相対貧困率を見る限り、格差がOECDの中でも高い国なのに、なぜ、金持ち優遇を続けるかやめるかが争点にならないのか?

ところで経団連の会長は、消費税増税を大絶賛しているが、それによって内需が冷え込んだり、価格転嫁できなくて、自分の首をしめることに気がつかないのだろうか?

会社より個人の所得のほうが大事なのか、内需をあきらめてより外需頼り(消費税を上げるのも国債を外国に買ってもらうためだろう。本当は国債がデフォルトに近い状態になったほうが、彼らの期待する円安にだってなるというのに)の国にしたいのだろうか?

日本が中国の属国(彼らの不買運動に怯えて、言いたいことが言えない国)になる日は近い