消費税増税法案が通る見込みだという

大政翼賛会みたいなやり方とか、民意をまったく問うていないこと以上に、増税のスタートが2014年、つまり次の選挙の後というのがまったく納得いかない

ほとんどの人たちは家計への負担増を気にしていて、財政再建のためには仕方ないと思っているだろうが、私がみるところ、収入が増えないのだから、その分だけデフレ圧力がかかり、価格転嫁できなかったり、買い控えが起こって、とくに地方の中小企業が悲鳴を上げるだろうし、消費不況が起こったりのほうが問題だと見ている

ところが、それが選挙が終わった後だ

ま、今回の選挙は維新の会などが躍進するだろうから、消費税の増税より、むしろ累進課税の復活や相続税の増税のほうがいいという政党が次の次の総選挙で出てくることを期待するしかない

テレビを見ていたら、スポーツシューズの技術競争の話をしていた。高くてもいいものが喜ばれる業種では、日本の技術が生きる、だから日本はブランド力で勝負したほうがいいということと、定年退職した技術者が、ドイツのアディダスに引き抜かれるのをみて、日本の優秀な技術者が定年後やリストラ後、韓国や中国に引き抜かれる構図とそっくりなものを見た

『経営者の大罪』で私が指摘した構図の通りなのだが、この番組は企業の御用番組みたいなところがあるので、そういう視点での描かれ方はしない

さて、月曜日にとある取材で、日本の医者はリフォーム詐欺のようなものだという話がでた

要するに、勝手に検査をして、異常があると、これを治さないと死ぬというようなことを言って、薬を押し売りしている

患者の側に拒否権が事実上ないので、リフォーム詐欺以下かもしれない

リフォーム詐欺はともかくとして、リフォーム押し売りというのは、勝手に家に上がって検査して、ここは放っておくと家が潰れるとか言って、年寄りを説得し、高い値段でリフォームを強要する

確かに相場より異様に高ければ、詐欺まがいと言われても仕方ないが、たとえばリフォームしなければ家が壊れる確率が10%で、それをすればほとんどなくなるとしたらどうだろう

ある意味親切と言えるかもしれない

しかし、リフォームしなければ家が壊れる確率が10%で、リフォームしても元の家ががたがきているので6%は壊れるという場合はどうだろう?

しかもその業者が、リフォームしなければ100%家が壊れるような口ぶりでリフォームを勧めたり、本当はリフォームしても6%も壊れるのに、リフォームすれば大丈夫といういい方をした場合はどうだろう?

実は日本の医者は似たようなことをしている

高血圧の薬について、飲まなかった場合に6年後に脳卒中になる確率は10%というような場合、飲み続けた場合6%というような大規模調査がある

血圧の薬を飲んでいたら大丈夫とその医者が言ったとしたら、飲んでいても6%もなるのをごまかす詐欺そのものだ

飲まなかったら脳卒中になるというのも、飲まなくても90%もの人が脳卒中にならないのだから、押し売りと言われても仕方ない

血圧の薬なんてまだいいほうが、軽い糖尿病の場合は、Hba1cが7.5くらいでコントロールしたほうが死亡率が低いとか、コレステロールはむしろ高めのほうが長生きしているというデータが次々と出ている

この薬はあなたの血糖値やコレステロール値は下げますが、死亡率はむしろ飲まないほうがいい場合もあると説明すべきなのは言うまでもない

おそらく日本中の医者が、この手のリフォーム詐欺のようなことをやめて、薬を飲んだ時と飲まなかった時のエビデンスを示したうえで、患者に薬を飲むか飲まないかを選ばせるようにしたら、国民医療費ベースで2-3兆円は毎年浮くだろう

少なくとも患者の側は医者に、「この薬でコレステロールが下がるのはわかりました。でも、それで死亡率が下がるエビデンスはあるのですか?別の薬でもいいのですが、死亡率が下がるエビデンスのある薬を下さい。NIHのHPなどに出ているでしょ。私は素人だから、その手のデータを読んでもわからないけど、あなたはプロなんだから、そのくらい調べて薬を出すのが当たり前でしょ」くらいのことを言う権利はある

外科の手術の場合は、その危険を説明して、受けるか受けないかの患者の同意をとるのが当たり前になっている

内科系の医者がそれをしないのは明らかな手抜きだ

もちろん、それをするのに割があわないくらい診療報酬が低いのも事実だ

医者に説明責任を持たせる代わりに診療報酬を上げたほうが、薬屋に儲けさせて国民の健康を害するよりよほどましだと思うのだが