「先生のおっしゃる通り、日本の経営者が海外にヘッドハンティングされる話は聞いたことが確かにないです。それで思い付いたのがわざと海外の経営者に買収されて、その元で日本人が力を付けることです。 」(引用終わり)というメッセージをいただいた

日本人は、中国に日本企業が乗っ取られるということを嫌うが、レナウンなどをみていても、中国が買収した会社は、ブランドイメージとmade in Japanを大切にする。そのほうが中国で高く売れるからだ。日本のアホ経営者みたいに、国際競争力が安売り競争力と勘違いして、これまでの経営者が努力して築き上げてきたブランドイメージを崩したり、海外生産をすることで、外国人でも作れるような品と思わせる(実際、アラブ諸国で、韓国のメーカーは、日本製品なんて日本で作っていない安ものだが、韓国製品はすべて韓国で作っていると言って売りまわっているという情報をいただいたことがある)とか、自国の内需を減らしたりしない

日本企業がどんどん中国企業に買われれば、日本という国は、中国の高級品工場として生き残れるし、雇用も守られるというパラドックスに早く日本の経営者も目覚めてほしい

フランスに買われた日産にしても、確かにフランスに利益を吸い上げられているが、円高を背景に他者が利益を減らすと泣きわめいている際に、「日本でしか作れない車」としてシーマを打ち出し、円高メリットでロシアの自動車会社を買ったりしている。

日本には賢い経営者はいないのだろうか?

急に伸びた携帯ゲーム会社にしても、政府の規制が入るという情報だけで株が暴落している

いっぽうで、ギリシアでは与党が負け、フランスでは社会党が政権に返り咲くと株安、ユーロ安がきている

金持ちは自分の都合の悪い政治をやりそうになると株を売り浴びせるというのは常套手段だ

株価維持政策をする限り、金持ちの都合のいい税制や政策しかできなくなる。すると庶民は金が使えなくなるから、ますます製造業はダメになり、マネーゲームでしか稼げないから、株価維持政策をするという悪循環になる。株のもちあいと間接金融で、株価維持が必要なかったころの日本が、内需ものび、中流も豊かになり、製造業も強くなり、財政も健全で、企業もロングタームの経営方針が立てられたことを思い出すといい

オランドという人間がどれだけ腹がすわっていて、どれだけ格差是正政策ができるかに興味があるが、それがうまくいけば、フランスのブランドイメージは復活するだろう

フランスだって、エルメスなどフランスでしか作れないものはいくらユーロが安くなっても日本ではびた一文安くならないが、アフリカに工場を移している、自動車などは、フランス車が高級車など誰も思わなくなっている

安売りの罠にはまることがどれだけ危険か考えるといい

さて、昨日は、私の第二回監督作品『「わたし」の人生』の初号を市ヶ谷の試写室で行う

主演の秋吉さんのほか、松原智恵子さんや冴木杏奈さんなども来てくれて、ちょっとした賑わいだった

地味な映画だが、介護をしる人間には、「わかってもらえた」と思ってもらえると信じている

助監督上がりの監督とか、映画学校を出た監督しかダメというメッセージをいただいたことがあるが、私に言わせると知らない人間が作った映画のほうが許せない

手放しで脳死移植を絶賛したり、介護の映画とくれば、かならずや家族が最後まで在宅で介護する美談のような映画ばかりだ

介護をしていない人にはわかってもらえないと思うが、日本で1000万人いるとされる要介護高齢者の家族(要介護高齢者の数は450万人なので、家族はおそらく1000万人はいるはずだ)の方には満足していただけると思う

介護に関係ない、残りの1億2000万人の介護美談的な発想を変えてもらう一助になればとも願っている

その映画のHPが公開された

http://www.watashinomichi.com/

予告編も見られるようになっているので(予告編のほうは介護美談風だが)、ぜひ目を通してほしい

それ以上に8月からの公開(北九州では7月から)ではぜひ、見に来てほしい