昨日は朝の通勤時にラジオを聞いていたら、30年以内だか、2030年だかに、日本の一人当たりのGDPが韓国に抜かれるという話になっていた

子どもの学力で抜かれたのが90年代、それから15年くらいで、半導体や液晶そのほかのハイテクで勝てなくなった

教育レベルで負けて30年くらいで収入でも負けるのは、今の知識社会ではむしろ遅いくらいだ

韓国は金持ちが強欲なので、中流がなかなか分厚くならない。だから、そんなもんなのだろうとも思った

夜、ガイアの夜明けを見ていたら、インドでは家電製品で、日本製品が韓国製品に圧倒されている話になっていた

安ものをつくるのが韓国はうまいからのようだ

未だに、室内機と室外機が一体型の音のうるさいエアコンが2万円くらいで売れているという。セパレートタイプだと3万位するのだが、この1万円の差が大きくて買えないということだ

そこにパナソニックが挑戦して2万円のセパレートタイプを出してヒットしたという成功美談だ

でも、私にはそういう風には思えない

これらの国なら、5年くらいのスパンで平気で中流層の年収が2倍くらいになる

金ができたときに、人々は憧れのブランドのものを買おうとするだろう

韓国製品は貧乏人のもつものというイメージがついていたら、金ができたら日本のものがほしいという流れが理想だ

日本人だって、昭和30年くらいの貧しい時代は安ものは台湾製や韓国製だった。で国産がもちたかったし、アメリカ製品にあこがれた。1億総中流時代になると、日本製品の信頼はあがり、アメリカ製品を馬鹿にして、ヨーロッパ製品に憧れるようになった

今でも日本の最大の貿易赤字国はフランスとイタリアなのである

しかし、日本の経営者は、目先の利益にとらわれ、わざわざ韓国に価格競争にいどんでいる

ブランドイメージなんかないようなものだ

私が日立や三菱の社長なら、これを静観するだろう

そして、インドの一般市民がもう少し豊かになった時点で「パナソニックは、日本でも貧乏人が買うもんでんねん」などといって、もう少し高い値段で、付加価値のある商品を売るだろう

パナソニックにしても、ナショナルと、パナソニックの二つのブランドがあったのに統合してしまった

安いものをうるときはナショナル、高級品ならパナと使い分けをしておけば、インドの人たちが豊かになった時に、ナショナルからパナソニックに切り替えるというやり方が通じるのに、それも捨ててしまった

日本の経営者は、国際競争力=価格競争力と思っているアホぞろいである(もうすぐ、私がこの構造を書いた新書を出すので期待してほしい)

その上、強欲で、コストカットの手段が従業員のコストカットなので、国内市場をぶち壊して、海外便りになっているから、目先の儲けにとらわれて、ブランドイメージもへったくれもなくしている

従業員のコストをカットするより、宣伝費をカットすればよさそうなのにと思うが、それをすると国内で売れなくなると思っている。でも、従業員に金がなければいくら宣伝しても売れないという当たり前のことに誰も気づかない

テレビ局と代理店の詐欺に誰も気づかないくらい経営陣がバカだということだろうが

昔のように経営者は高給をとらない代わりに、従業員の給料が高い、中流の分厚い国なら、国内の製品も高くても売れるし、クオリティで世界に負けないものが作れた

型落ちで安くなったところで海外に売って、それでも売れて仕方がなかった

アメリカも中流が分厚かったころは同じことができた

製造業はオールドエコノミーかもしれないが、インドと中国で中流が7億人生まれるのだから、オールドエコノミーでも金儲けのチャンスは大きい

むしろITのほうが、この市場で飽和傾向で、製造業のほうが成長産業だ。あの暑いインドでエアコンの普及率が2%というのだから

朝刊を見ていたら、高齢者が3000万人近くなっている。だから日本の経済の先行きが暗いというが、日本ほど高齢者が金を持っている国はない

ただ、彼らが金を使わないから、高齢者向けの産業という、国際競争力のある産業が育たないのだ

相続税を100%にして、死ぬまでに彼らに金を使わせないと、日本の将来は暗い気がする

でも、金持ちがいやしいからそれはあり得ないだろう

金持ちの卑しい国はほろぶとつくづく思い知らされた